流転
幼稚園の頃、好きだった子がいた。名前は「如月世那」。
俺は小学中学になっても、高校になってもその子のことが好きだった。
そんな世那が、剣道をしている人たちを見て
「かっこいい」
と言ったことがきっかけで俺は剣道をしていた。
世那とは、決して悪くない中だったと思う。
一緒に帰ったこともあったし、2人で遊びに出かけたこともあった。
彼女は俺よりも頭が良かったから同じ高校に行くために死ぬ気で努力した。
しかし、高校が始まって数ヶ月経ったある日のことだ。
学校の生徒がぽつりぽつりと不登校になっていく。
その中に世那も含まれていた。
学校側は何があったかは教えてくなかった。
家を訪ねが追い返され、この事件の真相は闇に包まれた。
俺は大学生になった今でも、世那のことを引きずっている。
でも、世那とは連絡は取れず、もちろん会うこともできない。
心にぽっかり穴が開いたようだった。
その時から、色々なことに対する関心が薄れていった。
高校の時に数人の女性に告白されたことがあったが、すべて断ってきた。
俺の心に空いた穴は、塞がることはなかった。
ある日、通学に行くための電車に乗った。
電車に乗ると、1人の小学生の女の子にじーっと見られていることに気づいた。
名前は「小桜莉子」
不審者に襲われていたところを助け出した事がきっかけで少しだけ交流がある。
少し目を合わせていたら、目を逸らされてしまった。少し不審がられただろうか。
俺はスマホとイヤホンを取り出して音楽を聴く。
ちょうど眠くなってきた時、前の車両から耳をつんざくような爆発音が響く。
車体が揺れる。窓ガラスの割れた音もした。
数秒後、もう一度爆発音が聞こえた。
今度は俺らの車両からだ。
車両が吹き飛び、あたりは炎で包まれる。
視界が歪む、体が熱い、全身が火傷している感覚がある。
今にも叫び出しそうな痛みだが叫ぶ気力すら残ってない、
多分もう持って数分の命だろう。
そして、俺は人生の幕を閉じた。
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目が覚めると、ベッドに寝転がっていた。でも、病院ではなさそうだ。
若い2人の男女が俺の方を覗き込んでる。2人とも美女だしイケメンだ。
服装からして…看護師でも医師でもなさそうだ。
体を起こそうと試みたができない。
喋ろうともしたが無理だ。
ただ単に傷とかが完治してないだけならいいんだが…
俺が耳を澄ますと、彼らがヒソヒソ話しているのが聞こえた。
しかし、何を言っているのかまでは聞き取れなかった。
そう思っていた矢先、男性の方が俺のことを持ち上げる。
「◻︎ ◻︎ ◻︎ △ ◻︎△ ◻︎△ ◻︎ ◻︎ ◻︎△ ◻︎ ◻︎」
なんでこの人は俺のことを軽々しく持ち上げているんだ?
それにこの発音、そもそも日本語じゃない。
「◻︎ ◻︎ △◻︎ ◻︎△ ◻︎△△△ ◻︎ ◻︎ 」
男性の方はそういうと女性の方に俺のことを手渡した。
女性は座ったままだが、俺のことをしっかりと抱いている。
この2人の筋肉はどうなっているのだろうか。
そう思っていると、女性の方が上半身の服をはだげさせた。
もちろん下着も。
ちゃんと二つとも丸見えだ。俺は驚きを隠せない。
この人は何をしているんだろう。
そんなの見せつけられたら俺のあそこが反応して…
と思ったが、俺のあそこは無反応。
しかし、現在進行形で俺は本能的に女性の乳を吸っている。
それを笑顔で見つめる2人の男女。
その瞬間、今までの違和感に納得した。
俺は……
転生していた。