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なかよしがくるしかった  作者: やゐゆゑよ
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空気がおかしい

 休み時間になると、机の上に大学ノートを出した。

「わあ、大学ノート、かっこいい」

とミオの方から話しかけてきた。

 ミヅキは自分の描くものが到底ミオには敵わないと思えたが、ミオは

「いいじゃない。かわいいよ」

と言ってくれた。


 ミヅキがクラスの空気に何かちょっと変な感じがする、というかひっかかる感じしたのはそのころだった。


 クラスの女子数人が

「吉沢さん、教科書に落書きしてたんだよ。よっぽど絵が好きなんだね」

とくすくす笑いながら話していた時は

「いやいや、教科書にはしてないよ。ノートにちょっと描いてすぐ消しただけだよー」

とミヅキは反論したが、彼女たちのくすくす笑いは止まらなかった。いつもヨウコのそばにいるルミが珍しく別の女子達と一緒にくすくす笑っていた。

 嫌な感じだった。


「授業中でもずっと絵を描いている」

「低学年が使うような自由帳を持ってきている。勉強に使わない物は学校に持ってきちゃいけないのに」

「絵ばっかりかいてる。でも自慢してるほどは上手くない」

「偉そう」

「モノの言い方が変」

「変なしゃべり方」

「気取ってたしゃべり方をするから嫌い」


 誰が、とは誰も言わない。

 クラスの中で絵を描くといえば、ミオとミヅキとこの前描いて持ってきたヨウコだけだ。ヨウコは教室で絵を描いていない。


 クラスの女子達はミオが教室にいる時は何も言わず、遠巻きにミオを見ている。

 いなくなると主語のない悪口を言った。

登場人物フルネーム  吉沢 ミオ

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