29/33
『まだ見ぬ友へ』 『驚くべき事実』 『22時のバーでの元カノとの会話』
『まだ見ぬ友へ』
孤独の闇でもがく見知らぬ友よ、あなたは一人ではない。あなたと同じように孤立し苦しみ悲しみに打ちひしがれている人が世界中にいるんだ。だから友よ、安易に優しげな死神の誘惑に乗ってはいけない。街に出よ、未来を信じよう。それでも駄目なら私に連絡をくれ。一緒に笑って死のう。
『驚くべき事実』
当たり前のことなんだけど、私にも御先祖様がいるわけだ。それこそ鎌倉時代とか平安時代を生きた先祖が確実にいることに改めて驚愕する。それどころか遠い先祖はアフリカを出発してユーラシア大陸の外れまで歩いてきたわけだ。みんなもっともっと驚こう。すごい苦労してここまで来たんだよ。
『22時のバーでの元カノとの会話』
「私、惚れっぽくてさ」
「知ってる」
「ダメな奴だって分かってもなかなか別れられなくてね」
「腐れ縁って感じだな」
「最後はワアワア泣いて別れるの」
「お疲れ」
「で、またあんたに惚れちゃったんだけど」
「さりげなく俺をディスってない?」
「気のせいよ」
「だといいけど」