冒険者
食糧の買い出しを買ってでた俺は、町で買い物をする。
その途中で、リーネの屋敷により、少しばかり家を開けることを伝えると。
「それは構わないが、蒼太殿は自分の身元を証明する物を持っているか?町から出るにはそれが必要なのだが…」
持ってませんね。
というのも、この街に入ったときはリーネが同行していたため、あっさりと入り、そのまま外に出ることが無かったのだ。
あったとしても、数時間後に門前から門内に入るだけだったので、ずっと見ていた衛兵が素通りさせてくれたのだ。
「はぁ、分かった。取り敢えず、冒険者になると良い。あそこの冒険者カードは身元を証明するのに一番だし、万国共通だからな」
成る程、早速作ってくるとしよう。
「分かった。忠告感謝する」
「ああ、ではな」
そう言って、俺は何時もの納品するか依頼する事しかなかった冒険者ギルドに行く。
「おお、おっさんじゃん。どうしたの?」
入ると、何時もの受付嬢ロゼッタが、こちらに話しかける。
「いや、そう大した事ではない。冒険者になろうと思ってな」
そう言うと、何故か笑いだした。
「ぷっ、その年で冒険者って本気?」
回りを見ると、成る程確かに、此処には若い者か、屈強な体を持った者、鎧を着こんだ者しかいなかった。
「ふむ、しかし必要になったのでな」
「へぇ、何かあったの?」
「君には関係ない。で、どうしたら作れるんだ?」
邪険にされた事に少しばかり不機嫌になる受付嬢だった。
「え~まず、この用紙に特技と名前、年齢を書いてください」
事務的な事を言われ、それにしたがって記入していく。
「それでは、ギルドの決まりについて説明します」
曰く、冒険者にはランクがあり、個人に合わせたランクしかクエストを受けられないそうだ。
ランクは、F、E、D、C、B、A、AA、S、SSランクあり、それぞれ
F:雑用、お手伝い
E:薬草採取
D:初級の簡単な討伐クエスト
C:ベテラン中級以上のクエスト
B:集団クエストの参加可能ランク
A:上級を単独で達成
AA:災害急の討伐
S:伝説急の討伐達成
SS:超越級のモンスターを討伐
となっているらしい。
そして、ギルドの招集に必ず応じなければならないらしい。
依頼失敗した場合は、違約金を払わなければならない。
と言うことが大前提だそうだ。
「成る程、招集の合図はどうするんだ?」
「ギルド証のギルドマークが光るので、自分が所属しているギルドに行って下さい。また、町を離れる場合は、ギルドで手続きを行い、移動先のギルドで身元を記録してください」
成る程。
「分かった。ではお願いする」
「畏まりました」
そうして出来たのが、金属製の板で出来たギルド証だ。
名前の横にランクを表すFという字が入っていた。
「成る程。ありがとう。ところで、明日この街を離れるんだが、その手続きをしたいと思ってね」
「畏まりました。では、ギルド証をお出しください」
そうして、何やら丸い物にギルド証を入れると、玉が光る。
「これで、記録を取れました。この度は当ギルドお使いいただきありがとうございました」
「いやいや、構わんとも」
上から目線でそう言ったオッサンに普通の口調に戻った受付嬢が言う。
「いやいや、返事は求めてないから」
「そうか?しかし、これだけでできるとは、楽なもんだな」
「身元が証明出来ない人もいるから、一般的に比較的取りやすいようにしてるんだって」
「ほぉ、それは良い」
「そうね。それで、あんたどっか行くの?」
「ん?ああ、ちょっとエルフの森までな」
「へぇ、結構遠くに行くんだね」
「ああ急遽、行くことになった」
「分かったは、じゃあお土産、期待してるは」
「そうだな」
こうして俺は、冒険者になった。




