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先生に言った
ミヅキは担任を頼ることにした。
「先生にではなく、直接、クラスみんなに話しかけてはどうですか」
次の学級会の議題にするように、それが先生の回答だった。
それができれば先生に言ったりしない。
クラスの女子がミオの悪口を言い出した。
その前に、ミヅキとミオが一緒に絵を描いて、
その前に、ミヅキが大学ノートを持ってきて、
その前に、ミオが国語のノートに星を描いて、消して、
その前に、ヨウコが絵を持ってきて、
その前に、ミオが絵を描くのをミヅキが見ていて、
その前に、ミオと話して、
その前に、班替えがあって、
その前に、ゴールデンウィークがおわって。
それのどこが悪いのか、誰が悪いのか、何でこうなったか、ミヅキにはわからなかった。
わからないことをクラス全員の前で説明するなんて無理だった。
先生は、ミオさえ黙っていれば何もなかったこととして遣り過ごすつもりだとミヅキは感じた。