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カール王とゾイル

元々書いてるのを移すだけなのですが、仕事が忙しく、多少手直ししたり、誤字のチェックしたりして、遅くなってしまいました。

早く全部移して、新しい話を書こうと思います。

実は、私に似た人物をキャラクターの中に入れてます。

もう、出てるかも知れないし、これから出るかも知れません。

私が居たら、こうだろうと言う設定で行動させようと思っています。

宮殿では、ディラーの王カールが騎士らしい男と話しをしていた。

金持ちの象徴の多少の肥満体を、背もたれが付いてない大きな長椅子に横たえていた。

カール王は、2ニードちょっと(175センチ)と普通だが、体重は160ミッド(1ミッド約500gつまり80kgくらい)あった。その身体を2人の女奴隷がマッーサージをしていて、横向きに騎士を見ながら


「ゾイルよ、さっきのデモノの使いの者の話し聞いたか?」


「ハッ、あちらで聞かせていただきました」


「どう思う?」


「そうですな、あの騎士を殺したら、優勝賞金の5倍以上の10

00万ギルとは…余程悔しかったのか、あの女が諦められないのか」


と言うと、カール王はちょっと興味を示した。


「面倒だから見なかったが、そんなにいい女なのか?」


と言ったが、実はそうではない。

カール王は、自分がその女を気に入るのが、少し怖かった。

彼は、2度と女を愛さないと決めている事情があったのだ。

だが、元々は女好きで、それを知りながら、ゾイルは少し楽しそうな顔をして続けた。


「はい、モール系の中のモール系そのもので、その上引き締まった肉体は素晴らしいですな」


「成る程の~

あいつがも欲しくなっるほどとは、余程いい女なのだろうの~

売る前なら良かったが、町のギルドの管轄になってしまったし、見て見たかったがな。

ギルドが預かってしまっては、さすがに見せてくれとは言えないからの~」


ディラーにも、ギルド(商人の組合)があり、彼等には、ここの王も命令を厳戒令でも出さない限りきかない。

ギルドがないと、奴隷も傭兵も取り引きは出来ないし、パーラの取り引きも当然出来ない。

パーラの取り引きは国同士ではしないのが通常だった。

どこの国でもギルドがあり、パーラの取り引きは、ギルドに登録してある商人同士がしていた。

それにディラーは、ギルドからの税金が半分以上を占めている。

この国では、パーラが取れないので、唯一中原に近いと言うことで、交易で栄えている為だ。

ギルドは、政治には口を挟むことは禁止されているが、ギルドに干渉することも禁止されていた。

これは、建国以来の決まりだった。

だからギルドに預けられているサーシャは、何処よりも安全なのだ。

カール王は、デモノが欲しがる物が見たくて仕方なかったが無理に見る訳にもいかないので、ちょっと不機嫌になっていた。


「しかしは、あの強そうな騎士を、武闘大会で殺してくれないか?

