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真佐江(40)の最後の秘密~闇の力が目覚めてしまったので、こうなったらてっぺん取ってみようと思います。さあ、俺のタマをとりたいヤツからかかってこいや! 返り討ちにしてやんぜ!~  作者: イトウ モリ
2章 美緒(13)の誰にも言えない秘密~自分の中に眠る悪女の血が目覚めてしまいました。どんな手段を使ってでも推しをゲットするつもりです~
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美緒 2-4



「じゃあ……ミーシャは……使えたりする?」


 おそるおそる美緒は機械音声へ尋ねてみた。


【ミーシャであれば使用可能です。そのお名前で確定されますか?】


「……うーん、あとで名前って変えられるの?」


【別途課金が必要になりますが可能です。その際に4文字制限の解除をすることも可能です】


「わかった。じゃあひとまずミーシャにしとく!」


【かしこまりました。ではミーシャさん、次はコース選択に移ります。

 当店でおすすめしておりますのは『聖女コース』です】


 てっきり悪役令嬢をすすめてくるとばかり思っていたので意表を突かれた。


「……悪役令嬢じゃなくて? 今どき聖女なんて全然流行ってないよ!

 ……あ! あーあ、そっかー、そういうことねー。

 もしかしてここってJK、JCビジネスも並行してるんでしょ!? そんで頭の悪そうな女の子を騙して、『男たちの懺悔を夜な夜な慰める聖女』みたいな、クズ広告マンガみたいなことさせようとしてるんでしょ! んで録画してそれをネタに脅すつもりなんでしょ! 最低!

 悪いけど私そういうの、間に合ってるんでー! お金も困ってませんしー! じゃ、そういう店なら私もう帰りますー! リセットボタンはどこですかー?」


【お待ち下さい。あと落ち着いてください。そのような展開はございません。

 それにもし本当にそんな悪党が経営してる店だったのなら、あなたそんなに騒いだら無事に家へ帰れませんよ。

 むしろ逆です。ただいま聖女コース応援キャンペーンにつき、聖女コースを選択していただいたお客様には、どんな男もたちまち下僕にできる『聖女の護り』を3個プレゼントしております】


「……どんな男もたちまち下僕……?」


 強力なパワーワードに美緒の動きが全て静止した。


【聖女ルートのチュートリアル完了後の交付になりますが、『聖女の護り』は通常のストーリーでは決して入手できないレアアイテムな上、アイテムの能力を解放できるのは聖女しかいません】


 ……それはまさか、少女漫画にありがちなイケメンパラダイス的な展開!?


 あ、なんかそういえば広告でそんなマンガが出てきたことあったかも。


 冴えないOLが過労死して異世界転生すると、何故か聖女に転生してて、イケメンたちから溺愛求愛されまくる的な……。


 そしてすることをされまくる的な。


 ……なんだ。やっぱりアダルトじゃん。

 あ、でもギリギリTLな範囲なのかな? イケメンならアリ?


 でもまあTLでも最後まで普通にやっちゃってるのばっかりだしな……。


 どうしよっか。


 スパダリが揃いも揃って私を溺愛してくれて、なんでも言うことを聞いてくれて、私は命令し放題か……。


 ……うん。おいしいな。


 …………うん。それ断然、悪役令嬢なんかよりおいしすぎじゃん!


「……本当にアダルトじゃないんでしょうね……?

 むりやり押さえつけられて、変なことしてきたりとか……私、俺様系のキャラ、生理的にダメなんだけど」


【そのようなことは断じてありません。

 聖女の護りで契約した男たちは聖女に絶対服従です。聖女へ危害を加えようとする者へ、命をかけて聖女をお守りするのが使命です】

 

「ふーん。じゃあ、せっかくだし、それにしてみよっかな」


【ありがとうございます。

 では聖女ミーシャさま、容姿の選択へお進みください】


 ミーシャこと美緒はピンクの髪を選択しようとして、またエラーになった。


【申しわけございません。ピンク色の髪は現在利用が集中し……】


「どいつもこいつも、流行りのマネし過ぎ――――!! 個性なさすぎ――――!!」


【再ブーメランですね】


 ピンクのロングヘア―+ダブル黒トンガリオプションができなかった美緒は、せめてもの腹いせに親からもらったお小遣いを全て注ぎ込み、聖女ミーシャのアバターを自分好みにカスタマイズしていくのであった。


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