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プロローグ

実は、モバゲーで書いてたのですが、いつの間にか、他に異動してて、書けなくなっていたので、ここで新しく書き直したいと思います。

プロローグ


ここにキィールと言う少年がいる。

年は17才、1年前から年輩の男と山のふもとに小屋を建てて住んでいた。

元々は豪族の息子だったがいきなり盗賊に襲われ、一族皆殺しにあって2人でここまで逃げて来たたのだ。


一年前。

カンカンカンカンカン…

深夜敵襲を告げる鐘がなり響いた。

キィールは飛び起き、直ぐに剣を手に寝室を飛び出すと、もう門の付近から火のてが上がっていた。


「キィールキィール!」


キィールの父が叫びながらやって来て

キィールは


「父上!これは何としたことです」


「盗賊らしいが規模が大きく過ぎる、お前はこの者と一緒に脱出しろ!」


後ろには、キィールの父の右腕のザックが居た。


「若様、こちらに」


ザックはキィールを促した。


「父上!私も戦います、盗賊ごときに逃げるなど…それに母上もいますし」


「いいや、お前だけで行け!母は多分行かぬ!これは盗賊じゃない、我々を皆殺しにするつもりだ!もしかしたら、もう脱出は無理かも知れないが…」


と言うとザックに目をやり


「ザック頼むぞ!この子だけは何とか逃がしてくれ」


「ハハッ、命に代えましても」


ザックは胸に剣を当てて、キィールの父に誓い。

直ぐ


「若、こちらに!」


と強引に連れて行こうとしたが、キィールは父に


「嫌です、父上母上を残していけません!」


キィールの声が聞こえてるはずだが、父親は背を向けて屋敷の奥に歩いて行った。


「父上ー!父上…」


何度も泣き叫ぶが父親が振り返ることはなく


「若、早くしないと御館様のお気持ちが無になります」


ザックに促され、後ろを振り返りながらキィールはザックに引っ張られて行った。

直ぐの所に15人ほどの兵士が居て、ザックが


「時間がない行くぞ!」


兵士達は黙ってうなずきザックの後に従った。

裏門にも敵は居て見方と戦っていた。


「ここを突き進むぞ」


と言うなりザックは裏門から脱出を図った。


「誰か脱出するぞー逃がすなー」


暗闇のはずだが、敵は篝火を焚いて、館を照らしていたので、館から出ようとする者のは直ぐ分かるようになっていた。


カキンカキン

シュシュ…


剣音や弓矢の音があたり一面なり響き敵の叫ぶ声の中をどの位進んだだろうか…気付いた時には、ザックと2人になって、ザックも負傷していた。


「若、ここまでくれば安心です、ですがこの闇を利用して、もっと進みましょう、行けますか?」


キィールは疲れてはいたが


「私は大丈夫だ、それより怪我はいいのか?」


「なーに、これくらい」


ザックはそう言うと暗闇の中を歩き始めた。

館を方を見ると館が燃えていて、深夜の暗闇を赤々と染ていた。



「父上!母上!」



キィールは泣きながら館の方向を何度も振り返りザックについていった。

安全な所に着いてから、キィールはあまりのことに数日は何も手につかなかった。

でも脱出の時にキィールを助けてくれたザックが逃げて来た山のふもとに一先ず小屋を建ててキィールをかくまった。

最初15人で脱出したが、残ったのはザックだけだった。

皆キィールを逃がす為に死んでいったのだ。


ここはかなりの山奥で山がいくつも繋がっていて、一番奥の山のふもとだった。

その為旅人もいないし、人を見ることも殆んど無かった。だがそのザックも、キィールの為に色々頑張ってくれたのだが、逃げる時の傷口が元で病に倒れ今日の朝死んだのだ。


キィールはザックを埋葬して


(僕はこれからどうすればいいのか)


