04
人間が住む街の中にて
「速報ー、魔王軍に、勇者が勝ったぞー。」
その一声は、住民たちを熱くさせた。
「道を開けるんだー、勇者が来るぞ。」
その声に道の真ん中を開け、四人の勇者が通る。
それぞれ、東西南北に一人ずつ産まれる勇者の集まりだ。
東を代表する勇者は、ヘンゼル。伝説の剣 魔剣グレーテルを持つ。
魔剣グレーテルとは、一振りすれば、大気中の魔素を取り込み強力な一撃となり、魔力を貯蓄させ一振りさせれば、はるか昔の魔女を呼び出すことができるという。そして、その扱いが上達すれば、一斉に四人を呼び出すことも。
西を代表する勇者は、アルフレッド。亜空間魔法に優れている。一見お人好しに見えるが、正確はかなりきつくパーティーを組んだ人からは悪評ばかり上がってくるやつだ。
南を代表するのは、女帝フウラ、一国の女王だが、帝国主義の国のため、勇者は居なくその国で一番強い者が勇者の称号を得られる。そこに、貴族も平民もスラムすら居ない。勇者の称号とは、産まれに関係ないのである。
北を代表するのは、カイリス=マクベルス。この国は、平民やスラムもない。全てが貴族である。そしてこの貴族の中で一番権力を持っているものが勇者となる。
「勇者達よ、汝らはなにを望むっっ!」
「全世界全ての平和を胸に、我々勇者と呼ばれた者たちは生きていくっっっっ!、さあ、共に歩み寄る世界を目指し行くぞ!!!!!」
住民たちは、この勇者の熱に乗るよう祝福と歓喜を挙げた。
そして、これから起こる戦争は誰にも想像ができなかったのである。
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この様子を見ていた女フレイシャは、悩んでいた。
「あまりにも惜しい、あのお方には、人族は滅ぼすようにと言われていましたが、これほどの実力とは、あと少しであのお方に届きそうではありませんか。もしかしてこれを分かっていたから滅ぼすようにと?ならばふふ、もっと成長させて頂けませんと、あのお方と戦わせてみたいと思ってしまいます。なのでここは一つ反抗としましょうか。ウフフっ、いけませんわ、笑いが込み上げてきますの。あのお方にはどうやって苦しんでもらいましょうか。
その顔は、憎悪と復讐に満ちていた。