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『返せなかった本』 『雨音がしても、しなくても』 『夢のマイホーム』

『返せなかった本』


寝苦しい夜

汗ばんだ寝衣

扇風機が廻る音

仕方なく本を読む

雨が屋根を叩く

シーツのしわ

微かな眩暈


手を振る私

頷く貴方の顔

なぜ無表情なの

口に感じる錆の味

唇をまた噛んだ

夢から覚める

一人の部屋


朝一番の電話

懐かしい声

友の訃報

後悔と逡巡

新幹線の予約


本はもう返せない



『雨音がしても、しなくても』


 夜、雨音を聞きながら眠るのが好きです。真っ暗な部屋の中で聞こえるのは雨音だけ。世界の中に私一人しかいないような気がしてくる、その孤独感が好きなのです。夜目覚めた時に雨音がしなくなっているのも好きです。明日の朝、晴れているということだから。青空が好きだから。私、単純だね。



『夢のマイホーム』


 五十年前に拓かれた新興住宅地。郊外の駅から徒歩で二十分。坂が多く車がなくては生活できない。新婚夫婦が多く移り住み、幸せな家族を演じた。時は流れ子供達が巣立ち、老夫婦だけが古い住宅地に置き去りにされた。老老介護の果ての孤独死。なんのための人生だったのか。まあよくある話。


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