表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

終わることのない世界をふたりで

「あなたがラビ、さん?」

 人違いだったらどうしよう。そんな不安がにじむ表情。脱帽だ。この演技力に、何千回も俺は騙されて来たのか。

『そうだよ。きみが、トモくんかな?』

 そう答えるべき場面。ノベルゲームの"探偵"である桜日木陰(コカゲ)と、"主人公の幼馴染み"である大伴麟が、初めて現実で出会う転換点。ここから桜日木陰は、ゲームのドラマに関わって行くことになる。

「そうだよ、麟くん」

 笑って答えれば、彼は、あれ?と言うように首を傾げた。

「なんで、本名を……どこかで会ったことありましたっけ?」

 あくまで初対面の振りを徹底する彼に、さすがだなと感心する。やはり彼は馬鹿ではない。その彼が、初めてやけっぱちの馬鹿をやった相手が、俺で本当に良かった。

「何度も会っているよ。"前回"は、恋人同士にすらなった仲じゃないか」

 まだ、きょとん顔を続ける。素晴らしい役者だ。

「"世界は終わらなかった"よ、さあ、責任を取って、麟くん」

「責任、って……と言うか、ラビさん、まさか、覚えて」

 やっと崩れた彼の演技に、自然と口角が吊り上がる。

「恋人の責任なのだから、決まっているよね?一生、添い遂げるんだよ」

 繰り返しは終わらない。"幼馴染み"と結ばれる。そんな結末をまだ迎えていないから。そんな王道な結末が、きっとこの世界には足りていない。

 だが、知ったことか。

 世界は延々に繰り返す。みな、十八年間を終えると、すべて忘れて巻き戻る。俺と彼、以外は。

 ふたりだけは、記憶を重ねて行ける。巻き戻っても。繰り返しても。

 それならばもう、それは繰り返しではない。俺と彼の、ふたりだけの永遠だ。

 まだ少年らしさの残る手を取り、柔らかい髪をなでる。

 戸惑いと困惑をあらわに、焦った顔でこちらを見上げる顔は、とても愛らしかった。

「末長くよろしくね、麟くん」

拙いお話をお読み頂きありがとうございました

蛇足はここで終了です


実は蛇足の方を先に書いたので

もしかしたら本編がわけわからない感じになっていたのではといまさら……


最後までお付き合い頂き、ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