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3−2

明日も同じ時間に投稿予定です!よろしくお願いします!

 午後の授業はお昼の時にも言っていたが、各クラスでのオリエンテーションという名の交流会だ。

 ここでクラスの人と話すきっかけを作れればいいな…!

 ただでさえこの珍しい髪色のせいで遠巻きにされがちなのに、殿下がひっついてくるから余計に話しかけてくる人がいないのだ。

 だから、友達を作るのは今しかない!ほら殿下!あっち行ってください!!


「アイリス・ウェル!殿下を独り占めしすぎですわ!さっさと離れてくださいまし!」


 ほら見ろ殿下!ずっと私のところにいるからカーラ嬢が自らやってきたぞ!

 そもそも殿下って人の感情の機敏に敏感だから、私が迷惑がっていることに気づいていてもおかしくない。ていうか気づいてるだろ、絶対。

 なのになんでそんなに私のもとにやってくるのか。

 私への嫌がらせなのか、それとも別の誰かへの当てつけなのか。

 どちらにしても、殿下の意地の悪さが垣間見えてしまってなんともいえない気持ちになる…。


「だから!アイリス・ウェル!話を聞きなさいってば!!」


「あ、ごめん」


 またカーラ嬢の話を流してしまっていた。

 なぜかカーラ嬢は貴族なのに気安い雰囲気を纏っているからつい雑に扱ってしまう。


「もう!もう一回話すから今度はしっかり聴きなさいね?あなたの隣にいるレオン殿下は舞踏会でも話しかけることのできない高貴なお方なのよ?そんなお方と同じクラスになったからには仲良くなりたいと思う人もたくさんいるわ。それを!あなたが邪魔してはいけないでしょう!?」


「う、うん…」


「だから殿下をいつまでも独り占めしてないで、他の方と交流できるように殿下から離れなさい!」


「あ、それはもちろん。ほら聴きました殿下?他の方と話してきてください」


 聞いたか殿下!もうさっさと他のところに行ってくれ!私は私で他の人と交流を深めに行くから!

 殿下と離れられる喜びからっぱと殿下の顔をみるため振り返る。

 ってあれ?殿下、すっごい楽しそうな顔していらっしゃる…?

 なんだか触れたら面倒くさくないそうだから放っておこう…。

 これ幸いと言わんばかりの私の態度にどうやらカーラ嬢は思っていた展開と違うことに驚いたようで、ポカンとしている。

 こうして見るとカーラ嬢も整った顔立ちしてるよな…。

 こんなふうに私に注意する際に丁寧に理由を話してくれたことから性格の良さも伺える。

 確か殿下の婚約者候補だっけ?もうカーラ嬢で決定してよくない?


「ああ、殿下の婚約者はカーラ嬢でほぼ決定している」


 やっぱり!だよね〜、私も最初はカーラ嬢に呼び出されてめんど…ごほん、貴族って変な人いるなーって思ったけど、他の人だと直接言ってこないで陰湿な陰口とか嫌がらせばっかだから実はカーラ嬢って普通にいい人だと思って…?


「うわああああっ!」


 いたの!?ルイスいたの!?いや、そりゃいるよね!殿下とずっと一緒にいるからね!

 ってそれより!!


「ねえ!それってどういうっもご…!」


「しーっ!静かにして。決まっているとは言ったけど、これはあくまで二人以外の決定で、当事者の二人はまだ知らないんだよ」


「なんで」


「殿下がめんどくさいから」


「は?」


 全く意味がわからない…。確かに殿下はめんどくさそうだけど、それとどう関係するというのだ。

 …あ!


「ねえ、もしかして殿下はカーラ嬢が嫌いなの?それともカーラ嬢の方が殿下のことを嫌い?いや、でもそれなら話しかけにこないよね…」


「…いや、あの二人は両思いだよ。一応」


 パッと思いついたことを小声でルイスに尋ねてみると、ルイスは顔を一瞬青くして、すぐにいつもの無表情に戻してから言った。

 え、てか両思いなの?

