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プロローグ 4月4日4時44分44秒



「4時44分!」


 そう言ってから池田は唾をごっくんと飲み込んだ。左手に握ったスマートフォンを瞬きもせず一心に見つめ、その時を待っている。池田の今か今かと待つ誇張した動きは1年生の時から何も変わっていない。


 僕はその時が来るまで、長方形の形をした体育館の四角にそれぞれ配置された友人3人の様子をぼーと見ていた。


 まず体育館のステージ側からみて左手側、男子更衣室前には松岡が待機している。松岡は腕を組みストレッチをしている。朝練がいつもある野球部の松岡は、授業中よりも元気そうだ。


 次にステージ側から見て右手側、女子更衣室の前には林が待機。林は10秒に一回あくびをしている。なんてたって今は朝の4時。林のあくびを見ていたらなんだか自分もつられてあくびをしてしまった。


 そして体育館の入り口から最も近い角には池田。この馬鹿チャレンジの言い出しっぺだ。池田は目を輝かせ、スマホ画面に映る秒針の針を一刻も逃すまいと画面に齧り付いている。


 最後に、体育館入り口側の備品室前の角に配置されたのは僕。家から学校が近いという理由で呼ばれた。松岡、池田、林、3人とはまぁ仲は良いが、家が遠かったらこの会には呼ばれないくらいの関係性だ。


 どうやら僕達はこれから異世界に行く。最近、池上はネット掲示板の異世界記事にハマっているらしい。異世界と言ってもラノベの異世界とは違う。魔法は使えないし魔族なんていない。現実的な異世界……という言い方が正しいのかな?きさらぎ駅とかそんな感じだ。


 この世界とはちょっとだけ何かが違う異世界。


 行き方は4時44分44秒に体育館の4隅から一斉に4人が中央に向かって走る。もちろんこれも池田が調べた5ch情報。今日4月4日に決行したのは時期がたまたま被ったのと、どうせなら全部4の方が良いのではないかとなったからだ。


 「おい長谷川!!集中しろ!」と池田が僕に向かって叫んだ。いや集中ってなんだよ。



 「よし44秒まで….39…40…41…42…4…よ…今だ!!走れ!!!」


 ポケモンのサトシくんばりに声を張った池田の合図をもとに4人が一斉に体育館の中央に向かって走った。あーピカチュウってこんな気持ちなのかな。鬱陶しくないのかな。こんな大声で命令されて。まぁ今回はサトポジの池田も走っているけどさ。僕は池田の合図を元に小走りで走った。早さで言ったら体育の時間に先生から集合と呼ばれて焦って走るくらい。



 4月4日4時44分44秒、始業式が行われる今日。僕たち新2年はクラス替えがないから特に緊張感もない朝。


 「行くぞ!!異世界に!!!」



 僕たちは異世界に向けて体育館の中央を目がけて走った。

 

 息を大きく吸うと鼻の奥に冷気が入ってツンと痛んだ。もちろん体育館に暖房は入っていない。耳の縁はキンキンに冷えている。吐いた息は白い。そして1年履き慣れた上靴はキュッと音を立てて体育館の床を鳴らした。



 あぁ

 うん

 まぁ……何も起こらねーよな。


 4時46分から8時20分まで約4時間HRが始まるまで4人でバスケをした。

お久しぶりの人も初めましての人もこんにちは。


性犯罪系のジャンルを書いているんですが、書きすぎて辛くてファンタジーに逃げました。

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― 新着の感想 ―
お待ちしておりました。 新ジャンル楽しみにしています(*^▽^*)
2025/04/05 14:57 退会済み
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