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サクラの木の下で〜外伝〜

作者: DAI
掲載日:2025/09/01


俺は達也。

小学生。

絵を描くのが好きで、

アニメのキャラクターを描いたり、テレビのアイドルの似顔絵を描いたり

いろいろな絵を描いてる。


学校では、ちょっとした人気者だ。

友達のリクエストに応えて絵を描いたりもしてる。

お金は貰わないよ?

その代わりに、給食の牛乳を貰ったり、その子の嫌いなおかずを食べてあげたりしてる。


外の風景を描くのも好きだ。

朝の静かな風景とか、夕方の寂しい景色とか、そういう何でもない自然の風景が好きだ。


図書館で絵の本を見るのも好きだ。昔の人の絵とか、外国の人の絵は、見ていて面白い。参考にもなる。





春休み。


僕は、春休みの間、おじいちゃんの家に行く。

おじいちゃんの住んでいる町は、随分田舎だ。

電車の線路は一本しかないし、コンビニも一つしかない。

でも、景色が綺麗で、絵を描くにはいいところだと思う。


町のはずれには、古い神社があった。

そこには大きな桜の木が立っていて、おじいちゃんが言うには「神様の木」らしい。

僕は、その桜の木を絵に描くことにした。


僕は春休みの間、毎日、神社に通って、桜の木を描いていた。





そんなある日。


ビューっと風が吹いた。

ウワッ。

描いている紙が飛ばされそうになったから、必死に抑えた。


顔を上げると。

そこに、きれいなお姉さんがいた。

とても綺麗で、どこか寂しそう。

「お姉さん、どこから来たの?」

僕は、不思議に思って聞いた。


「達也くん、いつも桜の木を書いてるのね。」

お姉さんは、なんで僕のことを知ってるんだろう?

「お姉さんは、どうして、僕の名前を知ってるの?」

「私は、桜の精だからよ。」

お姉さんは桜の妖精だという。僕は信じられなかった。


「達也くん、お姉さんの絵を描いてくれる?」

「いいよ。絵の練習になるし。」

僕は、不思議に思いながらも、お姉さんのお願いを聞いてあげることにした。





それから、僕は毎日神社に通って、お姉さんと桜の木の絵を描いた。

お姉さんと一緒に弁当を食べたり、話をしたり、楽しい時間を過ごした。

でも時々、お姉さんは寂しい顔をする。

お姉さんには、昔、好きな人がいて、その人と離れ離れになってしまったそうだ。


僕は、お姉さんの為に、今書いている絵をプレゼントしようと思った。


春休みも終わりに近づいたある日。

「やっと完成だー!」

「完成したのね。よかった。」

僕は完成した絵に「TATSUYA」と英語で名前をサインして、お姉さんに渡した。

お姉さんはとっても、喜んでくれた。


「達也くん、ありがとう。お姉さん、とっても嬉しい。」

すると、お姉さんが、桜の木に吸い込まれていく。

「達也くん、とっても楽しかったけど、もうお別れなの。ありがとう。」

そんな、急にお別れなんて、、、僕は叫んだ。

「お姉さん、名前は?」

「さくら!」

お姉さんは僕が描いた絵と一緒に、桜の木の中に消えてしまった。





とても不思議な体験だったけど、僕はおじいさんにも誰にも話さなかった。

これは、僕とお姉さんだけの秘密だ、





そのあとも、神社に行く機会はあったけど、お姉さんに会うことは無かった。





・・・・・・・・・・・





「っていう、不思議な話が子供のころにあったんだよ。」

俺は、少し感傷的になっていた。

「信じられないなー。」

健太は信じてくれない。

「でも、ロマンティストな達也くんらしいね。」

結衣ちゃんは、俺を信じてくれたようだ。

「俺にもそういう部分があるってことだよ。」


あの、お姉ちゃんは、今頃、どうしてるだろう?

かけがえのない友達と話しながら、俺は遠くの桜の木に思いを馳せていた。



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