 それならさらに分からないんだけど。両思いなら婚約に何の問題もないじゃない。

 う〜ん…。


「分からないなら分からないままでいた方がいいと思うよ。自ら面倒ごとに巻き込まれに行く必要はないんだから」


「?まあ、それなら気にしないことにする」


 そうだよね、今面倒ごとに巻き込まれに行ったら多分私の今の目標「友達を作る」が実行できなくなる!

 …でも、カーラ嬢とは仲良くなりたいな。


「君、今のうちに別の場所に行ってきたら?殿下はカーラ嬢しか見てないから」


「!そうだね、行ってくる!!」


 ありがとうルイス!よし、じゃあ早速話しかけに行くぞ!

 って思ったけど、誰に話しかけに行こう…。

 メリーのところに行くのもいいけど、それだと友達作りはできないよね…。

 そういえば、貴族のお嬢様がすごい目立ってるけど私と同じように平民出身の人も多いんだよね。

 教室をぐるりと見渡してみると教室の後ろの窓側に少し人がいるのが見えた。

 もしかしてあそこにいるのが平民出身の子達かな…?

 よし、話しかけに行ってみよう!


「あの、」


「ひぃ!はははははい!!」


 うん?

 なんか様子がおかしいぞ?

 私、すっごいビビられてる…?なんで?

 いや、うん、もしかしたら気のせいかもしれないしね、もう一回話しかけてみよう。


「あの、」


「すいません!すいません!すいません!」


 スゥーーーーーーーーーー。ふう。


「なんで!?!?!?」


「あ、うん、だよね」


 すごい怯えている子の隣にいた女の子が冷静に呟いた。

 どうやらワラシの反応は間違ってはないらしい。

 そりゃ、初対面でこんなに怯えられたらこっちがビビるもんね。


「ごめんね、この子最初は誰にでもこんな感じの反応なのよ。私はフェルン。よろしくね」


 そう言って優しく話しかけてきてくれたのは銀色の髪の毛を一本の三つ編みに結っている女の子だ。

 え、てゆうかこの怯えてる子誰にでもこうなの?

 思わずまじまじと見てしまう。


「ほらカルタ、自己紹介しましょ」


「う、うん…。は、ははは初めまして、カルタと、申し、ます…!」


 カルタちゃん、自己紹介してくれた…!

 思わずじ〜んとしてしまう…!


「初めまして、私はアイリス・ウェルです。よろしくね」


「知ってるよ、レオン殿下と一緒にいたから目立ってたもの。アイリスって呼んでもいい?」


「うん!あ、私はフェルンって呼んでもいい?てか目立ってたの?私」


 フェルンのナチュラルな指摘に一瞬スルーしてしまった、が!

 やっぱり目立ってたんだ…いやそりゃそうだよね。

 あの注目の塊の殿下と一緒にいたんだもん。

 そこに注目の塊その2のルイスもいれば、ねぇ…?


「あ、言っておくけど目立ってたのは殿下が一緒にいたからだけじゃないよ。アイリス自身も目立ってるからね」


 そうだった!私って特殊な髪色してるから目立つんだった!

 ついがっくりしてしまう…。


「あ、あの私も、アイリスって呼んでもいいですか?」


 自己紹介をしている時からフェルンの後ろに隠れてたカルタちゃんがひょっこりと顔を出して聞いてきた。

 か、かわいい〜!カルタちゃんってなんだか小動物みたいだなぁ〜!


「もちろん!私も、カルタって呼んでもいい?」


「!っう、うん!!」


 目をキラキラさせるカルタ。すっごくかわいい。


 まあ、こんな感じで私の目標「友達を作る」はフェルンとカルタによって達成された。

 あの後殿下がやってくることはなく。午後の授業はこの二人とずっと話していてカルタはだいぶ打ち解けてくれた。

 もう、笑顔を見せてくれるぐらい!

 

 さて、今日はあと放課後のルイスと一緒に料理人のジェイドさんに会いに行くだけだ!

 歓迎してくれると嬉しいんだけど…!

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