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ぷろろーぐ。
数日前、俺たちの住む町でバイオハザードが起こった。
発生源は不明。
人々は謎のウイルスに感染し、動く死体、ゾンビとなって町を徘徊し始めた。
政府はすぐにこの事件に対応、町をバリケードで包囲し、感染の拡大を防いだ。
そして、その中に取り残された俺たち生存者。
厳しい環境と限られた資源の中、地獄のようなこの世界を、俺たちは生き延びていく。
はず、だったんだが・・・
「紀伊原ー、おなかすいたー」
「俺に言うな」
「紀伊原さん、棚の上のあれ、取ってもらってもいいですか・・・?」
「ああ、いいですよ」
「キーハラー、テレビつかなくなっちゃったヨーj
「叩け!」
俺の家、同級生の女子三人と一つ屋根の下。
電気は通じ、電波は届き、食料も当面は困ることがない量がある。
ここにきて、俺は気が付いた。
ゲームや映画なんかで見るゾンビ世界は、全部嘘っぱちってことだ。
「きーいーはーらー!なんかつくってー!!」
「缶詰でも食ってろ!」
・・・とにかく、これは、俺たち四人が過ごしていくハメになる、何の変哲もない、ありきたりなゾンビ世界の物語だ。