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07 干物とルーネさんと師匠

三日目。


今日は何をやるのかなー。

師匠との組み手はまだ早いよなー。

と思いつつテントから出る。


「おはようございます」

「起きたか」

「今日は別の物が大量ですね」

「暇じゃったのでな」


そう言う師匠の周りには大量の魚とモンスターが打ち上げられていた。

ビチビチしまくってる。跳ねまくってる。若干怖い。


「どうやったんです?」

「ああ、気合じゃ」

「気合って凄いんですね!」

「冗談じゃよ」

「師匠……」

「お主が起きて来なくて暇だったのでな、水中で身体を動かしておった」

「その割には服が濡れていませんが」

「何、男はフンドシ一丁で充分じゃろ?」

「この森のモンスターの強さを考えて下さいよ……」

「水の中でも対応は変わらん」

「そうは言いますが恐ろしくありません?」

「全部一撃で終わるからの、当てれば勝ちじゃ」

「ええ……」

「さて、今日は干物作りでもするかの。手伝え」

「師匠、必要な物は何処から?」

「家から取って来る。その間に出来るだけ準備しておけ」

「はい。襲われたらどうしましょう」

「湖畔は大丈夫じゃ」

「大丈夫なら良いんですが」

「では行って来る」

「行ってらっしゃいませ」

「また後での」


そうして師匠は走り去って行った。

目の前には魚とモンスターの入り混じった山。

水……は目の前にあるから良いとしてモンスターは食えるのかコレ?

名状しがたいモノも居るけど。

まあとりあえず開きまくれば良いか。


腐る前に急がねば。

美味しい干物が待っている。


ただモンスターは解体ナイフで許して下さい。

まだ解体する度胸は無いんです。

さて。干物作り、やろうか。


やり方知らないけどな!


ネットって本当に便利!

ゲーム内からでも普通にアクセス出来る仕様は本当にありがたいと思います。

ただ巧略サイトとかじゃなくて干物作りのサイト見てる奴は普通居ないと思う。

ここに居るけど。


≪解体のスキルレベルが上がりました≫


干物の作り方を見つつひたすらモンスターに解体ナイフを刺す事数分。

塩が無いので魚を開いて内臓を取る所までしか出来ないようだ。


「モンスターはこれで終わり。次は魚かあ、量が多いな」

「手伝いましょうか?」

「ああ、助かりま… え?」


急いで振り向くと弓を携えた女性の姿。

腰には短剣と幾つかの布袋。背には矢筒があるし狩人だろうか。

それにしても一切音が無かったけど歩き方にコツがあるのかな。

考えているとこっちの反応に笑みを浮かべつつ挨拶をされる。


「おはよう!」

「お、おはようございます」

「私は猟師やってるルーネと言います。貴方は?」

「あ、俺は両手盾のタテヤと言います」

「盾?ダンガロフの息子さん?」

「いえ、息子ではなく二日前に弟子入りしました」

「あら、あらあら」


そう言って微笑むルーネさん。

何か繋がりがあるんだろうか。

あれ、なんで師匠の事知ってるんだろ。

弓を背中にしまってから頬に手を当てるルーネさん。似合ってますね。


「それでこの魚の山。これは修行かしら?」

「いや、師匠が暇潰しに取った魚が多かったので干物にしようと言われまして」

「じゃあ手伝っても良いのね?」

「是非お願いします」

「塩はあるのかしら?」

「師匠が家に取りに行ってます」

「じゃあちゃちゃっと捌いて行きましょ!」

「あ、はい」


何はともあれまずは干物作りをせねば。

幾ら初春に近い気候とは言え魚なのだ!

急がねばなるまい!

疑問はたくさんあるけどね!


ルーネさんが敵意のある人だったら?

既に射抜かれてたと思います。

気付かなかったし。


色々教わりながら十数分後。

凄まじい勢いとそれでも崩れない笑顔のルーネさんの手際の良さに若干頬が引き攣りながらも自分も急いで開いていく。

そうしていると草木が揺れる音がしたので振り返ると肩に塩壺を担いだ師匠の姿。


「戻ったぞ。む、ルーネ師匠か」

「お帰りなさい、師匠。ルーネ師匠とは?」

「あら、おかえりなさいダンガロフちゃん」

「え、呼び捨て?ちゃん?」

「ああ、ルーネ師匠は長命でな。今は何歳だったかの」

「ダンガロフちゃん、それ以上言うと射るわよ?」


説明しようとする師匠と笑顔で物騒な事を言うルーネさん。


「あの、どう言う関係なんです?」

「簡単に言うとワシが弟子で」

「私が師匠!」

「師匠の師匠…… つまり大師範!?」


そこまで言った所で頭の中で何かが繋がった。

マズイ!何がかはわからないが非常にマズイ!

何故か最初に弟子かと聞かれた時の笑みが思い浮かぶぞ?

それを見て嬉しそうに笑うルーネさんと顔をしかめる師匠。


「あっはっは!ねえダンガロフちゃん、この子私にくれないかしら!」

「ダメですぞ、暗殺家など。男なら真正面から行かねば」

「なんですかその物騒な名前は」

「猟師は気配を絶って獲物をヤルからだよ?」

「なるほど、それで足音がしなかったんですね」

「ワシも修めておる。お主にもいずれ教える」

「え、師匠も暗殺家を…?」

「そうよ~、私と一緒に獲物を狩りまくってたのよ!」

「まあ、獲物、じゃのう」

「話を聞くのが怖いのですが……」

「それに今は干物が待ってるしね!」

「む、そうじゃった。魚の用意は?」

「モンスターは解体ナイフで終わらせて魚は捌き終わりました」

「よし、塩水を作るぞ。水汲みを手伝え。ルーネ師匠は干す場所を頼む」

「はい」

「は~い!」


師匠と自分は湖に流れ込んでいる川に行き。

ルーネさんは大なべを何処からか取り出していた。

この世界には普通に道具袋があるようだ。


「よし、これで終りじゃの」

「いやー、凄い量になったね!」

「結局何匹取ったんですか師匠…」


魚は四隅と支えの場所に杭を打った後そこに網が張られ、そこに並べる事になった。

壮観である。何しろ量が多かった。

縦5メートル、横15メートルの網だったのだがそれが殆ど埋まる量だった。

生態系が壊れないか不安だ。


「昼からはちゃんと修行じゃな」

「あ、私も教えて良いかしら?」

「それはかまいませんがの、あのやり方はどうかと」

「え?何をするんです?」

「大丈夫!とっても強くしてあげるから!」

「……壊れないようにお願いしますぞ」

「あの、壊れるって、何が」

「やだなー、もうやらないよ!」

「それが不安なのですが…」

「え、師匠、俺どうなるんです!?」

「まあ、頑張れとしか言えんのう」

「師匠!?」

「じゃあお昼ご飯作りましょっか!」

「え、え!?」

「まあ、死にはせんじゃろ」

「死なせはしないよ! 多分!」

「ルーネさん!?」



こうして師匠の師匠、ルーネさんが新たに鍛えてくれる事になりました。

生き延びられるよね……?

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