6:依頼を受けて街の外へ
ぜんーかいのあらーすじー
迷子なう
冒険者登録完了!
いざラストミッション(チュートリアル)
ー依頼を受けて街の外へー
チュートリアルの冒険者登録も終わって後は依頼をクリアしたら全部のチュートリアルが終了!
なので早速私は受付嬢さんに今のランクで受けれる依頼を聞いてみた!
「そうねぇ、今のコハクちゃんなら『常時依頼:薬草採取』、『常時依頼:ミニマムスライムの核集め』、『野生のローストンの肉の納品』の3つが受けれるわ。どの依頼も場所はこの街の門を出てすぐの所だからもし何かあってもすぐに帰ってこれる依頼よ」
「ふむふむ、スライムはなんとなくイメージで分かるけど薬草とローストン?はどんな形してるの?」
「まず薬草がこれ、ギザギザの葉っぱに横向きに青い線が二本入ってるのが薬草よ。青い線の数や向きが違うと効果も変わっちゃうから気をつけてね?」
受付嬢さんがカウンター裏から取り出した冊子に描かれた薬草の形をしっかり頭に叩き込んで間違え無いように記憶する。
「これが3枚で1束、薬草採取の依頼達成には10束必要だから薬草を30枚集めないといけないけど慣れると簡単よ。
次にローストンだけど、昔の人が食用肉として飼ってた動物に逃げられちゃって、それが野生化したのがこのローストンよ。野生化した事で飼育されてるローストンと違って鋭い牙が生えていて危ないけど、攻撃方法はまっすぐ体当たりしてくるだけだから戦った事が無くてもしっかり見てれば簡単に避ける事ができるわ」
冊子のページが捲られローストンが描かれたページを見ると牙の生えた豚の絵が描いてあった。
サイズは一緒に描かれた大人の絵と比べると腰より頭の位置が上にあって結構デカい。
そして備考欄に『飼育されたローストンとはまた違った味わいが有り美味、野生化しても食用肉である事に変わりないので定期的に納品依頼が出る』って書かれてた。
脱走した意味よ……。
「狩った後はそのままギルドに持ってきてもいいけどその時はお肉にするのに『解体料金』が発生するから依頼報酬が少し引かれるわ、逆にキレイに解体して持ってきてくれたら『解体料金』は発生しないしお肉の品質によっては報酬がアップするから余裕があれば挑戦してみる事をおすすめするわね」
「ふむふむなるほど…。うん、じゃあ3つとも受けてみる!」
「それじゃあちょっとギルドカードを貸してくれるかな?」
「はいどうぞ」
「ありがとうコハクちゃん。はい、これで受注申請は完了です、この冊子もあげるからそれを見ながら頑張ってきてね」
受付嬢さんにギルドカードを渡すと依頼用紙がセットされた機械っぽいのにカードスラッシュ!されてから冊子と一緒に帰ってきた。
「いいの?」
「それは新人冒険者全員にあげてるから大丈夫よ。他にも街の簡単な地図やお得なお店の情報とかが書いてあるからしっかり読んでね?」
「うん!受付嬢さんありがとう!」
「どういたしまして。では新人冒険者よ、気をつけて行ってらっしゃい!」
「行ってきます!」
そうして私は受付嬢さんに送り出されるがままにギルドを飛び出した。
「ハッ!あのでっかいクリスタルの事聞き忘れた!?」
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受付嬢さんに貰った冊子もといガイドブックの地図を見ながらしばらく歩き、私は無事迷子にならずに門がある所までたどり着いた。
ちなみにクリスタルの事は帰ってきてから聞けばいいかという結論に達したので後回しである。
「ふむふむ、ああいう感じなのか」
門は全部で3つあって、1つは一般歩行者用、1つは馬車とかのデカブツ用、最後に他より豪華な多分貴族とかそんな人用という感じで、出入りするには門番さんの所でカードらしき物を見せるかお金を払う必要があるみたいだった。
(多分ギルドカードを見せれば行けるんじゃないかな?あ、でも一応所持金確認しといた方がいいかも)
そういえばまだ1回もメニュー開いてなかったなぁ、と思いつつも思考操作(考えるだけで操作できる凄い機能だよ!)でメニュー画面を開くと半透明の画面が出てきて左半分にはアイテムやステータス等の項目が、右半分には今の自身の状態がすぐ分かるようにデフォルメされた自キャラが表示されていた。
「所持金が1500ギルに『ガイドブック:交易の街グリント』に『初心者の回復薬』が5つと『解体ナイフ』が1つ、充電中『転移マーカー』に『小転移の手鏡』。まぁ初期アイテムとしてはこんなもんなのかな、1500ギルってのが多いのか少ないのかはわかんないけど」
所持金ついでにアイテムの確認も済ませて一般歩行者用の門へと向かい外に出る人の列に並んだ。
まぁ、列と言っても5人くらいしか並んでなくてすぐに私の番になったんだけど。
「ん?見ない顔だな。さてはお前も異界人だな?」
「異界人?」
「この世界の外から来てる奴らの事だよ。最近一気に増えたからな」
「あ、なら私もそれだと思うよ?」
「やっぱりか。いいか、自分の世界じゃないからって何でもかんでも好き放題していいなんて道理は無いんだからな。悪い事をしたら捕まる、そこんとこしっかり覚えとけよ?」
「うん、教えてくれてありがと!」
「おぉ、ならいいんだよ。それでここに来た目的は?」
「さっき冒険者ギルドで依頼を受けたから外に出るの」
「そうか。一応説明しとくが、冒険者には門を出入りする時に門番にギルドカードを見せてもらう事になっている。そして別の街へ拠点を移す時は1500ギル払ってもらう事になってる、ルールなんだから文句言うなよ?」
「大丈夫!」
「じゃあギルドカードを見せてもらうぞ」
「はいどーぞ」
「確認した。通っていいぞ」
「はーい」
そうして案外あっさりと出れた門の外には他の街に続くであろう道と広い草原が広がっていて、少し目を凝らして見てみるとスライムっぽい青色がちらほらと見えた。
「よーし、それじゃ早速スライムテイムするぞー!おー!」
気合いと共に草原に突入すると早速第一スライムを発見した。
薄水色の饅頭型で大きさは10cmあるかな?ってくらい小さくて目を閉じてすよすよと眠ってるみたいな顔をしている。
とりあえずこのゲームのスライムは顔ありタイプという事が判明した。
可愛いのでよし!
「ミニマムスライムLv.1ね。それじゃ寝起きドッキリいくよー!」
スライムの頭上に表示された名前とLvを確認し、私がスライム目掛けて鞭を振り下ろすとーー
ぺしっ、ッパァァァンッ!!
ーー鞭が当たった瞬間にミニマムスライムは針を刺された風船の様に音を立てて破裂し中身を飛散させた。
「ふぁっ!?えっ!うそっ!?」
まずは小手調べというつもりで軽く振り下ろしたはずがまさかの一撃必殺という事態にコハクはすごく驚いた。
そしてミニマムスライムがいた場所には破れてボロボロになった薄水色の皮と1cm程の小さなビー玉のような物が転がっていた。
「あー、えーと、うん。アイムWINNER!」
とりあえず私は現実逃避気味に勝利宣言をして、それから戦利品?を回収したのだった。
門番さんの説明っぽいのは全プレイヤーに説明されます。
場面でちょっとセリフが変わるけど内容は変わらないよ!という設定があります。
ここまで読んでいただきありがとうございました
ヾ(*´∀`*)ノ