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技術者との話し合い

 

 デザートも食べ終えて、休憩を挟んだのち今度は聖女リセーラ殿と次期大公ハルオン、そして技術者数名を加えた話し合いが始まる。

 ざっくり石晶巨兵(クォーツドール)の素材についてだ。

 ひとまずかき集めて、実際に作ってもらった方が早かろうということになった。

 しかし、休憩中ちと変なことに俺も気がつく。

 レナとランディはすでに気づいていたようなのだが、ハルオン殿がラウトをずっとチラチラチラチラ……見てる。

 わからんでもない。

 ラウトは顔がいい。

 中性的な超絶美少年。

 観賞用として文句なしの一級品。

 でも、なるほど……結構、こう、()()()もんだな?

 目線の種類といえばいいのか、その眼差しに含まれるモノの種類といえばいいのか。

 あれは、なんっつーか……欲だ。

 側から見てても気持ちいいモノではないモノだ。

 俺と歳が変わらない——生きた年月を換算するなら千歳以上だけど——ラウトをああいう目で見られるのは、気持ち悪いな。


「材料はこれでよろしいのですか?」

「あとは設計図がある。これは素体になる部分。そこから肉付けしていく必要があるが、デザインはこちらが使いやすい」

「なるほど。我が国のデザインを、我々で模索せよとのお話ですね?」

「それもあるが……中身も問題が山積みなんだ。特に操作性と消費魔力量はかなり膨大になる。一般市民にも使えるように、効率よくしたいのだが……」

「ふむふむ……」


 とはいえ、今は仕事の話。

 ラウトの方は呑気にあくびしているが、ランディの顔がどんどん険しくなりラウトのほんの少し手前に移動してきている。

 家では末っ子だけど、俺たちの中では最年長だからラウトのことも弟みたいに思ってくれているのかも。

 ランディに任せて大丈夫だろう。


霊魂体(アストラル)化が難しいのですね」

「多分それにより消費魔力量も変化すると思う。大きな結晶魔石(クリステルストーン)を用いた場合は、消費が少なくて済む」

結晶魔石(クリステルストーン)は消耗品ですかな?」

「今のところそうなるな」

「かなり燃費が悪いのですね……」

「自然魔力を使えるようになれば、かなり変わると思うのだが」

「そうですね……それでしたら、結晶魔石(クリステルストーン)を燃料として使えるように、即座に霊魂体(アストラル)化して機体に満遍なく浸透する装置を取りつけてみてはいかがでしょうか? 霊魂体(アストラル)化というものが、我々には未知の現象ですが、ひとまず現象の確認をしてみてから、になりますが」

「それで試してみましょう。だが、結晶魔石(クリステルストーン)を燃料にして使うというのは、うちにはない技術だ。ミドレには元々あった技術なのだろうか?」


 そんで、技術者との話のなんとためになることだろうか。

 今頃ルオートニスはルオートニスでジェラルドとリーンズ先輩が、独自の視点で改良を始めていると思う。

 ミドレの結晶魔石(クリステルストーン)を消費燃料にするというのは興味深い。

 結晶化した大地(クリステルエリア)の調査と並行して行っていかなければならないが、結晶化した大地(クリステルエリア)の一部を結晶魔石(クリステルストーン)の原産地として残すのが必須になりそうだ。

 結晶化した大地(クリステルエリア)と上手くつき合っていけるのなら、それが一番いいだろうな。


「操作性に関してですが、具体的にどのように改善していうとお考えですか?」

「我が国に千年前の技術が残っているところがあり、それを参考にしながら運動能力の向上と同時に行っていこうかと」

「ほお、興味深いですね」

「千年前の技術……ということは、もしやルオートニスにも“守護神の御神体”があるのですかな?」

「ん? 守護神の御神体……? それはわからないが……」


 一人の技術者が好奇心に満ちた目で持ち出した存在、『守護神の御神体』。

 像。像?

 もしかしたら、ギギの言っていた大和(タイワ)製、擬似歩兵前進兵器のことかも?

 ミドレにそんなのがあるなんて知らなかったな。

 いや、まあ、俺が生まれた頃すでに結晶化した大地(クリステルエリア)の拡大で、ミドレとは国交断絶してたけど。

 俺より五代も前に行き来不可能になっていたらしいし。

 他国の文明文化について俺が知らないのも無理はない。

 でも、もしも千年前の遺物だとしたら興味がある。


「それはもしや千年前の遺物なのか?」

「そう言われております。見つかったのは五十年ほど前。城の地下に空洞があり、そこにありました」

「ええ? 城の地下に?」

「ああ、そうです。大公閣下、ヒューバート王子に見ていただいてはいかがでしょうか? ヒューバート王子が乗ってこられた巨大な人型魔道具は、御神体に似ていると思うのですが」

「ふむ……確かに。よかろう、明日、案内しよう。民にも公開している場所だ。石晶巨兵(クォーツドール)の開発に役立つのであれば、こちらが把握している情報は出し惜しみせん」

「ありがとうございます!」


小ネタ


メイド「ご飯おいしすぎる」

メイド「ルオートニスの王子様、様々ね」

メイド「まだ14歳なんですって」

メイド「うそ〜。あんなにしっかりされてて? 将来有望すぎない?」

メイド「護衛の男の子たちもかっこいいわよね〜! 新しい扉開きそう〜」

メイド「「「「わかる」」」」


トニス(うわぁ……)

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