とはの~

お前を出場させてくれと言うことだな。

どうするのだ?」


カール王は、騎士に問いただした。


「そうですな、私も出てみたいですが…

しかし、あの騎士は多分マスターですよ」


「うーん、その位余にも分かるぞ」


ゾイルを怪しげに見ながら


「そちでも勝てぬのか?」


その言葉を聞くと、カール王を少し睨んで


「ご冗談を、私もマスターですぞ!」


と低い声でゾイルは言った。


「怖い顔するなー」


慌て言った。


「まーデモノの話しに乗る気はないですが、久しぶりに本気で戦えそうですな」


ちょっと反省して、ゾイルは今度は優しく言った。


「そうか、それは見物だの~

勝ってしまって、殺さなかったら、デモノのことだから面倒なことにならないか?」


「そうですな、その時はわざと負けますか」


「えっ、そんなことが出来るのか?」


「マスターの騎士どうしなら、見物人に知られていないように、勝敗がわかるので、後は適当に芝居をしますよ。

相手も嫌とは言いますまい」


ゾイルは笑顔で言った。


「ふーん、騎士とは剣で語り合うと言うからの~」


「まーそんなとこですよ」


ゾイルはカール王が、ちょっと誤解しているが、説明するのも面倒なので、苦笑して言った。

そりゃー剣で分かり合うのは当たり前だが、詳しい話しが出来る訳では無い。

カール王の様に、一般の者はマスターナイトを過大評価していた。

それだけマスターナイトは、騎士の中でも特別に思われていた。

能力を認めているのだ。

元々騎士と言うのは、長い修練をして、騎士試験に受からなければならなかった。

まず修練をする為には、体力テストがあり、そこで大半は落とされ、残った中で修練をパスするのは、100人に1人で、その後、兵法などを教えられたのち騎士となる。

騎士には、証の短剣があるのだが、それは同じ騎士同士しか見せてはいけなかった。

仕官する時の騎士の証明は強さのみなのだ。

元々中原には、騎士の養成所は2つあって、ゾイルが行った所は、平民が行くスタンギットで、

ザィールは、貴族や王族が行くノースギットだった。

この2つは、ライバル意識高く、平民が行くスタンギットは、取り分けノースギットへのライバル心が強かった。

別に騎士になると対等で、出身は関係なくなる。

元々は、この2つの出身だけが、騎士と言っていたが、最近は各国が修練や試験を勝手にして騎士も多くなっている。

その為、その2つの出身者を特別にマスターナイトと言うようになったが、通常はマスターと呼んでいた。

騎士は、一度剣を捧げたら、普通一生忠誠を尽くすが、その気になれば剣を返すことも出来たので、自分に自信がない王は、騎士の機嫌も取らなければならなかった。

ゾイルは、中原の国から王族と一緒にディモラードに来たが、主人がディモードの奥地に行こうとして、途中で死んでしまったのだ。

その時に1人瀕死の状態で生き残った。

そのゾイルを治療して助けたのが、カール王だった。

それ以来、カール王に忠誠を誓っていた。

それが3年前、今はカール王45才ゾイル28才になる。

カール王は、悪ぶってはいるが、根はそんなに悪く無かった。

ゾイルを欲しかったせいもあるが、色々な医者を呼んでくれたし、気が付くと何度も見舞いに来てくれた。

その度に、綺麗な女を連れて来て看病させたり


「何か食べたい物はあるか?」


など、色々と気を使ってくれていた。

別に悪いことをしてはいないのだが、デモノの様な連中がいるので、悪ぶっているようだった。

内政には余り関わっていなく、もっぱら外交や戦などを仕切っている。

内政は、政官達に任せていた。

ゾイルが忠誠を誓うと嬉しさの余りゾイルの手を取って


「そーか、良く言ってくれた。

これでワシも一人前の王になれたと言うものだ」


と言って、いつまでも手を握って、次は抱きつくんじゃないかと思われる位に感激された。

普通、いくら感激しても、王はこんなことはしないので、ゾイルもびっくりして、呆気に取られた。

女には目がないが、一般の女には手をだすこともなく、もっぱら買える女か女奴隷を抱いていた。