と考えていた。


「父上母上、この仇は必ずはらします」


生前、父から貰った短剣を握り締めて、ザックと誓ったのに、そのザックも逝ってしまって途方にくれていた。

食べるのには困らない、ザックがかなりの金や銀を一週間かけて何処からか持って来たのだ。

この国は今では小さな国が乱立して戦国の世になっている。

小さな豪族などは、盗賊に襲われるのは良くあることだった。


出逢い


その為、財宝を父が万が一のことを考えてザックに託したのだと言うのであるが、それ以上は何も言わなかったた。

だがザックが死んで財宝を見て見ると予想よりもかなりの額の財宝だった。

生活には全然は困らないが、金銀の為動くに動けず、銀を少し持ち出しては、色々な生活道具や食料を少し離れた町に買いに行っていた。

この国では、一般に銀が通貨で金などは一般庶民では滅多に見ない、その為用心して銀しか使わなかった。

人を雇ってもいいのだが、金銀があまりにもある為怖くて雇えなかった。

そんなある嵐の日にキィールは1人菴に座って考えごとをしていた。


「どう考えても1人じゃ無理だ。多分あの盗賊はアイツ達の命令で襲ったに違いない」


つい独り言を言った。

アイツ達と言うのは、キィールの父と対立していた、ヨード、ルーダ、モッカの豪族達で、大モーラ帝国が皇帝の跡目争いで、まず3人の王子の国に分裂して、その後、お互いの国で覇権争いや家臣や部族の反乱などが起こり、20以上の国に別れた。

その1つのモンタールと言う国がキィールの国だった。

領主は力がなく豪族達の合議によって色々決めてはいるが、結局は力の問題で大きく強い豪族が実権を握っていて、その代表格がヨード、ルーダ、モッカで元々1つだったが今は本家のヨードを筆頭に、同族同士で連係を組み、邪魔者は盗賊に扮した自分達の兵士に襲わせるのが得意だった。

盗賊に襲われる半分は彼等の仕業だと言われて居て、各豪族は怖くて中々彼等に逆らえなかった。

そこにキィールの父が新しい豪族の連合を作ろうとした。

それを探知して襲って来たのだろうと思われた。

ただキィールの父はかなり大きな豪族で兵士も多いから、普通は盗賊が襲うとは誰にも考えてなかった。

しかし襲って来た盗賊は1000人以上もいて、多分見た目だけは盗賊だが、半分以上の盗賊は彼等の兵士であることに間違えなかった。

盗賊の最大の者達でも500人もいない。

菴の火を見つめながら色々考えてると


ドンドンドン…


と戸を叩く音がして


「誰かいるか!怪我人が居るので泊めてくれないかか!」


と声が聞こえた。


(こんな所に人が…)


