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私説

自然主義

作者: 緋西 皐

人の能力や性格は何によって構成されていくのか。

これについて、ここではそのほとんどが環境によるものだとする。


こう思うのは美味しいものを食べれば機嫌が良くなる。

トラッシュトークをすれば怒りやすい。

主義の違う人間には厳しくなりやすい。

腹が空けば狂暴になる。

薬物に依存する。

このようなことが多いと感じたからだ。


つまり人間の習性は決まっている。

そしてそれはそこにある物体や事柄、文化に大きく関わる。

だとすればそれは環境のことである。


そうである。

お前のそんな考え方がダメなんだ!

と言ってくる野郎とは真逆の立場であり、いたって合理的な考え方だろう。


これによってその人間の性格や能力を変えるには、精神修行なんかよりも環境を変える必要があるということになる。

環境を変えることで人間の行動性は伴って変化する。

またそれは環境に適合しようとする。



ただここで疑問なのは葛藤である。

その環境に生まれながら、なぜ人は葛藤するのか。

環境に適合しているのであれば、満足して生きているはず。だのに葛藤は存在する。


これは異なる環境との作用によって発生するとみなせる。

異なる文化に触れることで思考が変化し、その環境との摩擦が発生する。

それが葛藤へ繋がる。


異なる文化は非常に刺激的であり、人間の本能によって誘われる。(この本能とは、その起源を環境としたものとする)

その接触によって葛藤が生まれる。


すなわち、環境の接触、あるいは変化。これが葛藤の正体であり、人間性の正しさなどという戯言が本質ではない。



環境によって人間の性格が決まるのであれば、何に怒るのか悲しむのか楽しむのかもおおよそ決まっているといえる。

環境の変化に伴ってまたそれは変化するが、どのような環境が存在するか分かれば予想ができるはずである。


例えば、嫌な性格の人間がいたとしても、それは決められたものであるともいえるのだ。

その人間に対してムキになるのは、無駄な感情によってエネルギーを消耗するというのと同じだという事になる。

ただそれを罵ることはなく、これも決まっていたことなのだから、同じようにムキになれなければいい。

そのような人間なのだとして、受け入れるしかない。

もしも受け入れられないのであれば、環境を変えるしかない。

今はそっちの生き方がメインに変わりつつある。昔は逆だったが。



自然立場による根源について。

自然にすべてが決まるのであれば、環境を変えない限りは何も変わらない。

そのつもりがないのであれば、あらゆることを受け入れるしかない。

いいかえれば、許すしかない。

人が悪いのではなく、その環境が悪い。

最終的にはこの世界そのものが悪いともいえるが。


そういうものなのだとして、流してしまえばいい。余分な力を使わないのであれば。

ただし、様々なことに感情的となっている人間ほど人生を謳歌してるだろう。

人間も動物なのだから、人らしく感情的でいい。そこに願望や生きる意味が生まれるのだろう。



環境によって構成されたのであれば、自分自身の性格は環境に存在している。

ゆえにその環境を見ることで多くのことがわかるはずである。


もっと目を使って生きることが大切だ。

頭で考えても専門的すぎる疑問は考えず、自分に考えれるものを考える。それ以上をするのなら、それなりの消耗は覚悟せよ。

究極的に楽をしたいのであれば。


またこの自然立場は、そこにある感情は否定しない。その理性も。

魂、あるいは自由意志の存在であるが、これは否定されない。

なぜならば環境を知ることで自由に環境を変えていける決定権をある種の生物は持っていることには変わりないのだから。

またその願望も。

好きなものがないと思い込んでいても、生活をよく見れば比較的に自分から時間を費やしていることがある。

これは好きなものと言える。


憂鬱な気分も周期的に訪れるだけの現象、台風と同じようなものだとすれば、なにも怖がることはない。


自然主義とは自然を受け入れる立場も持つことができる。

またその環境の不一致を肯定する。

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