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最後の方で、視点が変わるのでご注意してください!

読みづらかったらすいません…。


 学園長室に行った、ということはきっと何か関係があったのだろう。

 まあ、そうじゃなかったらこのタイミングでそんなこと言わないか。


「あの、それはいったいどういう…」


 ここで、今まで静かだったメリーがそっと手を上げた。

 確かに、ただ行ったということを聞いただけでは何もわからない。


「俺の魔法型は闇で、特別な型だから呼び出されたんだけど、行ったらとある試練が与えられて…」


 闇!?

 これはまた…見た目通りとゆうか、いや、珍しい型だからびっくりはびっくりなんだけど話を聞く限り…。


「…それじゃあ、私は今、試されてるってこと…?」


 そう、まるで私にも試練が与えられるような言い方だ。

 でも、私は魔法型の事で呼び出されたわけではない。

 全く別の、テストについてだ。


 でももし、そのテストが試練の一つだとしたら…。


「まあそうだね。君は今学園に試されている。光と闇の魔法型はこの国でも持っている人は少ないから、学園側も教えられることが限られるんだ。そのため、入学してすぐに試練が用意されてその人の実力に合わせてこれからの授業内容を決めるらしいんだけど…」


 ルイスはそこまで言って、手をあごに当てて考えるような姿勢をとった。

 ねえ、その先は?気になるんだけど…。

 そもそも、私そんな話今初めて聞いたよ…!


「……君、先生たちから何も聞いてないの?」


 考え込んで固まっていたルイスがふいに視線を上げ、まっすぐ私を見ながら尋ねてきた。


「き、聞いてないです…。そもそも、そんな話今初めて聞きました。あの、試練って具体的には何を…?」


「人によると思うけど…基本はその魔法型の属性魔法を使うんだよ。俺の場合だと闇属性魔法。君だと光属性魔法」


 属性魔法。

 基本は魔法型と一緒の属性しか使えないものだ。

 使える魔法は属性によって違いがあり、炎属性だと炎の魔法、風属性だと風の魔法。

 基本は、ということは例外があって、例外は炎属性なのに風魔法を使えたりするのだとか…。

 ちなみにその例外に当てはまる人物を例に上げるとするならば、学園長だったり、宮廷魔道師団の団長さんだったり。


 でも、属性魔法を使うにしたってそんなタイミングなかったような…?


 ……あっ!今か!

 今このテストが試練か!

 なるほどな~うん、……で、どうするの?

 試練がこのテストなのはわかったけど、どうすればいいのか結局わからないままだ。

 そして何をすればいいのか、何が求められているのかわからない私は…。


「…取り合えず、魔法を使ってみようかな…?」


 ルイスの言っていたことを思い出し、魔法を使ってみることにした。

 私の属性魔法は光…ということまではわかるけど、珍しすぎてどんな力を持っているのか、などの記録が少ないため、よくわかっていない。

 確か、浄化系の魔法を使えた気が…。

 なら、とりあえずこの状況を解決することを願って魔法を使ってみよう!


 私は右手を解答用紙にかざして、なんとなく手のひらに魔力を集めてみる。

 手のひらがじんわりと温かくなって、解答用紙がだんだんと白い光に包まれていく。

 包まれたことで見えなくなったが、次の瞬間には光が収まり解答用紙が顔をのぞかせた。


「え…?」


「う、そ……」


 解答用紙が変わっていた。

 いや、正しくは元に戻ったとも言える。

 そう、前の4点が異常だったのだ。


 私が持っていた解答用紙には4点…ではなく86点の文字…。

 信じれないことだが、86点なのだ。

 なんだ、退学の危機じゃないじゃん!

 って、そうじゃなくて、正しい(?)解答用紙になったから試練は合格なのかな?

 どうなんだろうと思ってふとルイスの方を見ると、目を見開いて固まっていた。


「あの、試練ってこれでいいんですかね…?」


 とにかく結果を聞きたい一心で話しかけてみる。

 まあ、実際に結果を知っているのかわからないけど、なんとなくわかる気がした。


「っ!ああ、これを学園長に見せに行けば合格になると思う…」


「本当!?よかったぁ~!これで駄目で入学早々退学になっていたらお母さんにも、村のみんなにも見せる顔がなかったから」


 心の底から安心して、つい、口調が砕けてしまった。

 でも、それにも気づかないほど気が緩んでいた。

 だから、あの視線にも気づかなかったんだと思う…。


「よかったね、ウェル」


 そう言ってにっこりと微笑む殿下の顔はやっぱり眩しい。

 その笑顔、もしかしたら私の光魔法よりも浄化力があるんじゃ…?

