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78 親衛隊と代表さん

その後カナさんと話しつつ食べ終えた所でヨミが一人で帰って来る。


「二人は?」

「お返しに縛っておいたわ。後で外すけどね」

「だろうな。俺はそろそろお暇しようと思うんだが」

「ん。カナはどうする?」

「私はもう少しゆっくりして行こうかな」

「それじゃ烏龍は解いて来ないとね」

「ん?なんで烏龍さんだけ?」

「別にウェイトレスは居なくても良いしね」

「だ、大丈夫なのかなヨミちゃん」

「まあ取って食う訳じゃ無いんだし大丈夫よ」

「その発想が出てくる所が怖いわ」

「あら?アンタは取って食う側だと思ったんだけど」

「違うぞ!?」

「冗談よ」


そう言って笑うヨミだったが結構怒ってませんか?

八つ当たりはやめて欲しいです。

帰ろうと会計をしている所でヨミから幾らかのゲーム内貨幣を渡される。


「これは?」

「家を建てた時に余ったお金」

「なんで俺に?」

「それの出所はアンタが獲ってきた素材だからよ」

「ああ、そう言う事か。それじゃ貰っとくよ」

「そうしなさい。無駄遣いは避けなさいよ?」

「……善処します」

「えっ」


レジ打ちの手を止めこちらを凝視するヨミ。

うん、俺、衝動買い多いんだ……。

気を付けないといかんな。

簡単に狩れてしまう装備とステータスのせいで麻痺しそうだ。


「本当に気を付けなさいよ?」

「イエスマム」


気を付けます、はい。


「それじゃカナさん、お先に失礼します」

「うん、またね」

「帰り道には気を付けなさいよ?」

「え、何があるの?」

「さっき掲示板にここにタテヤ君が居る事がバレちゃったみたいで…」

「監視付きになるのは私も予想してなかったんだけど早いわね」

「追っ掛け付き!?」

「そうみたい」

「そうらしいわね。確実にさっきの人たちでしょうけど行くなら急ぎなさい」

「そうするか……。今日は家で大人しくしてるよ」

「ご、ごめんねタテヤ君、私達のせいで…」

「不安なのは私だけかしらね?」

「大丈夫ですよカナさん。でも多分帰り道で絡まれるよなあ」

「無視してもいいのよ?」

「最後の手段だなそれは」

「一つ前は?」

「吹き飛ばす」

「基準がわからないわね…」

「ま、どうにかするよ」

「今度私も部屋にお邪魔しても良い、かな?」

「私も行きたいわね」

「はいよ。適当に来てくれ」

「ありがとう」

「ありがと」

「おうよ」


そう言って扉を開けた先に見える道の向こう。

そこに何故かウチの初期メンバーの名前入りの『親衛隊』と書かれた半被を装備の上から羽織っている集団の姿がそこにはあった。

いつの間に作ったんだろうか。

こちらの姿を確認すると驚いた様子で一斉に武装を構える。

まて、俺を危険物扱いしないでくれ。

しばらく扉の前で固まっていると相手も襲い掛かってこないとわかったのか武器を下ろす。

中央から一人歩み出て来るので俺もそちらに歩き向かう。

緊張した面持ちで俺の前までくると口を開く。


「盾の魔王、君がヨミさんを縛っていたと言うのは本当か?」

「そんな事やったら俺が斬られるのわかってますか?」

「そ、そうか…、すまない。しかし魔王でも勝てないんだなアイツには…」

「ある意味勝てませんね。縛ったのはアイツの友人です」

「友人?…と言うと店の方か」

「ですね。なので俺からはやってませんよ」

「わかった。説明してくるよ」


睨み付きで言ってやると軽く引きつつも納得してくれた様子。

一礼すると後ろに戻って行き説明をしてくれたらしく緊張感が少し減った。

しばらく待っていると今度は困り顔の代表さんがやって来る。


「先程はすまない。それとそちらが良ければ手合わせ願えないだろうか」

「え?」


苦笑しながらそう言ってくる代表さん。


「あまり声を大きくして言えないのだが今ここに居るのは過激派が多くてね」

「代表さんもですか?」

「いや、私はお目付け役と言った所かな」

「なるほど。それで、何故手合わせを?」

「細かく言うと後ろの連中が派手な行動に出ない様に教えてやって欲しいんだ」

