旅路[8]
どうもこんにちは、カイル君だよ。
拉致ってる悪者がいる建物で耳をすませててわかったことをまとめるね。
1、こいつらは結構大きめの組織に所属していること。
2、拉致った人たちの使い道はわからないと言うこと。
3、拉致られた人は現在、眠りのハイポーションのせいで眠っていると言うこと。
4、この組織は国に反乱を起こしている組織だと言うこと。
5、今この建物にいるこいつらは組織の中では1番の下っ端で、上には指揮官と呼ばれる人が3人いて、そいつらが強いらしい。
そして……
国の兵士が来て、俺たちが反乱軍ってことになっちゃってること!!!!!!
ことの経緯を説明しよう。
俺が建物に乗り込んで、組織の奴らをぶっ倒した後、
囚われてた人を解放しようとしたとき…
「貴様が反乱軍か!国民を拉致した罪は重いぞ!」
「え?!いや、僕たちはそういう怪しいものじゃなくて、なんというか、身内が攫われたから助けに来たというか…」
「くそ、反乱軍め。俺らに見つかりにくいようにガキを使って行動してたのか。そりゃ尻尾を掴みにくいはずだ。お前ら!取り押さえろ!」
後ろからゾロゾロと兵士たちが出てきた。
今回、助けた奴らが眠っているから俺らの無罪を証明する奴がいない。
だからと言って、俺らが抵抗して兵士さんに怪我でもさせたらそれはそれで反乱軍確定だし…
せめてセリーナが起きてくれれば…
あ!覚醒のハイポーション!買っといたんだった。
俺はこれを眠ってる奴らにかけた。
ポーションは、特殊な魔法をかけることによって皮膚浸透性のあるポーションにすることもできるのだ。
「兵士さん!話を聞いてください!僕たちに敵意はありません!今この人たちを起こしました!この人たちに話を聞いたらわかるはずです!!」
兵士さんの隊長っぽい人は少し考えてこう言った。
「わかった。話は聞いてやる。取調室までついてこい」
なんとか誤解は解けそうだ。
〜それから後、〜
俺たちがやったという誤解は解くことができた。
「君たち!本当にすまなかった!まさか、国の民を救ってくれた者にこんな仕打ちをしてしまっていたとは!」
「いえいえ。大丈夫ですよ。僕の監督不行き届きもありますから」
「数分前、ここで国域全体を包む強力な魔力探知を使った者がいてな。そいつのせいで、魔力の電磁波を使って他国と連絡を取るための機械の8割が壊れてしまってね。そのせいで、少しピリピリしてたってのもあるんだ。いや〜本当にすまなかったね。」
「……」
「どうしたんだ?少年。」
「すみません。それは…僕がやりました………」
いいことしたつもりが、それ以上に悪いことをしてたかもしれない…