 まあ、おかげで正気に戻ったのでとりあえず職員室に行って、学園長に見せに行きますか!


「じゃあメリー、私ちょっと学園長のところに行ってくるね!」


「うん、行ってらっしゃい。今度はトラブルもって来ちゃ駄目だよ」


「う…うん?いや、最後の一言いらないじゃ…」


「いいから、早く行って」


「はい…」


 安心からか、メリーが少し冷たい…。

 このツンデレめ!!



 廊下を歩いて数分、私はさっき出たばっかりの職員室にまた来てしまった。

 ここまで来てあれだけど、今授業中だよね…。

 さっきは放送で呼ばれてたからほかの先生方も疑問に思わなかったけど、一度授業に行った私が戻ってきたらおかしいと思うよね、さすがに…。

 まあ、ここまで来たなら腹をくくって注目を浴びるしかないか…。


 いざ入ろうと思って職員室のドアの取っ手に手をかけた。

 すると、私がドアを引くよりも早くドアが開いた。


「おめでとうございます、ウェルさん!」


 突然破裂音が響いて、そのあと私の方に紙とセロハンが飛んできた。

 反射的に閉じてしまった目を開けると、目の前、本当に目の前に学園長が立っていた。

 鼻がつきそうな距離にいるので学園長の良い匂いが…!


「ああ、これが解答用紙ですね。うん、ちゃんとできてますね…」


 近いと思ったら解答用紙をとるためか!

 スッと私の手から解答用紙を抜き取り、まじまじと見つめる学園長。


「はい、ウェルさん、無事合格ですよ。光属性魔法使えましたね」


 そう言ってにっこりと微笑む学園長。

 やっぱり顔が良いから…輝いて見える…。

 あと、退学の危機が…って言ってた時の様子と全然雰囲気が違う…?

 思わずじーっと見つめてしまう。

 すると、その視線の意味を読み取った学園長が何かに気づいたように手をポンッとたたいた。


「やっぱり雰囲気違って驚きましたよね…。普段はあんな威圧感を前面に出してないんですよ。さっきのは、何かを演じていないとボロが出そうだったので仕方がなかったんですが…怖がらせてしまいましたね、すいません」


「いっいえ…!あの、なぜ私は何も伝えられなかったんでしょうか…闇属性の…ルイス君は知ってましたよね?」


「ああ、それですね、彼は貴族…王家に継ぐ権力のある家の跡取りで、学園にそうゆう制度があるのは知ってたんですよ。公爵家跡取りだと情報が早いんですよね~」


 のほほんと言ったけど、公爵家跡取り!?

 確かに殿下と仲が良いてことは相当良い家の人だろうとは思っていたけれど…。

 まさかここまでとは…!


「とりあえず、もう授業中ですし、教室に戻って大丈夫ですよ。試練の結果も確認しましたし」


「はい、失礼します」


 そう言っておとなしく職員室から出た、そうおとなしく。

 ここで安心したからとはしゃぐのは問題があると思うのだ。

 まあ、これで心配事はなくなったから気が楽になったぞ~!




「どうだった、アイリス・ウェルは」


「うん、あの子才能があると思うよ。あの髪色から見て多分これが限界じゃないよね」


 そう言って先ほど帰ってきた解答用紙に目を向ける。

 ルイスがかけた闇属性魔法をきれいに浄化してある。

 あれ、結構きつくかけるように言っといたのに…。


「でもまだかな…才能があっても技術がない。まあそれはこれからつけていけばいい話だけど…国王様、レオニードにはまだ伝えないでね、公爵」


「わかってるよ、でももうあんなに大きくなったのか…」


「君が出会ったのって、確か三年前でしょ?あの年の子供は成長が早いからね…君のところだってそうだっただろう」


「うっ…やめろ、最近反抗期が来たみたいなんだよ…これも成長だろ?親としては大きくなってうれしいけど複雑なんだよ」


「はいはい、親ばかだね~。でもルイスが反抗する理由わかるな…君、結構暑苦しいところあるし」


「きついこと言うなよ~。これでも子供の前ではかっこいい姿を見せれるように頑張ってるんだよ」


「はいはい」


 こっそりと姿を変えていたアルロイド公爵、マクシードと軽口をたたきながら考える。

 おそらくウェルは何か大きな力を持っているだろう。

 ぱっと見た感じ、属性魔法を使ったのは今日が初めてのはずだ。

 いくら才能があっても初めてであんなにきれいに、強力な力を使いこなせるなんて…。

 マクシードが見込んだだけはあるって事だ。


「楽しみだね、マクシード」


 そう、うっかり笑顔がこぼれてしまうほどに。

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