修行①
ちょっと毎日連続更新がきつくなってきました。
メアリーさんとシルフィを家に残して、優夜達は庭に移動した。
「どうしたユーヤ。何処からでもかかってこい」
「それじゃあ遠慮なく行きますよウォルフさん」
今のところ一番危険なのはあの尋常な速さだな。取り敢えず・・・
「”我に風の祝福を エア・ブースト”そして、”空気よ剣と成りて形をなせ エア・ソード”」
魔法を発動して駆け出す。因みに、”エア・ブースト”は速度上昇、”エア・ソード”は空気の剣を創造する魔法だ。
「うおおおおお!」
魔法で加速し走りながら、
「”我が敵を切り刻め エア・ブレイド”」
草原で思いついて創った風魔法を発動し、五つの斬撃を飛ばす。”エア・ブレイド”は空気の斬撃を飛ばす魔法で、魔法の個数は魔力の消費を倍にすることで増やせる。(この場合は5倍)
ウォルフさんに不可視の斬撃が迫る。だが、彼は腕を組んだまま微動だにしない。そして、直撃する瞬間
「フンッ」
衝撃波のようなものでそれらを吹き飛ばした。
「儂に飛び道具は効かぬよ。たとえ魔法であったとしてもな」
「・・・まだだ。まだ俺の攻撃は終わっていない」
嘘だろ!?気合で吹き飛ばすとかドラ〇ンボールじゃねえか!ていうか何で見えてんだよ!・・・・まあいい、今のは小手調べだ。本命はこの後・・・
自分の近くにある空気を使ってもう一度同じ攻撃をする。
「”我が敵を切り刻め エア・ブレイド”」
<”空気よ我が願いに応じろ エア・コントロール”>
一つ目を大きめの声で、二つ目を小声で言った。小声なので口を動かしても呼吸をしているように見える筈だ。
「無駄だと言っておろう。フンッ」
また吹き飛ばされる俺の魔法。油断しているウォルフさんの口や鼻に、飛ばされた”エア・ブレイド”の一部を操り、二酸化炭素をイメージして流し込む。
これならどうだ。外からは吹き飛ばせても、体内からは無理だろう・・・
「む?・・・・むおっ、息が出来ん・・・」
よし、入った。行くぜ!
俺はそう思いつつ、ウォルフさんに切りかかるが、
「フンッ・・・なかなか良い魔法じゃが、儂には効かないのう・・・どうした、お主の実力はそんなものか?」
余裕の表情でこちらを見ている。
「ま、マジかよ」
(体内でも効かないだと・・・つまり、あの技は体内から発動しているという訳か・・・)
「そろそろ儂からも」
前方にいるウォルフさんが歩いてくる。そして、目を離していないのに一瞬で視界から消えた。
「くっ、何処だ!」
焦りながら辺りを見回すと、
「行かせてもらうぞ」
という声が耳元から聞こえた。
「ッ!」
咄嗟に振り向こうとするが遅かった。背中に衝撃、豪快にぶっ飛ばされる。前向きだったため顔面から落下し地面とキス。と同時に、発動していた”エア・ブースト”が消滅。
「ぐはっ」
体が痛いが思ったほどでは無い・・・やはり速い、あれでもまだ全力では無いのだろう
「ほっほっほ。素人にしてはよくやったほうじゃよ。まだまだ甘いがな。次で決めるぞい」
ウォルフさんがゆっくりと近づいてくる。
立ち上がり、一か八かでとっておき(現在の切り札とも言える)魔法を使用する。
「せめて一発だけでもあててやる”我が敵を撃ち抜け エア・ガトリングガン”」
・・・・・残っている魔力の99%を費やした魔法だ。元は低消費の”エア・ガン”なのだから数に制限は無い様なもの・・・
魔法の発動と同時に倒れこむ、魔力切れ寸前で意識を保つので精一杯だ。
そして、俺の頭上の空間に、空気の弾丸が約一万個標的をウォルフさんに定めた状態で並んだ。
「・・・!!何じゃ?この異常な数の魔力は」
ウォルフは異変に気づき、立ち止まった。
いくら不可視とは言っても、自分の目の前に大量の魔力が漂っていれば誰でも気づく。なぜなら、この世界の大気に含まれる魔力は微量で、感じ取れる者はごく少数しか居ないからだ。
その上、優夜が”エア・アロー”を改良してつくった”エア・ガン”が凄いのだ。どのくらい凄いのかと言うと、魔力の消費量を数値化して見れば分かる。先程使用した”エア・ブースト”、”エア・ソード”、”エア・ブレイド”、”エア・コントロール”は、”エア・ガン”を1として考えると、順に3000、1000、125、200ぐらいだ。
具体的には、”エア・ブースト”と”エア・ソード”は一定時間発動し続ける為消費が多いが、”エア・ブレイド”と”エア・コントロール”は数秒発動するだけなので消費が少ない。”エア・ガン”も数秒発動するだけだが、大きさが小さめの消しゴムサイズなので、そもそも形成する時に消費する魔力が少ないということだ。
要するに、”エア・ガン”は、優夜にとって、形が簡単でイメージしやすく、魔力の消費が非常に少ない優れモノという訳だ。
「お、おーいユーヤ、いくら儂でもその数は防げるか怪しい、というか喰らうと死んでしまうのじゃが。止めては、くれんかね?」
優夜は気絶寸前なため、そんな言葉は聞こえない。聞こえたとしても返事するだけの気力も残っていない。
「・・・・」
優夜は魔力切れ寸前の状態で約一万個の空気の弾丸を操作する。
「ちょ、ちょっとフンッ、待つのじゃフンッ。儂フンッ、このままフンッ、じゃとフンッ、やばフンッ、本当にフンッ、死んでフンッ、しフンッ、まうフンッ・・・ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
初めは、弾丸を避けつつ衝撃波を出す技を使っていたが、直撃までが徐々に速くなっていき、最終的に全力で回避をするウォルフであった。
*◈* *◈*
数分後、不可視の弾丸×一万を息も絶え絶えになりながら何とか回避したウォルフは、いつの間にか気絶していた優夜に近づいて呟いた。
「ハァ、ハァ・・・生きた心地がしなかったわい。ユーヤ、お主は鍛え甲斐がありそうじゃな」
深夜の森の中で、優夜はまた一つ成長した。
◈ステータスカード◈
《名前》 柊優夜
《二つ名》 なし
《年齢》 15歳
《種族》 人間
《職ジョブ》下級:【軽業師】レベル40
《魔法》 風魔法Ⅴ
《スキル》 種族:言語理解Ⅴ
アクティブ:魔力貯蔵Ⅰ
パッシブ:攻撃耐性Ⅲ魔力切れ軽減Ⅱ
《ステータス》HP:Ⅲ、MP:Ⅴ、STR:Ⅱ、VIT:Ⅴ、AGL:Ⅳ、
DEX:Ⅴ、INT:Ⅳ、MND:Ⅳ、LUK:Ⅲ




