表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真佐江(40)の最後の秘密~闇の力が目覚めてしまったので、こうなったらてっぺん取ってみようと思います。さあ、俺のタマをとりたいヤツからかかってこいや! 返り討ちにしてやんぜ!~  作者: イトウ モリ
1章 真佐江(40)の誰にも言えない秘密~友達をいじめたやつをシメたら、仲間を集めてシマを荒らしに来ました。仕方がないので昔みたいに暴れます~
4/35

真佐江 1-4



 翌日――。


「まずいことになっちまったなよあ……」


 真佐江はふたたび異世界体験に立ち寄り、異世界でアッシュになっていた。


 どこぞの人間がモンスターの仲間となり、人間たちを襲っているという噂が一斉に広まっているのだそうだ。

 直ちに裏切り者の人間を見つけ出せという空気になり、捕まえると賞金が出るなんて話までも出ているらしい。


 そのため、プレイヤーたちの中では犯人探しが白熱している。


 ちなみにその噂の入手経路はどこなのかというと、以前アッシュが出会ったプレイヤーにチャムという男がいるのだが、その男と偶然町で再会したときに教えてもらったのだった。


 チャムは『王ロバ耳』という課金スキルを所持していて、他のプレイヤーの情報を勝手に盗み聞きできるのだった。


 久しぶりにアッシュと再会したチャムは、それはもう嬉しさのあまりに体を震わせて喜んでくれた。


 チャムは尋ねてもいないのに、アッシュにありとあらゆる情報を提供してくれ、そして礼も受け取らずに走り去っていった。


 アッシュとしては情報料として酒場で飲み物の一杯でも奢るつもりだったが、それも丁重に断られてしまった。


(あいつ、最初会ったときはダラダラと道端で女はべらせてるだけだったのに、ずいぶんと忙しくしてんだな。

 ふふっ、関心関心……)


 随分と立派になったチャムの成長を、我がことのように誇りに思いながら、アッシュは一人酒場のカウンターで他の客のうわさ話に聞き耳を立てていた。


 どうやら無実の罪で捕まるプレイヤーたちまで出てきているらしい。


 自分や仲間の身の潔白を証明するために、狩った獲物の数で自分の立場を証明しようと、日夜モンスター討伐に明け暮れている連中が増えたとか。


 もはや異世界体験のジャンルがRPGからハンティングアクションに変わってしまったかのようだった。



 アッシュがギガンテスの様子を見に行ったとき、すでにプレーヤーたちの魔の手は、ガローランドの城跡の地域にまで伸びてきているところだった。




 アッシュは、責任を感じてギガンテスが住んでいる森を拠点とすることにした。


 あとで分かったことなのだが、実はこのギガちゃん、実はまだ新婚さんで、しかも奥さんは身重なのだそうだ。


 こんな状態で、人間たちに襲われたら大変だ。


 この騒動の発端は、自分の軽率な行動のせいでもある。

 責任を取らなければいけない。


 アッシュはこの森に近づく人間を排除して排除して排除しまくっていた。


 そのせいで、討伐隊をこの地域に集中させてしまう結果になっていたが――。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