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56 続 会話

他の面々は多少落ち着いたようで再びこちらに目線を戻しつつある。

そしてスキルの話が終わる所を待っていたのかカスミからの質問。

ミツさんとライアさんを見ながら言葉を切り出してくる。


「タテヤ、さっきの話だけど修理って?」

「ああ、ライアさんに頼まれた、様な物でな」

「話せないのに頼まれたの?」

「連れて行かれた所で色々聞いたら修理する事になった、かな?」

「それは私も手伝っても良いのかな?」

「どうだろうか、ライアさん、どう思います?」


顎に人差し指を当てて首を傾げられた。

ちょっと悩んでいるみたいです。


「その反応だとまだダメみたいだね」

「行き詰ったら相談するのは許されるかな?どうでしょうかライアさん」


頷かれた。直接触るのはアウトらしい。

相談は良いのか。どう言った基準なのだろう。


「俺が頼まれたからなのかな?」

「信頼されているんだね」

「そうなんだろうか」

「そうだと思うよ」

「なら頑張るからたまに助けてくれるか?」

「そこはギルドマスターなんだしはっきり言った方がカッコいいよ?」

「そうなのか?」

「そうだよ?」


ううむ、じゃあ。


「『我が困難に立ち向かっている時には助太刀をせよ!』とか?」


言った瞬間ヨミが笑いを堪えミツさんが半目になりライアさんが更に首を傾げアリスに右手を引っ張られる。

ライアンとガノンが笑い出しカナミは額に手を当て苦笑しコノハナは「良いロールです!」と叫びカナは笑いを堪えるように口に手を当てアリサは「何で我なのよ……」と言いアデルリットからは「魔王っぽいね」とのコメントを頂く。

その中でもカスミは特に表情を変えないまま次の言葉を言う。


「5点」

「何点中?」

「聞かない方が良いと思う」


絶対低いな……。


「そうか……。まあ俺がダメダメな場合は助けて下さい。お願いします」

「ん、わかった。あんまり役に立てないとは思うけれど」

「……え、どうしろと?」

「一緒に頑張る形?」

「えー…あ、はい」


まあ、いきなり何か出来ると言う事も無いのでのんびり進める事になるだろう。

そもそもいきなり4体とか多いわ。

うーん、どんどん周りに話せない事が増えていく。

あ、話せない事と言えば。


「一つ皆にお願いしたい事があるんだけど」


その言葉に顔を見合わせる一同。その後ヨミに目線が移りヨミがこちらに向き直る。

ヨミが代表して返す形のようだ。助かります。


「何かしら?」

「ああ、うん、俺に掛かってる凄い加護とか持ってる装備とかここに居るライアさんとかミツさんとか師匠達の事は広めないでくれると助かるって話なんだけど、良いかな?」

「装備に関しては誤魔化しようが無いわよ?」

「その辺はもうユニーク装備で押し通す。後はミツさんが自動人形だって事もバレると色々面倒な事になりそうだしライアさんに手を出したら出した連中が壊滅する」

「それでも街中で見られちゃってるけどそれは?」

「メイドを拾ったで押し通す。ライアさんは多分……大丈夫」

「随分ふんわりしてるわね!?」


うん、すまん、でもなあ。


「いや、思えば迂闊な事しかしてないからどうすれば良いかなって」

「……まあ、ミツさんの見た目も今は普通だし識別しても特におかしな点は見られないわね。今は近くに寄らないと隙間から中が覗けないけど多分ツタで巻かれてなかったらバレてた筈よ?」

「うん、すいませんでした」


そこでミツが声を発する。


[私をあの場所に置いておいて後で回収しに来ると言う手立てもあったように思いますが]

「あ」

[そこに居るであろうお方に感謝ですね]

「本当に、ライアさんが居なかったら面倒事になってましたね」

[それに私としてもこの不思議な物体は相性が良いようです]

「何か理由が?」

[先程から欠損部位からのエネルギーロストが抑えられていますね]

「ほほう?」

[ですので今現在も稼動可能と言う訳です]

「あれ?と言う事はリミットはどれくらいですか?」

[修理が無ければ残り一月程でしょうか]

「おおう、急がないとヤバそうだ」

[そうして頂けると助かります]