死んだ王妃に、ベタ惚れだったので側室を設けようともしなかった。

王が侍女にでも一般の女性に、手を出すと側室にしないといけないのが決まりになっている。

その決まりを、カール王は守っていた。

カール王は、代々の決まりでも、おかしいとか今に合わないとかの理由で、代々の決まりを変えて来たが、これだけは守っていた。

それに、外交や戦では、多少汚ない真似や法に触れることもする。

周りが周りなので仕方がないことないことだった。

カール王の王妃と言うのは、小さな中原の王の姫で、商人から紹介されたらしい。

商人から、かなり借金をしていたので、紹介と言うより身売りと言うべきだった。

ここの商人は、国々に金銀を貸してもいた。

商人が持って来た絵を見て、一目惚れだったらしい。

商人への借金とある程度の金銀を国王に渡して、絵を見てから1年たってディモードのディモラードにやっと姫が来たが、最初は会おうとしなかった。

自分が嫌われるかもと思っていたらしく、それに姫が、毎日部屋で泣いていたせいでもある。

姫は、親に売られた同然で、しかも買われた相手はかなり不細工で、悪い奴と聞いていたから、泣くのは当たり前だった。

カール王は、そんなに不細工ではない、むしろ良い方なのだが、細身の中原で洗練された綺麗な姫には、田舎者のカール王では、どう見ても似合わないのは明らかだった。

そこでカール王は、姫に顔も出さず、珍しい食べ物、宝石などを毎日のようにプレゼントして、本人は忙しいと中々会いにいかなかった。

ある日、姫がカール王の侍女にこっそり、カール王はどうして会いに来ないのかと聞くと


「カール様は、多分嫌われるのが、お嫌なのでしょう」


とちょっと困った顔で言った。

どうも、宮殿では、物笑いの種になっているようで、本人も分かっているので、毎日理由を付けて宮殿から出て行っていたらしい。

その事情を聞いて、姫は決心をして、ある日自分から会いに行った。

カール王は、狼狽えて、そこにいる者は、笑いをこらえるのに大変だったと言う。

会って見るとそんなに醜い顔でもなく、普通より悪くもない。

話しても悪人でもないので、姫はカール王を好きになったかは知らないが、受け入れることにしたようで、直ぐに婚礼が行われた。

それ以来、カール王は王妃にベッタリだったが、僅か5年で王子を1人産んで亡くなったと言うことだった。

ゾイルは、その話しを聞いて、親しみを覚えた。

ゾイルが、忠誠を誓い王の側近になると、余りにもカール王がベッタリなので、新参者に面白くない者達が、実力を試させて欲しいと、ディラーの騎士がこぞって試合を申し込んだ。

しかし、申し込んだ10人を一辺に倒したので、ディラーの騎士達や側近達は、それ以来誰もゾイルの実力を疑う者は居なく、皆から尊敬され、まるで王の次に偉いと言う感じで接して来たので、最初は辞める様に言っていたのだが、カール王が、それなら次に偉くすればいいと、全軍の総司令官にしてしまった。

カール王としたら、妹を貰って欲しいのだが、マスターは1人の女に縛られないと言われているので、薦めなかった。

一般にマスターは、妻が居ると情に流されるとか、命を惜しむとか、人質に取られたら困るとか色々言われているが、真相は定かでなかった。

別にマスターだからと言って、女を抱かない訳ではない。

普通は、それらを糧にしている女を買うことが多い。


ゾイルは、カール王の部屋を後にすると、サジィールのことを考えていた。


(あの雰囲気、間違いなくマスターだな)


デイモラードの国々に、マスターは自分しか居ないと思っている。

マスター同士なら、見ただけでも分かる。

実は、マスターナイトには、1つだけマスター同士しか分からない秘密があった。

それをシールと言う。これは、多少個人差もあるが、騎士になるさいに、ある能力を授かるのだ。

それは、相手の攻撃を多少和らげるのと、相手を一瞬金縛りにする能力で、戦いで剣で突かれたとしても、分かっていれば身体を守れるし、相手に斬られそうになっても一瞬だけ相手を金縛りに出来る。

