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真佐江(40)の最後の秘密~闇の力が目覚めてしまったので、こうなったらてっぺん取ってみようと思います。さあ、俺のタマをとりたいヤツからかかってこいや! 返り討ちにしてやんぜ!~  作者: イトウ モリ
1章 真佐江(40)の誰にも言えない秘密~友達をいじめたやつをシメたら、仲間を集めてシマを荒らしに来ました。仕方がないので昔みたいに暴れます~
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真佐江 1-2



 アッシュとギガンテスはお互い仰向けになり、空を見ていた。お互いの全力と全力をぶつけあった結果の、清々しい引き分けだった。


 んもう! 二人ともヤンチャなんだから! と、空が優しく笑いかけてくることは絶対にないが、そんな言葉を投げかけてきてもおかしくないような、どこか慈愛に満ちた暖かな日差しの降り注ぐ空だった。


「あー! やっぱギガちゃんは強いなー! めっちゃくちゃ楽しかった! また勝負しような!」


 アッシュが満足そうに笑いかけると、ギガンテスも大きく裂けた口を開き、笑顔になった。


 拳を交えた男たちの間に言葉はいらない。

 もはや二人の間には種族と言語を超えた絆が芽生えていた。


「そういえばギガちゃんってさ、その腹、どんな鍛え方してんの? やっぱ地道に腹筋運動とか?」


 ギガンテスはアッシュの言葉が理解できたのかどうかは不明だが、自慢げに自分の腹を叩いた。


 そして起き上がると、大木ほどの大きさの棍棒を得意げに素振りし始めた。


「おいおい。その運動で腹筋は鍛えらんないだろ? え? もしかして『俺は腹筋だけじゃない』って言ってんの? あはは! わかってるって! ギガちゃんが怪力なのはわかってるってば!

 ギガちゃんは腕力も最高! よっ! ミスター筋肉! 肩から大樹が生えてるよっ!」


 アッシュは笑いながらギガンテスの筋肉を称えるコールをしてあげる。


 そして、気づいた。


「……ギガちゃんってさ、目ん玉1個しかないじゃん? 今日は俺と1対1(タイマン)だったけどさ、もし人間が(たば)で来たときって、どうやって戦ってんの? 目ん玉ひとつじゃ全員はさすがに見てらんないだろ?」


 ギガンテスがぎくっと身を固くした。

 痛いところをついたようだ。


「そういえばギガちゃん、その棍棒(こんぼう)、基本縦振りばっかだな。しかも大振りの。

 で、動きもそんな速くないから、かわされると次の攻撃出すまでちょっと間もあくし。その間に攻撃されるとパニックになるだろ? そーすっと、もうこっちの思うツボなんだよね」


 ギガンテスが困ったように頭をかいた。全部図星だった。


「俺思うんだけどギガちゃんって、攻撃パターン変えたらもっと強くなると思うんだよな。

 ……うん、よし決めた! 新技考えようぜ! ギガちゃんがもっと強くなってくれた方が俺も楽しいし!」


 アッシュが笑うと、ギガンテスも大きな一つ目を輝かせて話に乗ってきたのであった。


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