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第七十八話 小旅行

朝、目を開けるとつくしの顔が目の前にあった。


昨日、つくしをイジメていたグループとショッピングモールで遭遇してしまいそのままつくしは連れ去られてしまった。

特に暴行とかはされていないと言っていたがイジメられてる側からすれば連れ去られたこと自体辛いことだ。

それだけで十分に暴力だ。


昨夜、寝るのが怖いと言っていたがいまでも気持ちよさそうに寝ている。

俺がいれば安心できると言われたがほんとうにそうらしい。


「つくし、起きろ。朝。」

「ぅん。なあに」

「そろそろ起きてくれ。俺の理性が保たれてるうちに。」


初めてつくしを家に泊めたときもそうだったがつくしは寝てる時になにかに抱き着く癖がある。

いつもは毛布とか枕なんだろうが今回は俺が近くにいたがために俺に抱き着いている。

抱き着かれた状態というのは体が密着してることを指す。


そうなると、俺の右腕につくしの胸のみならず大事なところも触れてるわけだ。

しかも、その大事なところが丁度手に当たるためちょっとでも手を動かすと悩ましいくらいに色っぽい声をあげる。


「そのまま壊しちゃえばよかった?」

「勘弁してくれ。俺はまだパパになりたくないぞ。」


この前期間限定でなったけど...