しかし、騎士同士以外に、このことを話せば、シールの能力が消えると言われている。


普通一瞬だけ金縛りが出来ても、相手はマスターの気迫だと思っているので、例え剣を交えたとしても気付かなかった。

ゾイルには、サジィールに負けるとは思っていない。

彼は、神の巫女よりシールの力を授かった時。


「貴方は、中々強い力があります。

私も長く騎士の方に力を使えるようにしていますが、貴方のような方は、他に知りません。

多分、広い中原の国々で多くても5人位しか、貴方と同じそれ以上の方はいないでしょう」


と言われていたので、かなり自信を持っていたのだ。

デモノと喧嘩をしたくないので、勝負に勝って後は負けることにしてと勝手に決めていた。

今まで、武闘大会に出たことのない。

ゾイルは、優勝と思ってたし、お金や名声にも興味なく、そして女にも恋愛感情を持たない。

騎士とは、恋愛感情を持たないようになっている。

それは、巫女からの力を授る時、騎士の掟の1つで、掟を破ると力が無くなると言われている。

騎士の掟とは。


1、シールの秘密を騎士以外に話さない。


2、恋愛感情を強く持たない。


3、一度忠誠を誓った主人を殺してはならない。


だった。

良く分からないが、この3つを破ると無くなるように巫女が頭にインプットしてるらしかった。

噂では、恋愛だけは何人か破ってしまい、力を無くしたと言われている。

噂だが、シール事態騎士しか知らないので、確かめるすべがない。

その噂は、ノースギット時代に聞いた物だ。

ゾイルは、久しぶりに、まともに戦えると思うと多少の興奮をしていた。

自分の部屋に、戻ると1人の女が出迎えた。


「御主様、御食事はいかがなさいます?」


女は、着替えを手伝いながら言った。


「軽い物を」


ゾイルは、着替えが終わるとそう言った。


「はい、直ぐに」


女は満面の笑みで言うと、急いで部屋から出て行った。

女は、ミシアと言う。

カール王が看病に連れて来た女の1人だ。

騎士と言うことで、侍女や貴族の女まで、看病したいと沢山申し出たが、カール王としては、ゾイルに誠意を見せかったので、美人を選抜した。

だがミシアは、奴隷だった。

奴隷と言っても最高級の奴隷である。

最高級の奴隷とは、処女の若い女で美人が条件で、見た目でランクがある。

その中でもミシアは最上級で、姫の格好をしたら誰も疑わないだろう。

ここの世界では、乙女が初めて抱かれて流した血を飲むと長生きをすると言われていりので、ミシアのような女は、高くても求める金持ちの豪商、貴族、王族が沢山いたのだ。

その為に、贈り物としては最高になる。

しかし、ミシア級になると、貴族や王族のお育ちのいい女じゃないとダメなので、戦の戦利品からでないと作れない。

作れないと言うのは、普通、戦で敗れると、ほんの子供以外は自害するからだ。

だから、子供で買って育てるのだ。

その時に、何処何処の家系でとか、出生の品々を持っていた。

しかし、当然偽物も多い。

大抵、売られたら、直ぐには抱かれなくて、色々贈り物として、何回か主人が変わる。

平均で18才から20才で抱かれるのだが、それは16才から18才が一番高く、それを越えると値段が落ちるからである。

看病の娘の中で、ミシアを側に置きたいとゾイルが言ったのは訳がある。

実は、ミシアのことを他の看病の娘から聞いたのた。

娘達は。


「あの子は、カール様が、特別に用意した奴隷女なんですよ」


と正確に言った。

その上、カール王が苦労してミシアを買ったことも親切に教えてくれたが、早い話し、私達と違って、身分は卑しい奴隷とさりげなく言いたかったらしかった。

それを聞いて、ゾイルはカール王が喜ぶと思って、ミシアを貰うことにしたのだ。

カール王は、やっぱり自分の女を選ぶ目に狂いがないと皆に自慢したほどだ。

ゾイルは、誓いがあるので、恋愛心は殺してはいるが性欲はある。

性欲は、他で買って処理していて、ミシアには手を出していない。

そんなゾイルに、ミシアが強い恋をいだいているのは明らかにわかった。

一般常識では、普通の騎士でも女は邪魔だとされていた。

死ぬことが怖くなるからだとか、どんな強い騎士と言えど、心を許した女に寝首を刈られる心配があるからだと理解していた。

マスターになると、それ以上の理由があるのだ。

だから、ゾイルが求めた為、世間では、やっぱりマスターも美人が好きなんだと言われて、奴隷女の相場が上がった。

殆どのマスターは、独身でだった。

でも中には、マスターにも、結婚して子供も居る人も居るが、基本的にそれだけのことで、普通は子供とは別に暮らす。

妻は、子孫を残す道具と同じで、愛情を感じていないと思われていて、家族と行動することはない。

特に、有名なマスターには、何故か妻帯者が多かった。

世間では、極めたマスターは、自分の子孫を残したいから、結婚するんやないか?とか、女をめとるのも、精神的な修行やないのか?とか、言われていたが、どの妻帯者も何も言わないので、真相は分からない。

ゾイルはミシアを、この先どうするか決めていないが、抱いたと思わせる為に、ミシアだけを自分の部屋に入れている。

ミシアは、いずれもう少し、大人になるまで待っていてくれるのだろうと思っているようだった。


(抱いてもいいが…

惚れてしまってはなー)


最近、多少ミシアが気になっている自分に気がついている。

貧乏で、修行しかしてなかったゾイルに、掟に苦労するとは思っていなかったが、最近では自信が無かった。

そうこう長椅子に、横になって考えていると、ミシアが部屋まで、侍女と持って来た食事をゾイルに持って来た。

侍女達は勿論、この国の人々は、ミシアに敬意を払っている。

それは、ある時にゾイルは舞踏会に行くことになったのだが、同伴はミシアを連れて行った。

当然、カール王も舞踏会に行くからだ。

その際に。


「ミシア殿」


と呼んだのだ。

普通カール王は、貴族以上の親しい女性にしか殿を付けて言わなかった。

だから、ミシアが奴隷じないと言ったと同じなので、皆それに合わせて敬意を示した。

それ以来ミシアは、ゾイルの婚約者と世間では思われている。

別に奴隷で無ければ、出生は高貴と分かっているのだから、殆どの人々は違和感が無かった。

しかし、一部、ゾイルを取られたと勘違いしている女達は、口には出さないが、目では違うと言っていた。


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