はち
短いです。それなのに進まない…。
週に一回でも更新したいのに、ままなりません。
読んでくださる方に感謝を。
どうしても一緒に寝ると言ったリンに、夫と寝たいと望んだタキ。二人のそれぞれの自室に男女で別れて休むことになった。
素直に甘えてくれる二人に、夫婦そろって嬉しさを隠せない。もう9才、まだ9才。もともと中学生だった記憶があるためか、抱きしめる事が私の思う存分にできなかった気がしていた。
タキはなんだかんだ言いつつも甘えてくれることもあったけれど、リンは結構すぐに手が離れたようで、実は寂しかったのだ。
隣りにくっついて寝床に入ると、改めて大きくなったと実感する。お腹の中で暴れていた子が無事産まれて、すくすく育った。腕の中にすっぽりおさまるほど小さかった子が、もう頭は私の肩に届きそう。でも手や足の形、顔立ちはまだまだ幼い。
『手は離さない』
『手は離しても眼は離さない』
『眼は離しても心は離さない』
たしか患者さんに教えられたような気がする言葉。
この子たちを愛しいと思うなら、そろそろ魔法の根幹を教えて鍛えてあげる時期なのかもしれない。
眼を離す時期がいつ来るかわからないけれど、何があっても生き抜く力を持ってほしい。私が教えてあげられるすべてを、教えてあげなくては。
だきしめて、頭を繰り返し撫でるうちに眠りについたリン。手触りのいい髪の毛とふれあっているところから感じる子ども特有の高い体温に心が愛しさでぎゅーっとなる。
あらためて決意をして、明日からの指導の組み立てをしながら私も目を閉じた。