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サーシャ

読んで頂きまして、誠にありがとうございます。

遂に、ヒロインの一人が登場します。

本当は、彼女だけにしたかったのですが…

何故か色々出て来てしまうんです。


そこまでは、サジィールが話してくれたが、


「それで、サルーシャとアトンは、どうなったの?」


とキィールは聞いたが


「わたしも、それ以上は知らないですよ。アトンは、いつの間にか消えたと言われています。だがその話しも本当かも知らないです。

古い言い伝えですからね。

でもアトンの子供の話しは本当のようで、今でも有力者の中には、黒い髪と黒い目の人々がたまにいるんです。

貴方もそうでしょう?

だから私も直ぐに分かったのですがね」


そう言って笑っていた。

確かにそうだ。

大神デュモンは、黒い髪と黒い瞳だった。

この国々の人々は、比較的白い肌と少し褐色の肌の人間がいる。

白い肌が、元々モールの人々で目はグリーン髪は銀髪だったが、今はそうゆう人々は少ない。

混血が純粋なモール人を少なくしてしまったのだ。

褐色の人々は、元々中原に住んでいた人々で、目は茶で髪は、薄い茶か赤みかかった茶だった。

サジィールは3ニード(1ニードは65センチ)ほどあり、髪は薄い茶で目は珍しくグリーンだった。

キィールは、出ている所は日焼けして褐色で、瞳は黒で髪も黒だった。

母親と同じなのだ。

ただ、母親は日焼けしてないので肌の色は、ハス(桃と良く似てる果実、白い所は、少し黄色)のように綺麗な肌色だった。

神に、似すぎると色々と目立つので、キィールはいつも髪を茶に染められていて、周りからそれが仕来たりだと言われていたので、気にもしていなかった。

サジィールと会った時は、染める薬もなく黒髪だったのだ。

染めると言うのは、正しくなく、色を抜くのが正確なのだが、皆薬をしらないので、染めるのだと思っていた。


「ですから、黒い目と黒い髪は、高貴な人と決まっているのですよ。

例え平民として生まれても、黒い瞳黒い髪の子供は、必ずその国で一番偉い人の養子になると決められているのですよ」


と言った後、イオン(キィール)は言われた通りに髪を薬に浸けて茶色にした。

黒い瞳だけなら、たまに居るので、目立ちはしないと言うことだった。


「なーに、前に言いましたが、髪と目が黒い奴がイオンと名乗って100人はいますから、別に大丈夫なんですが、目立たない方がいいですからね」


そんな話しを聞きながらの旅だったが、最初は盗賊に何回か襲われた。

しかし、サジィールとキィールは簡単に盗賊を殺ることが出来たが、決して殺しはしなかった。

仕返しに追い掛けられるのが面倒だったからだ。

デイモードに入ると盗賊は襲って来なかった。

デイモードの盗賊は、一般の人々は襲わなく、突然現れると、通行料と称して、幾ばくかのお金を請求した。

大体、1人に付き5千ギル、男が半月働いた位のお金だった。

高いようだが、これで後半分の道程の安全を保証されてると思えば安い物だ。

払えない場合は、仲間になるか、盗賊で働くしかなかったが、たまには事情に寄って、安くしたり、ただで食料をくれたり、病人が居たら薬をくれたりした。

その為、旅人や住民には人気があった。

デイモードの盗賊は、1つしかなく、赤い義賊と呼ばれて、悪徳な商人か悪徳な都市国家の役人しか襲わなかったのだ。

デイモードにも、国が今はあり、殆どは都市国家だった。

元々は、幾つかの町だったのが、100年前頃から、中原から来た者達が中原と交易を始めて財をなし、幾つかの町を支配して作ったのだ。

それに反対したのが、赤い義賊と呼ばれている盗賊で、盗賊と言うより1つの国と言っても良かったが、都市国家の人々は盗賊と呼び、一般の人々は赤い義賊と呼んだ。

当然、キィール達の前にも現れた。

焚き火をしていると、人の気配がしたので


「伏せて下さい!」


サジィールが、サッと毛皮を被せて焚き火を消した。

すると


「そんなに警戒しないで下さいな」


明るい女の声が、暗闇から聞こえて来た。

サジィールは毛皮を取り、強く息を焚き火に吹きかけると、直ぐに火が付き明るくなった。

暗闇から現れたのは、身長はキィールより少し低い綺麗な少女だった。

髪は白く肌も白いグリーンの瞳をした、純粋なモール人のような容姿は、キィールを釘付けにしていた。

サジィールがニコニコしながら


「これはこれは、可愛い盗賊さんだな」


と言うと


「まっ全然怖くないようね。

流石に噂だけのことはあるわね」


と言って、キィールを見ると


「何か言いたい訳?

そんなに私を見つめて。

ハハーン、もしかして私に一目惚れかな?」


と意地悪そうに言うと


「そんな訳ないだろ!

突然、現れたからビックリしただけだ!」



と怒るながら言ったが、少し赤くなっていた。


「ハハハ、若は女性には免疫がないんだから、からかわないようにしてくれないか?」


と言ったので


「サジも変なこと言わないでよ!」


とキィールは益々赤くなって言った。


「そうなんだ。

カッワイイわね」



女はキィールにウインクして微笑んだ。


「ところで、可愛い盗賊さんは何のようかな?」


「実はね、凄く腕の達旅人が来たので、通行料は要らないから、今度の仕事に付き合って貰いたいと族長からの伝言なのよ」


そう言うと


「それは無理だな、私達は訳あってある所に急いでるのでね。

こちらはキィール様で、私は護衛のサジと申す」


「私はサーシャ、そうなんだ。

残念だなー、そっちの若様の腕前が私より上か見たかったのになー」


と本当に残念そうに言うので、キィールは

むっとなって


「そりゃーないよ。

いくら何でも、貴女より下何てね」


「そう?