「そうなると私はママになっちゃうのかな?」

「そうなるな。」

「名前今のうちに決めとく?」

「やめとく。現実になったら嫌だし。」


俺だって男子高校生。

そういう行為に興味があるかと言われば、『ある』と答えるだろう。

それが普通で本心だ。


なにが言いたいかというと。

誘惑をしないでもらいたい。


「青砥君て意外と純粋だよね。」

「純粋な心を極めた男だからな。」

「一生童貞?」


それで今抱えてる問題が解決するなら受け入れるけどな。


「その時は私が青砥君の初めてになるね。」

「お気遣いどうも。」


つくしも起きたことだしそろそろ起きよう。

俺の息子が再び元気になる前に。


俺が下に降りるともうつくしのお母さんはいなかった。


「お母さん朝早いんだな。」

「うん。私が学校にいく時間にはもういないかな。」

「俺の家なんて昼までいたりするからな。毎回起こされて大変だ。」


まあ、母さんが起こさない場合優が起こしに来るんだけど。


「今日はどうする?」

「どうって?このまま帰るんじゃだめなのか?」

「それだと独り占めし足りない。」

「けど、一回は帰らないと制服で遊ぶのはまずい。」


現在の時刻は7時30分。

今から準備して出かけるとなると9時くらいにはなるだろう。

そんな時間に制服でいたら補導される。

祝日なら問題はないんだがな。


「分かった、なら11時に駅に来て。」

「またショッピングモールか?」

「ううん。今日は少し遠くに行こうかなって。」

「分かった。11時だな。」


11時に会うという約束をしてつくしと別れた。


「ただいま。」


俺が家にドアを開けた瞬間ドタドタという朝から近所迷惑な足音がしてリビングのドアが勢いよく開かれた。


「青君!どこいってたの!」

「つくしの家。」

「...つくし?...つくしちゃんのこと名前で呼ぶようにしたんだ...」

「だめか?」

「ううん。別にダメじゃないよ?」

「なら、なぜに目からハイライトが消えてるんですかね。」

「え?そんなことないよ?ただつくしちゃんの家でなにしたのかなーって気になってるだけだよ。」

「別になにもなかった。」

「ホントに?」

「おう、いまだに童貞でございます。」


まったく。なにが悲しくて女子に童貞って言わなきゃいけないんだ。

独身貴族ならまだカッコよかったりするのに。


「俺のこの後バイトだからすぐに出るぞ。」

「そうなんだ。頑張って。」


可愛い幼馴染からのエールなら頑張れそなまんだが生憎、目からハイライトが消えてる人から言われてもやる気なんて湧いてこない。

そもそも、バイトが噓だし。

また、つくしと出かけるとか言ったら絶対についていくとか言い出すし。


たっぷり家で休んで、また着替えて家を出た。


駅についたのが10時40分。

予定より20分早い。

しかし、相手は俺の上をいっていた。


「早いな。」

「30分前に着いちゃった。」


つくしは今から10分も前についていたという

普通は逆のはずなんだが


「少し早いけどもう行くか?」

「うん。行こ。」


つくしは俺の手を取って改札を通った。


「んで、どこに行くんだ?」

「青砥君、いまお金ってどれくらい持ってる?」

「5は持ってる。」

「うん、それくらいあれば足りないってことはないよ。」

「質問の答えになってないんだが?」


「ちょっと遠くに行きたくて。」

「またなんで。」

「誰かと一緒じゃなきゃいけないから。」

「行った先でイジメっこに会ったらってやつか」

「そう。助けが呼べない遠くは私にとって憧れでもあったし恐怖でもあった。」

「お化けが怖いとかなら電気をつけて寝ればいい。けど私の場合、相手が人間だった。」

「それだと昼夜関係なく襲ってくるわな。」

「だからね。一緒に旅行に付き合ってくれない?」


つくしはそいつ等のせいで色んなものを制限されてきた。

けど、俺という少しは頼れる人間が出来たことによりそのやりたかったことをしようとしている。


イジメの件を出された時点で俺は断ることが出来なかった。


「俺でよければ、その旅行に連れて行ってもらえませんか。」

「共に行動することを許そう。」


これってホントに可愛い奴がやると可愛くなるんだな。

龍平にやられると殴りたくなるのに。


「日程はどれくらいだ?」

「今日と明日かな、学校は休めないし。」

「そういうところは真面目だよな。」


明日はバイトが入ってたけど龍平に代わってもらおうか。

早速電話したところ、はじめは「嫌だ」と言われたが「明日は杏奈と2人キリでホールだ」と伝えると


『俺が間違っていた。そういうことなら早く言えよ。』


ということで解決。

店長にも電話して龍平が代わりにでると伝えておいた。


「大丈夫?なんかバイトのことで電話してたみたいだけど...」

「つくしが気にすることじゃない。つくしは今からでも行きたい場所を見ておくんだな。」

「そうするね。」


俺達が出かけた先は電車で2時間近く移動した場所。

特別離れてるというわけではないがつくしからすれば遠いらしい。


「金の持ち合わせを聞いたのはそういうことか。」


目の前には夏休みに泊まった旅館みたいな宿があった。


「うん。ほんとは誘うんだから私が出したほうがいいのかなって思ったけど無理だったんだ。」

「なら、あそこで金がないって言えば解放されたわけか。」

「そうだね。けど青砥君ならそれなりに持ってくるかなって思ったからそんなに心配してなったけど。」


まあ、女子とどこかに出かけるのに金がねえとかカッコ悪すぎる。

それに、別のなにかに使いたいとかそういうのじゃないから問題はない。


「ご予約の風凪つくし様ですね。ご予約はお一人とのことでしたが…」

「すいません、急遽兄が泊まることになったので一人分追加でお願いします。」

「左様でございますか。なら、お部屋までご案内します。」


仲居さんに連れられて部屋まで行く。


「こちらでございます。」

「ありがとうございます。」

「なにかございましたらそちらの内線電話でお知らせくださいませ。」


「意外と広いんだな。」

「これでも1人部屋なんだよ。」

「外見からして結構高いようだったが大丈夫か?」

「ここ、まだ立てられたばっかなだけでそんなに高くないんだよ。」


また過去になんかあったとかじゃないだろうな…

夏休みのやつと同じような感じするぞ。


「あはは...流石にこの前建ったからそれはないと思うけど...」

「今度そんなことあったら俺は参加しないぞ。使えない国家権力にでも頼み込めばいい。」


あれはまだやりがいがあった。

けど、建ったばっかじゃ変な細工は出来ない。

そうしたらもう完全力任せのピッキングか窓を割るしかなくなる。


そんな杜撰な犯行、解く側もつまらない。


閑話休題

「それよりさ、折角旅行に来たんだから遊びに行かない?」

「エスコートは任せていいのか?」

「うん。さっきまでずっと調べてたから任せて。」


そりゃ頼もしいことで。

猪突猛進で無計画な誰かさんとは大違いだ。


風凪の案内のもと俺達は街に出た。

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