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真佐江(40)の最後の秘密~闇の力が目覚めてしまったので、こうなったらてっぺん取ってみようと思います。さあ、俺のタマをとりたいヤツからかかってこいや! 返り討ちにしてやんぜ!~  作者: イトウ モリ
1章 真佐江(40)の誰にも言えない秘密~友達をいじめたやつをシメたら、仲間を集めてシマを荒らしに来ました。仕方がないので昔みたいに暴れます~
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真佐江 1-10



 しかし天の声よりも先にアッシュへ声をかけたのは、討伐隊の残党たちだった。


「見つけたぞ! 裏切り者のアッシュ!

 かつては光の救世主の称号を手にしたお前が、堕ちたものだな! ガローランドの二の舞になるがいい! そして俺が救世主の称号を得るのだ!」


「おいおい、知り合いでもないくせに偉そうな口をきくガキだな! 残念だったな! 俺は思春期からこの仕様だよ!

 人がシリアスな話してるときに割込みやがって……その口から先に潰してやるぜ! 唇突き出してそこに並びやがれ!」


 アッシュの頭の中を即死の文字がよぎって行ったが、表面上は不敵な悪役笑いを浮かべ、特大級のやめなよパンチを放つ。こういう時はいつだって気持ちが先に折れた方の負けだ。


(フィールドの端まで吹っ飛びやがれ!)


 しかしアッシュのやめなよパンチは効かなかった。


「貴様の遠距離攻撃が風属性だということはお見通しだ! すでにどの冒険者も風属性無効化装備の準備を整えている! 貴様の負けだ! 大人しく死ね!」


(ちっ、そろそろ引き際かもしれねえな。

 でもこのガキはなんか話通じなさそうだから、こいつにやられんのはパスだな)


 とはいえ連戦続きで体力が尽きかけていた。

 なんていったってあと2,3発でゲームオーバーらしい。


 遠距離攻撃のやめなよパンチも、中距離のブーメランフックも使えないとなると、殺さないように手加減しながらの接近戦となる。相手の数は10人か……。


 ちょっと厳しい戦局だ。


<……力を、貸してやろうか……?>


 頭の中で低い男の声が響いた。


(……誰だ?)


 アッシュも心の中で問いかける。


<……お前に力の使い方を教えてやろう……>


 強制的にアッシュの体の主導権が奪われた。


(……おい、やめろ……!

 なにする気だ……!? やめろ! やめ……)


 アッシュの手が振り払われると、その軌跡に沿って激しい黒い稲妻が走り抜けていた。


「うわああああああ!!」


 悲鳴をあげて、倒れる討伐隊のメンバーたち。


(お、おい! 殺すな! やめろ!)


 アッシュが静止するが、声は出なかった。


「案ずるな。気を失わせただけだ……」


 アッシュの口から、アッシュのものではない低い声が発された。

 先ほどアッシュの頭の中に響いた声と同じ声だった。


「圧倒的な力を見せつけてやればいい。歯向かう気が起きなくなるほどのな……」


 ()()()()の手が、空を指さした。

 突然、無数の稲妻が空から降り注ぐ。


 裏切り者のアッシュを討伐するために編成された討伐隊メンバーたちは、一瞬で全滅したのだった。

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