なら試して見る?

ボーヤ剣を抜きなさいよ!」


「何!」


キィールは、坊やと呼ばれて、カッとなっていた。自分とそんなに変わらないと思ったのだ。一般的には、黒髪は若く見える。

キィールが剣に手を掛けると、後ろの暗闇に多数の気配がしたので、サジィールも剣に手を掛けた。


「待ちなー、手を出すじゃないよ!

これは決闘だから、私に何があっても、この人達に指一本だしたらいけないよ!

まーあちらのお人に手を出しても返り討ちになるだけでしようけどね」


そう言って、一度サジィールを見た。

そしてキィールを見ると


「手を抜かないけど、私と殺り合う?」


と余裕で言うので、少し怒って


「僕をその辺のボンボンと一緒にしない方がいいと思うけどなー

女の子に剣を向けてサジいいの?


と聞くと、サジィールはジェスチャーで、どうぞって感じで手を向けた。

それを見てサーシャが


「これは見た目で舐められたのかな?

後で後悔するわよ」



と言うなり、行きなり襲い掛かってきた。

キィールは


「うわっ、女の子がそんな卑怯なことしたらダメだよ」


と言って、軽く剣をかわした。


シュッ シュッ シュッ


サーシャは、かなりの使い手で、休みなくイオン(キィール)に切り付けたが、キィールは剣も抜かずかわして行った。


「このーチョコマカと、ちゃんと剣を抜きなさいよね」


サーシャは、剣を振るいながら、大声で言ったので


「嫌ー余りにも、貴女の剣が早いから、抜く暇がないんだよね」


とキィールは苦笑しながら言った。

ずっとサジィールと訓練し、元々もかなりの腕だったので、いつの間にかキィールは、大抵の者には負けない位の腕前になっていた。

サーシャの太刀筋を見ただけで、剣を抜く必要がないと直ぐに思っていたのだ。

サーシャも中々の腕前だったが、実戦までしているイオン(キィール)の敵ではなかった。

そうしながらサーシャの隙を狙っていたが、意外に隙をみせず、疲れも知らずにキィールを追い続けていると、焚き火の明かりが暗い為にキィールは、木の根に気付くのが遅れ、足を取られてバランスを崩した。

刹那


「これで終わりよ!」


とサーシャが、よろめいた所に剣を振り降ろした。

瞬間。


カキーン、カキーン



サーシャは倒れ、もう少しでキィールの剣に斬られている所で、サジィールの剣に抑えられていた。

サーシャの剣は、天高く飛ばされて遅れて


グサッ


ちょっと遅れて後方に刺さった。


「ふー危なかった。

若っ、本気出したらいけませんよ」


そう言って、疲れた風に腰を降ろした。


「ごめん、ごめん。

危なかったんで、とっさに剣を抜いちゃったよ」


キィールは、サーシャに向かって、大丈夫?と言う感じで手を出した。

サーシャは、キィールに切り付けられた時に、服が斬られて、胸が少しはだけたのに気付くと、顔を真っ赤にして立ち上がった。


「まーまーね。

今日は、私の負けとしとくわ」


そう言いながら、直ぐに後ろを向くと、暗闇に向かって歩き出して、キィール達に手を上げて、サヨナラと言った感じで、キィール達に顔を見せないように帰ろとした。

するとサジィールが、銀貨の入った革袋をサーシャに投げた。

サーシャは、後ろ向きに片手で受け取ると


「要らないわよ」


と返そうとしたが



「いいじゃないか、あっても困らないだろ?」


とサジィールが笑いながら言うと


「ふーん、結構お金持ちね。

普通の10倍は入ってそうだわ」


と重さを感じて、少し機嫌を直して



「それじゃーね。

何か力を貸して欲しい時は言ってね」


そう言うと暗闇に姿を消した。

後ろの50人は居そうな気配も同時に消えた。


「凄い女の子だったね」


とキィールが呆れた感じで言うと


「サーシャか…

普通の女の子じゃなさそうだが…何者…」


とサジィールは考え込んだ。


「何で?

見た目は可愛いけど、そんな考え込むほどじゃないと思うけど」


とキィールが不思議そうに言うと。


「いえ、サーシャと言う名前は、サーはサーラ、聖母の名前でサーは美しいと言うモーラ語でラは女、即ち綺麗な娘と言う言葉なのですが、今まではサーは神と称されてます。

だからサーシャは、神の娘と言う意味で、王族しか使えないのですがね…しかしあの容姿は、神の血が入ってるとは思えないし…ここの人々が中原の神を信じる訳がないのですがね

どちらにしろ、ただの娘じゃなさそうですが」


と言いながらサジィールは考えながら言った。


「へーそうなんだ。

サジは物知りだね」


と尊敬していると



「この位のことは、多少教育を受けた者なら、直ぐに分かりますよ」


とサジィールは恐縮しながら言った。

続けて


「若は、全然世間に疎いようですが、御屋敷にいた時には、教師の方から何も教えられなかったのですか?」



「うん、もっぱら剣の練習と計算とか、農耕やら鍛冶のこととか、昔のことや、他の国のことは教えて貰ってないなー。

外に行く時も護衛が居たから、余り国の人達と話したことないよ」


と照れながらキィールが言うので、それ以上サジィールはキィールに聞こうとしなかったが、何か感じた風だった。



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