「努力はしますよ」


情報源のミツさんを直せる方法を一ヶ月以内でどうにか探して来いかー。

多分部分的にでも直すだけでも保つだろうから応急処置の手段探しですね。

ライアさんのツタを流用出来れば楽そうだ。

考えているとヨミの咳払い。あ、ごめんなさい。


「事前に呼んでたこっちの事もあってタイミングが悪かったみたいね?」

「今日も今日とて遺跡とか考えてなかったからな。しかも戦闘だぞ」

「うん、それに聞くとは言ったけどこの爆弾は予想してなかったわね」

「稼働中が居るとは思ってなかったからなあ」

「私の考えは下手に話して面倒な連中を増やしたく無いって言うのがあるわね」

「おお、と言う事は?」

「他言無用にしましょう」

「ありがとさん」

「皆もそれで良いかしら?」

『もちろん』


ヨミが聞けば皆賛同してくれた。ただ結構今後も話を聞かせて欲しい、とだけは言われたのでなるべく話すようにしよう。

共有の秘密が出来たみたいでちょっとワクワクしてます。

火種全部自分ですけど。


「さて、そろそろ俺の新居も出来てるかな?」

「そう言えばメッセージが来てるわね。出来たらしいわよ?」

「え、ホントに出来てるの?」

「アンタの方にも来てるんじゃない?」


通知を確認。

≪フレンドからのメッセージが一件あります≫


送り主はゲンコツさんからで出来たから見に来いとの事。

さっきのメイドに関してはもう少し隠せとの追記。

なんと言うか、ありがとうございます。


「ミツさんをどうにか目立たないように出来ないかってゲンコツさんからの心配メッセージが届いたんだけど」

「まあ、目立つわよね」

[どうしてでしょうか?]

「服、ボロボロですし」

「それにツタの部分も見られると面倒ね」

[どうしましょうか?]

「服を変えてもらうのが一番かと」

「そうね。確かカナミが侍女服を一着持ってた筈」

「え?」


カナミさんを見れば良い笑顔で既に侍女服を出していた。


「幸運にもミツさんの服と似たものがここにありま~す!」

「えー!?なんで持ってるんですか!?」

「自作よ?」

「えっ」

「今回は特別だからね?」

「あ、ありがとうございます」


そう言って服を渡される。

え、何この人凄い。そう言えば魔法剣士って大分難しいんじゃなかったっけ?

普通に凄い人みたいだ。

驚いているとヨミの声。


「後で払っときなさいよ?」

「アッハイ」

[ありがとうございます]

「後はそうね。松葉杖って作れるかしら?」

「松葉杖?多分ライアさんに頼めば作ってくれるとは思うが」

[私の足が無い事を誤魔化す為ですね?]

「そう言う事。頼めるかしら?」

「ライアさん、やってくれますか?」

[私からもお願い致します]


膝の上のライアさんがこちらに振り向いて寄越せのサインをしたので道具袋からいつもの原木を渡す。そうして2本の松葉杖と簡単な義足が作られた。

それをミツさんが受けとり左足の膝から下の見えている部分に付ける。そして松葉杖を両手で抱えれば見た目的には問題が無くなった。


「うん、これで病弱メイドになったわね!」

「ヨミさんもバッサリですね」

[早く直して欲しいと願います]

「責任重大ね、頑張りなさいよ?」

「胃が重い」

[出来る限りのサポートは致しますので]

「それじゃ、行きましょうか」

「新居でなら落ち着けるかな?」

[侍女としても衆目に晒されるのは避けたい事柄です]


ミツさんの言葉にヨミと二人悩む。

確かに目立つ外見だものなあ。


「それならライアさんと手を繋いでみたらどうかしら」

「なんでだ?……ああ、成る程」

[……?説明をお願い出来ますか?]

「ライアさんの気配消しがプレイヤーにも効くのならいけると思うのよ」

「試してみる価値はあるかな」

[仰られている事があまりわかりませんがそこに居るだろう方と手を繋げば良いのですね?]

「そ、やってみてくれる?」

「ライアさん、お願いします」

[では、失礼します]


ライアさんからミツさんの手を握りに行く。

繋がった後からヨミの目が彷徨いだしたので成功したのだろう。

いつの間にか自分の右手を握っているアリスには効いていないようなので加護持ちかライアさんに触れている者は大丈夫なのだろう。


「見えなくなったわね」

「成功か」

[私はこの方と手を繋いでいれば目立たないと言う事でよろしいのですか?]

「そうなるわね。歩くのは平気?」

「二人一緒に背中の背負子に乗せて手を繋いで貰ってそのまま運ぶとかどうだろう」

[そちらの方が助かりますね]

「じゃ、皆で見に行って見ましょうか」

『はーい』


建つのが異常に早いと思うしあの規模だとアレがギルドホームになりかねない大きさ。

扱いきれるんでしょうか。まあ色々誘えば良いか。

それはそうとして。


「ヨミさんヨミさん」

「どうしたの?」

「色々起こり過ぎて緊張してたんだけどあれで大丈夫だったかな?」

「……忘れてたわー」

「うん、すまん、またチャットで纏める事になると思う」

「今日はのんびり出来ると良いわね」

「まだ昼なんですけど」

「……出来ると良いわね」

「ま、見てから決めるわ」

「そうしなさい」

口調ガッガッガ。


1~10話の会話文の隙間を消してみました。

友人とのチャットの隙間はどうするか悩んでいます。

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