「後ろの面々は何て言ってました?」

「『運だけでギルドマスターになった者には鉄槌を!』だったかな?」

「まあ運が多分に絡んでいる事は間違いじゃ無いですけどね」

「そうなのかい?」

「でも頼られた側としてはきっちりこなさないといけませんよね」

「そうだね。頼む事にしよう。タテヤ君、ヨミとその友人達に手を出す馬鹿共を粉砕して欲しい。ただ好意が行き過ぎたからの思考なのは考慮してあげてくれ」

「わかってますよ」

「ありがとう」


そう言って戻っていく代表さん。

戻った所で説明をした後こちらに手招きをして来たのでそちらに歩いて行く。


「『街に戻って噴水広場で倒してやる』らしいけど良いかな?」

「大丈夫です」


≪看破のスキルレベルが上がりました≫

≪鑑定のスキルレベルが上がりました≫

≪識別のスキルレベルが上がりました≫

≪発見のスキルレベルが上がりました≫

≪識別のスキルレベルが上がりました≫

≪発見のスキルレベルが上がりました≫


そう言ってゾロゾロ歩く事十数分。

暇だったので看破と発見を使い素材を拾い識別を使い人とNPCを見分け物品に対し鑑定を発動させまくっているとそれぞれレベルが看破と鑑定は1、識別と発見は2上がった。

素材は大体が雑草と石ころだったが時折薬草の類や鉄鉱石も取れたので収穫は大きい。

その間に魔法技能も見てみたのだが基本4属性は○○バレット系のみ。

光闇の二つにはライトとダークと言う呪文があったが効果は明かりを灯す、周りを暗くする、と言った物だった。

それとキャラスキルで気になっているのが無属性と言うスキル。

説明は魔力を用いる、としか書いていないのだが……。

消費SPが60近く掛かるが優先的に取りたいと思う。

理由はただ一つ。面白そうだから。


そんな事をこなしている内に街に到着し、石畳で覆われた道を戻り広場に辿り着く。

既にギャラリーが出来上がっているのは先程情報が流されたからだろうか。

ウチの戦闘狂二人と兄妹、姉妹にライアさんも居るようだ。

ライアさんのニコニコ笑顔が怖いんだけど何かしたっけ?

ああ、置いて行きましたね、そう言えば。

……あー。後で謝ったら許してもらえるだろうか。


「それじゃ、よろしくねタテヤ君」

「あれ、代表さんはやらないんですか?」

「記録係も必要だからね」

「本当の所はどうなんです?」

「はっきり言うとヨミから『戦うな』って言われちゃったからね」

「え?」


「友人その3、って所かな?」

「あ、なるほど……」


そう言ってにこやかに離れて行くヨミの友人さん。

あの人は内部でコントロールする方針らしい。

なるほどああ言う守り方もあるのか。


そんな事もありつつ広場に集まる。

いつも通り俺は一人。いつになればぼっちから抜け出せるのかな。

相手は3桁。増えてませんか。

どうやら合流したらしい。


≪PvPを申請されています。承認しますか?YES/NO≫


YESを選択。

始まるカウントダウン。


≪ブラックフォレスト親衛隊対プレイヤータテヤの対戦となります≫

≪人数は147対1となります≫


そこはトワイライトじゃないのか……。

さて、どうしようか?

魔法、使ってみようか。

使っちゃおうか。

使っちゃえ!


そこに飛んで来るメッセージ。

なんじゃろか。


『from ヨミ

なんか私の友達から実況映像届いてるんだけど。

やっぱり絡まれたのね…。ま、頑張って。

負けても別に怒らないから安心しなさい。


追伸 負けたら私が斬りに行くから』


誰を斬りに行くんですかね…?

良いタイミングで飛んで来たな。

これは負けるなというお達しか?


なら頑張るとしよう。

変な虫がヨミ達に付かないようにしないと行けないからな!



俺はどうなんだろうかと一瞬思ったが気にしてはいけない。

いけないんです。

次回、魔法弾をばら撒きまくる主人公の姿が!

あるかも知れません。


鑑定 2→3

識別 1→3

発見 1→3

看破 2→3

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