キィールは用心の為、剣を持ってどうしたものかと考えたが、たとえ敵だとしても1人じゃどうしようもないので、戸を開けてやることにした。開けるなり取り乱した口調で


「すまない連れが危ないんだ」


入って来た男は、背負ってた少年を前に抱き抱えてキィールに見せた。


「こっちへ、薬もありますから」


キィールが言うと


「かたじけない」


と言いなから小屋に入った。

キィールは粗末だが暖かい布団を引いて少年を寝かせた。

かなり高熱を出していて、服を脱がせてこれが傷のせいだと直ぐ分かった。

かなりの刀傷で化膿していた。この国では破傷風が流行っていて、傷は直ぐ消毒しないと駄目なのだ。

ザックも同じ病気だったので薬はあったが、その薬も効くかは分からなかった。

それでも出来る限りのことをしてやった。


「何故、こんなになるまでほっといたのです?」


がっしりとした男に尋ねると


「仕方なかったのだ、刺客に襲われて、逃げるのが精一杯で…」


「えっならまだ追われてるのですか?」


「いや、もう大丈夫だろ、この嵐の中を1日中馬で走り、馬が死んだので、その後かなり歩いたから」


「その刺客と言うのはどのような…」


と聞こうとすると少年が苦しみ出した。

少年は


「サジィール、サジィール」


と呼んで


「若サジィールです、おわかりになりますか?」


「サジィール、私はもう駄目だ、頼む父上母上や皆の仇を討ってくれ、頼む…」


と言うと握っていた、少年の手から力が抜けた。


「若ー若ー」


サジィールは少年を揺さぶりながら呼んだが返事はなかった。

この男はサジィールと言うのが分かった。

サジィールはそのまま泣き崩れて、一晩そのままでいた。

翌日サジィールは埋葬する為に棺を用意して庭に薪を積んで、その上に少年の棺を置いた。

この国では疫病防止の為火葬は普通だが、身分がかなり高い人は火葬はせず、防腐剤を使って腐らないようにして墓に安置されていた。


「若に墓も作れず、このような火葬にする不忠をお許し下さい」


サジィールは泣きながら火を付けた。

この国では火葬すると墓は作らず、家に壺に入れて飾るのが普通で、キィールの家などは、別棟をたて一族の骨を祭っていた。


少年の骨を壺に丁重に入れ終わり、小屋に入って落ち着くと、キィールに敬意を払っておじきをして、前に座るとサジィールは静かに話しかけてきた


「昨日から色々世話になった、これを納めて貰いたい」


そうゆうとかなりの額が入ってると思われる革袋をキィールの前に置いた。


「別にそんなつもりじゃー」


キィールは困った顔をした。

サジィールはキィールが大金を前に困って居ると思っているようだが、キィールとしては別に大金でも無かったのだ。

キィールがどうしたものかと考えていると



「お見ゆけすると、御一人のようだが…」



と一旦言葉を切って



「どうしてこのような所に御一人で?」


「はい、色々あって」


キィールは素直に答えた。少年とサジィールが自分と重なって見えたのだ。


「申し遅れたが、私はサジィールと申す、訳あって若様を護衛して来たが…」


と言うと言葉につまった。


「私はキィールと言います、どうも貴方達と似てますが、私の方は伴の者が同じ病で死にまして…」


そう言うとキィールも泣き出したがサジィールが抱き寄せ抱きしめられたので、そのまま声を上げて泣いた後、落ち着いた所で、これまでのいきさつを話した。


「そうでしたか、普通の方じゃないと思いましが、その若さで1人で良く…」


サジィールもキィールが死んだ少年と重なっていたので、涙を流した。

キィールは久々に人と話したこともあるが、豪傑風で態度の良いサジィールが好きになって、多分行く当てもないのだから、自分の身の上話しをして、出来ればここに居て貰っても良いと思っていた。

ただ金銀の話しはしなかった。

話を聞いてサジィールはある物を出した。

大きな印と短剣と剣だった。


「これは?」


サジィールは丁重にテーブルに並べて


「これは皇帝の明かしの印

と短剣と刀です」


「えっ皇帝って」


「若君は、大モーラの血筋の最後の方でした。16年前に逆臣モーゼスの手によって城が攻められ、若君の父である、イオン16世はお亡くなりになりましたが、皇帝の明かしと血筋だけはと、若と共に脱出したのですが、ご覧の通りのありさまで…」


その後色々話しを聞いた。

25年前に3つに別れた国は、2つまでが反乱で直ぐバラバラになり王子達は殺され、最後の1つが若様の父上イオン=ザ=ダカール16世だった。

しかし逆臣のモーゼスの謀反で殺されたのだ。

この国は元々のモーラであって、他の国は征服した地域であった為、大皇帝征服王イオン15世が亡き後、反乱が起こるのを恐れて3つに別けて統治しやすくしたのだが、やはりイオン15世が居なくなると反乱が直ぐ起ってなすすべもなく王子達は殺されたのだ。

いかに恨まれてたかと言うことだろう。

イオン15世は情け容赦のない人物で、女子供でも容赦なく殺し、中には見せしめの為に、1つの国を皆殺しにして、その時の殺した数は30万人だったと言われていた。

そのように力で服従させたので、居なくなれば反乱を起こすのは当たり前と言えば当たり前なのだが、だか元々のモーラはその心配がないはずだった。

しかしモーゼスによる謀反が起きてしまったのだ。

モーゼスはイオン15世に寵愛され、もっとも残忍な任務も平気でした。

イオン15世亡き後、実はモーゼスはイオン15世の隠し子と言う噂を流れて、そのうちに本人も否定しなくなり、イオン16世に聞かれた時


「母上は皇帝の世話がかりをしてましたが、そのようなことは口が裂けても言わぬはずです」


と答えたが、真実は分からない、どうも征服王が小さい時にモーゼスの母が征服王を刺客や毒殺の手から守った為、征服王がその恩に報いる為、その息子を重く登用した。

本人の能力と野望もあって順調に出世し、その寵愛をいいことに自分の親派を増やし、自分は征服王の血が流れてるとして謀反を起こした。

しかし皇帝の明かしを奪うことが出来ず、明かしがないままなのでモーゼスを認めない勢力もあり国は分裂したのだった。

その為モーゼスは王印と短剣、剣を血眼に探していたのだった。

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