表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

打ち上げ花火

作者: なかつかさ

声劇用の台本です。

男女比は、0:2となります。


花火大会での一コマ。

打ち上げ花火を見上げる女の子同士の会話です。


どうぞ遠慮なく使ってください。

優衣 「花火はどーんっていう、あの音がなんかいいよね」


葉月 「ああ、うん。わかるかも、それ」


優衣 「キレイだよね」


葉月 「うん……でもキレイなのって、どこか悲しい気もする」


優衣 「悲しい? なんでキレイだと悲しいの?」


葉月 「なんでだろ……まぶしいから、かな。まぶしくてきらきらしてるものって、もとからあまり好きじゃないかもしれない。自分とは違うから……」


優衣 「そんなこと……」


葉月 「あと、昔を思い出しちゃうってのも、ひょっとしたらあるのかも」


優衣 「思い出したくないの? 昔のこと」


葉月 「そういうわけじゃないんだけど」


優衣 「…………」


葉月 「ごめんね。変なこと、言っちゃって」


優衣 「ううん、大丈夫。思ってること、そのまま口にしてくれたほうが、そのほうが私は嬉しいから」


葉月 「そっか……ありがとうね」


優衣 「ううん」


葉月 「…………」


優衣 「どっかーーんっ!」


葉月 「(微笑んで)どっかーんだと花火っていうよりも、まるで何かが爆発したみたいだね」


優衣 「あはは。それもそっか」


葉月 「うん」


優衣 「……そういや、まだ会ってるの?」


葉月 「え?」


優衣 「吉田くんと」


葉月 「ああ……ううん。あれからもう一度も会ってないよ。多分、もう会わないと思う。吉田くんとは」


優衣 「……そっか」


葉月 「ごめんね。なんか、いろいろ心配かけちゃって」


優衣 「ううん、私のほうこそごめんね。こんなときに」


葉月 「大丈夫。私も優衣が思ってること、ちゃんと言ってほしいから。全部とは言わないけど、なるべく言ってほしいって思ってるから……」


優衣 「ありがとう……じゃあ、私もそうさせてもらうね」


葉月 「うん」


優衣 「なんか、あっという間だよね」


葉月 「え、何が?」


優衣 「……夏が終わったらさ」


葉月 「うん?」


優衣 「夏が終わったら、二人でどこか出かけない? こう、パーッとさ」


葉月 「出かけるってどこに?」


優衣 「うーん……京都……とか?」


葉月 「(微笑んで)それだと旅行になるね」


優衣 「ああ、そっか。京都だとそうなっちゃうよね」


葉月 「でも、たまにはいいかも。二人で遠出するのも」


優衣 「観光しない京都とかね」


葉月 「観光しない京都?」


優衣 「そう。いかにもって場所には立ち寄らないで、地元の人しか知らないような町家まちやカフェにぶらっと寄ってお茶したり、ただ何となく、古都の町並みを散策してみたり」


葉月 「あ、いいかも、そういうのも。楽しそう」


優衣 「でしょ? きっと、楽しいと思うよ」


葉月 「楽しみがまたひとつ増えたな……ありがとうね、いつも」


優衣 「ん?」


葉月 「私にいつも、楽しいことをプレゼントしてくれて。今日もそうだし」


優衣 「ううん。私も楽しいから。おあいこだよ」


葉月 「おあいこか」


優衣 「うん」


葉月 「…………」


優衣 「どっかーーん」


葉月 「(微笑んで)だからそれじゃ花火じゃなくて、爆発物だって」


優衣 「ふふふ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