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63 「ちょっと待ってタテ兄」

まずは六日目の事を詳しく話す事に。


「まず方角を間違えて、を詳しく聞かせて」

「おう。兎、狼と来て次は熊を倒して来いと師匠に言われてな」

「うん」

「それで先生に試しにどっちに行けば熊に会いやすいかを聞いたんだ」

「うん」

「で、熊に会ったは良いんだが他の奴も集まって来ちゃって全部倒す事に」

「うん、タテ兄、普通は逃げるからね?」

「……その発想が無かったわ」

「逃げない発想が出て来ない方がおかしいと思うけど、何を経験してたの?」

「ひたすら一対多数」

「そうだった……」


がっくりと顔を落とすアリス。

それに合わせてミツさんからも質問が飛んで来る。


[先程からお二人だけで理解しているようなのですが何をされたのですか?]

「えっと、簡単に言うとモンスターの大量討伐」

「しかもタテ兄一人で」

[それぐらいであれば然程難しくは無いかと思われますが]

「あ、ミツさん師匠達側だったか」

「二人とも基準がおかしい……」

[私が外で稼動していた頃は日常茶飯事でしたから]

「ミツさん結構修羅の人?」

「……」

[私などあの方々の足元にも及びません]

「先生の友人さんもはっちゃけてそうだなあ…」

「……」

[どうかされましたか?アリス様]

「どうした、アリス?」

「私が、間違ってるのかな?」

[アリス様であればいずれは辿り着けるでしょう]

「だ、そうだ。まだ始まったばかりなんだし頑張ろうぜ」

「タテ兄も手伝って」

「わかってるよ」


そう言うと「頑張る」と決意を新たに拳を握る少女の姿。

うん、平和に強くなってくれると嬉しいな。


「戦った後には何かあったの?」

「うん、色々素材貰った上に特別な刀も貰ったんだけどそれが凄い物でな」

「凄い物?」

「何でも斬れる剣って名前の刀を貰ったんだがその後にな」

「名前、何か違う気がする」

「名前は置いといてくれ。俺が装備したら古代龍の刀になったんだ」

「……どんな能力?」

「即死」

「え」

「攻撃力0だけど何でも斬れる即死刀」

「部位破壊出来る時点で攻撃力が無いとは思えないけど」

「俺も不思議だ」

「うん、ヨミは大変だね」

「今度何か奢ってやらないとな」

「余計に悩む気もするよ?」

「そうか。七日目と八日目は街に来て吹き飛ばしたり街に来て吹き飛ばしたりその後にサッカーをしたりだな」

「タテ兄、軽く言っていい出来事じゃ無いと思う」

「自分でも麻痺してると思ってる」

「昨日は何が起こってたの?」

「起こってる事前提とはアリスも麻痺して来たな?」

「驚くのに疲れただけ」

「まあ昨日は朝からライアさんと一狩りした後に遺跡に連れてかれてな」

「遺跡?」

「古代遺跡。そこで壊れた自動人形を見つけてライアさんから修理を頼まれたんだ」

「ライアさんって凄いね」

「うん。凄いぞ」

「その後は?」

「街に来て、商談をして、冒険者ギルドに行ったらまた一難」

「纏めると?」

「師匠達に渡された紹介状でギルドマスターと王様との会話の後に屋根上爆走した後街の外に飛び降りたらライアさんに巨大パチンコで打ち出されて湖に着弾した後に気絶した」

「……起きた後は?」

「少し昔話をしてまた先生に鍛錬の為に方角聞いたら、なあ」

「もしかして、また?」

「しかも十分の一にステータス落としたまま戦ったけどあれは死に戻りを覚悟したなあ」

「それで今日は?」

「ああ、今日は遺跡で追加の自動人形二人とそこにいるミツさんと戦闘して勝ったから付いて来て貰ったぐらいで特におかしな事はやってないな」

「……タテ兄」

「どうした?」

「少し整理する時間が欲しい」

「お、おう」


そう言って頭を抱えるアリス。

まあ、うん、すまんな。

思えばチャットしている時のヨミもこんな感じだったのだろう。

二日目までは平和だったのにな。

細かい事はヨミに話して貰う事にしよう。


ミツさんが片目に光を点しつつこちらを見る。


[タテヤ様]

「どうした、ミツさん」

[先程の話は本当ですか?]

「自分でも信じられないけど本当の事だ」

[他にも見つけた者を見せてください]

「わかった、今出すよ」


そう言って最初の一人と今日見付けた二人をツタに包まれた状態で出す。


[これは?]

