平凡女子のドキドキ学校生活【バレンタイン編】
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2月の朝。
今日はかなり冷え込んでる。
マフラーに手袋にカイロ。それと、、、
ガチャ
「おはよ。」
「あ、おはよう!じゃ、行こっか。」
「おう。」
私の横に並んで歩いているこの男の子は、成瀬。
私の彼氏でもある。
「あ、ちゃんと用意してあるから安心してね!」
「え、あ、お、おう、、、」
めっちゃ動揺するじゃん、、、。
今の時刻は7時30分。今日は部活が無いから一緒に登校してるんだ。
あ、忘れてた!
私の名前はゆこ。ごく普通の中学3年生。
今向かっている原谷中学校に通ってるよ。
「そうだ、ゆこはなんかアレルギーとかある?」
「ないよ!なんでもいける!あ、でもピーマンは無理かな、、、」
「チョコにピーマン入れるやつどこにいんだよ」
そう、今日は2月14日。バレンタインデーの日。
だから、こっそりチョコ持ってきたんだ!本当はダメなんだけどね、、、。
「あ、まなみー!ちょっと時間大丈夫?卒業式のセリフの事についてなんだけど、、、」
「あ!ゆこ!!おはおは!!全然大丈夫だよ!」
「おはよ!えっとね、、、」
この子は源真奈美。私の親友なんだ。
「あ、成瀬、、、先教室行ってる?」
「おう、そうするわ。んじゃ。」
「はーい」
「で?話ってなにー?」
「ああはいはい。えっと、卒業式で言うセリフもう決めたと思うんだけど、セリフの内容に変更が入ったから、もう1回決めなおしてって先生が言ってたよ。」
「えー!?マジ!?最悪なんだけど!!」
「まあまあ、、、。とりあえずB組でもう1回決めといて!あと、ひなみちゃん見た?」
「ひなみは確か教室にいた気がする!B組に伝えとくね!じゃ!」
「おけ!ありがとう!」
そう。私達は中学3年生だから、3月には卒業式がある。
そのための準備がもう始まってるんだ。
「あ、ひなみちゃーーん!!ちょっと今大丈夫?」
「お、ゆこちゃんじゃん。どしたの?」
「ちょっと卒業式のセリフに関して話があって、、」
ふう、、、。やっと教室にこれた。時刻は8時5分。10分までに支度をしないといけない。
朝にチョコ配ろうと思ってたけど、、、諦めるかぁ。
「ゆーこちゃん。おはよ!」
「あこおお!聞いてよもう朝からドタバタでさあ、、、」
「あ、時間だ、ごめんまた後でね。」
「ふえええ、、、。ってもう時間!?え!?」
「あの時計最近ズレてきたんだよね。腕時計持ってきた方がいいよ。」
「まじかぁ、、、。」
もー朝から最悪よ本当に、、、。
あ、さっきの子は藤岡あこ。いつも休み時間になると私のところに来てくれるんだ。
「はぁ、、、やっと1時間目終わったぁ、、、。」
「ゆこちゃん、お疲れ様。」
「お疲れ様ってまだ3時間あるんだけどね、、、。」
とか言いつつあっという間に昼休み。よーし、チョコ配るぞー!
「はい、あこちゃん!どーぞ!」
「わぁありがとう~」
「まなみ!はい、どーぞ。」
「わああああ!!ありがとう!!!ガチありがとう!!!」
よし、あとは、、、
「成瀬!」
「ん?」
「はい、どうぞ。」
「お、あざっす。、、、え、ガチ美味そうじゃん!すげぇ」
「えへへ。頑張って作ったよ!」
「マジか。嬉しい。ありがとな!」
「いえいえ!」
ガラガラ
「あ、いたいた!成瀬、、、っておいなんだそれは?」
「あ、、、」
待って急に先生入ってきたんだけど!?!?どうしよう、、、
「おい、チョコじゃないのか?ゆこ、お前だな?持ってきたのは。」
「え、あ、いや、、、」
「チョコは学校の決まりで持ってきてはいけないはずだよな?なあ?」
え、えっと、、、
「ゆこ、行くぞ。」
「え?」
その瞬間、成瀬は私の手を掴んで走り出した。
「おい!逃げるんじゃねーぞお前ら!おい!止まれ!」
「ここで一旦休憩すっか、、、。」
「う、うん、、、。でもよかったの?罪が重くなるだけじゃない?それに、私が怒られるんだし、、、」
「、、、わかんねぇ。俺にも、、、。」
「、、、え?」
「なんで逃げたのか、、、わかんねぇ。お前をかばいたかったんだろうな、多分。とっさに足が動いちまった。」
「、、、そんなこと、しなくてもいいのに、、、。成瀬まで巻き込んじゃったじゃん、、、。」
「いいよ、別に。2人で怒られる方がまだマシだろ。」
「、、、そっか。あ、ありがと、、、なのかな?」
「おい!どこだ!隠れてないで出てこいゆこ!成瀬!」
、、、あっぶなぁぁ、、、。とっさに成瀬が私の口を抑えてくれたから、なんとか助かった、、、。
「くっそ。どこに行きやがったあいつら、、、。ったく面倒な事になったな、、、。」
バタン。タッタッタッ、、、
「、、、いなくなった?」
「みてぇだな。ったく危なかったぜ、、、。」
「ごめんごめん、、、。急に来たからびっくりしちゃった。」
「俺もビビったわ、、、。ってかこえーなあの教師、、、。」
「ね、、、」
「なんか、、、変な思い出になったな。」
「ね、ほんとそれ笑」
「ぷっ笑笑なんだよこの展開よぉ、、、笑意味わかんねぇよ笑」
「あはは笑笑」
「はは笑笑」
こんな状況で笑っていいのかわかんないけど、、、まあ楽しめたならいっか!
あ、もちろんこの後死ぬほど怒られました笑
でも成瀬がいたから怖くなかったよ。ありがとう!成瀬。
家に帰ってから、成瀬のLINEにメッセージを送ってみる。
「チョコ、どうだった?美味しかった?」
あ、既読ついた。ちょうど成瀬も送ろうとしてたのかな?
「めっちゃうまかった!最高!またちょうだい!」
わああああ美味しかったって褒められた、、、!!成瀬に褒められたよ!やった!!
「よかったー!また作るね!」
「あざっす!楽しみにしてる!」
そうして、私達のバレンタインは幸せに終わりました。
皆さんこんにちは!ゆちゃです!
バレンタイン編、見ていただきありがとうございました!!
ゆこの成瀬の青春、味わうことが出来たでしょうか?
今作ではバレンタインデーをイメージして、修学旅行から帰ってきたあとの物語を書いてみました。
そして、早いことにゆこ達の卒業式も近づいてきています。
ですが、ゆこと成瀬達の物語はまだまだありますよ!
お楽しみに。
皆さんのバレンタインが、素敵な日になりますように。