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『メッセージ』 『ありふれた話』 『僕の嫁さんは天使!』
『メッセージ』
蔵の中に保存されていた古文書を苦労して読み解いてみて、私は泣いた。それは約五百年前のご先祖様から「私」へのメッセージだった。「この手紙を読む遠い未来を生きる私の子孫に伝えたいことがある。どんな辛いときでも自分を信じて気持ちを強く持て。明日は今日よりもきっと良くなる」
『ありふれた話』
互いに一目惚れだった。雄介から岬に告白した。夏休みにはほとんど毎日会っていた。二学期が始まってすぐ、些細なことで喧嘩した。互いに上手く自分の想いを告げられず自然消滅。十年後の同窓会で再会したとき二人は思った、やっぱりこの人しかいない。二人は最初からやり直すことにした。
『僕の嫁さんは天使!』
傷ついた美しい天使が僕の前に落ちてきた。震える彼女を部屋にあげ服を着せ温かい食べ物を与えた。回復した天使は僕に言った。「あなたの願いを一つだけ叶えましょう」僕は天使が治って天に戻れることを願った。天使は涙を流して歓び、天に帰っていった。それが僕と嫁さんとの馴れそめだ。