「中に本人とそれぞれの集めた部品とかが入ってる」

[確認致します]

「そう言えば目が見えてないって話だったけど見えるのか?」

[調整の結果片目は見えるようになりましたので]

「いつ頃から?」

[外に出た時より調整は続けておりました。先程背負子がコケた際に視認が可能に]

「なるほど。で、誰か判るか?」

[一人目は1000番台、二人目は№7、三人目は№1ですね。まさか三人も残っているとは]

「他にもミツが居た様な施設はあるのか?」

[幾つかはあると思われますが、場所のデータが御座いません]

「理由は?」

[記憶装置の一部が破損している為データが喪失しております]

「ふーむ、面倒だな」

[彼女達の記憶をサルベージするのがよろしいかと]

「直せはしないのか?」

[今のタテヤ様の知識量では難しいかと思われます]

「そうか……。この状態での維持もしくは回復は?」

[修復は可能かと]

「ふむ、じゃあやってみるか」

[まずは私の身体を直して頂きたいと願います]

「そう言えばミツさん起きてるしの破損箇所が少ないんだったな、中はどうだ?」

[幾らかの部位と伝達系に劣化が見られますが先程の贈り物を用いれば当座は凌げるかと]

「そうか。俺が手伝う事は?」

[先程見えた紙束をスキャンした所ある程度の構造まではわかっているようですので今後の為にも理解される事を望みます]

「外装は?」

[ライア様が施して下さった魔法物質によって大規模な剥離は抑えられています。現状でも今朝の様な戦闘までであれば稼動は可能です]

「アレ以上の動きしてたのか……」

[人には出来ない動きが出来ますので]

「強いな」

[守る為でしたから]

「なるほど」


そこでアリスが復活。


「タテ兄、考えたけど私が悩む必要が無い事に気付いた」

「そ、そうだな」

「とは言え迂闊に話せない事も増えた。どうしよう」

「それについては聞かれたから、だしなあ」

[口封じをされてはどうでしょうか]

「私が言わないようにする為にはそうした方が良いかも」

「物騒だな。それ程の事か?」

[失われた技術の塊や木精、古代龍等と知り合い等の事が国にバレた場合は面倒な事になると思われますが]

「と言うか既に面倒事になってる」

「そ、そうか……」

[常識が欠けていますね]

「うん、タテ兄は色々やって来過ぎた」

「そんなに?」

[話を聞くだけでもそれ程に、です]

「うん」

「そうか……。じゃあ、どうする?」

[私からはアリス様が口を割らねば言いと思っておりますが]

「信じてくれる?」

「そりゃ勿論」

「ありがと」


情報に関しては国のトップにバレたりヨミに話してあったり今さっきアリスに話したりとボロボロだが今更だろう。

まあ、今後何かあれば師匠達に泣きつこう。

コネは大事なのです。


[では、今後の予定ですがタテヤ様はご自分の冒険を優先して下さい]

「え?」

[元々あの場で朽ちるだけだったこの身ですから。それに動かなくなるだけですので]

「ふむ。じゃあしばらくはミツさん達優先だな」

[よろしいのですか?]

「最初から決めてた事だし品物も届いてるし何より断るとライアさんの雷が俺に落ちそうで怖いんでな」

[確かに、怒らせたくは無いお方ですね]

「そんな訳でしばらくは修理方法を読む事からだな……。今日は後でレベル上げに行く事になるが」

[如何な理由で?]

「多少鍛えないと文字が読めん」

[不思議な理由ですね]

「異世界人はここが面倒だ」

「タテ兄、既に色々面倒」

「それもそうか」

「そう」

[では、よろしくお願い致します]

「おう。まあミツさんもゆっくり休んでくれ」

[ありがとうございます]

「うん。アリスはどうする?」

「着いて行く」

「わかった。じゃ、行って来る」

[行ってらっしゃいませ]


そうしてライアさんに会釈した後今度はアリスを背負い屋根上を駆け抜ける。

途中でまた「ゆうか、逢引だー!」と聞こえたが気にしない事にする。

とりあえずはレベリングだな。

ガードも4倍返しも外して受ければ職業レベルも上がるかな?

試してみるか。


その後は目論見どうりに職業レベルが上がった。

ただしダメージを受けないといけなかったので修練の輪装備の上で食らい続ける羽目になったが。

綺麗に2レベル上がった所で言語学を取得。

その辺りでアリスもログアウト時間になった様なので街に戻る。

自分も疲れていた為にそこでログアウトをする事にした。


あ、ミツさんとライアさん放置したまま……。


と言う事に気付いたのはログアウトしてからだった。

まあ、色々話して頭がごちゃごちゃしてたからな。

チャットで整理するとしましょう。


何か忘れてるような気がしなくも無いが、きっと気のせいだろう。

気のせいなのだ。

書いていると思っていた事とは全く違う物であったり考えもしていなかった事をポンポン書いていたりしますが後で頭を抱えています。

纏められる人は凄いですね。

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