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44 説教とガルさんと冒険者ギルド

明日は更新と量が減るかも知れません。

ギルド前の道でこれからの予定を相談する事に。


そこで開口一番。


「いやー、纏まって良かったなあ」

「何が纏まって良かったよこの馬鹿!」


怒られました。


「いや、一応纏めたんだし褒めてくれても……」

「こっちが口出し出来ない速さで終わらせるとか思ってなかったのよ!」

「あっ」

「それに緊張してたんなら言いなさいよ……」

「ごめんなさい」


素直に謝る。


「結果的に上手く行ったから良かったもののもう少し疑いなさい」

「でも人を疑い過ぎると良くないって……」

「ああ言う場では普通はお互いに手探りで進めるものなのよ?」

「ゲンコツさんが良い人で良かったと切に思います」

「まあ今の所は安定して卸せるのはアンタだけだから良いとして何あの好条件」

「ウチのメンバーに良いかなと思って」


そこでカスミも入ってくる。


「タテヤ、さっきの会話の最後は打ち合わせでもしていたの?」

「ん、何が?」

「ゲンコツが今払えないからと言って簡単に技術を売る様だったら今頃ギルドマスターには居ないと思って」

「ああ、払えないだろうなと思ったから先にお願いしたら受けたくれただけだと思う。断るにしても何か付けてくれたんじゃないかな?」


カスミはその言葉に考え込むそぶりを見せた後ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「私で良かったの?」

「色々覚えて貰った方が専属として便利だからなあ」


その言葉に僅かに微笑まれた。


「そう。なら、頑張る」

「よろしく」


これでギルドの方は安心だなー。

なんて思っていると殺気。

受けた方を向くと笑顔のヨミ。


「えっと、ヨミさん、どうされました?」

「……そんな」

「そんな?」

「そんなあやふやな思考でなんてモン取り付けてくれてんのよー!」


怒られました。


「いやいや大事だろ!?ウチの鍛冶師が色々教えて貰えるんだし!」

「そうでなくても優先権とか貰ってるのに全部ノリ!?ノリだったの!?」

「いやいや、俺一人でどうにかなる内は良いかなーって」

「今の内はね……、契約が切れたらどうするつもり?」

「あ」


考えてませんでした。


「……こんの、馬鹿っ!」

「ご、ごめんなさい!」

「あーもう、私が後でちゃんと纏めてくるわよ」

「す、すまん」

「向こうも気に入ってくれたみたいだしどうにかあの内容で続く様にしてみせるわよ」

「ありがたや……」


ため息を吐きつつも苦笑を残すヨミ。


「サブマスターだから予想はしてたけどね。それにしばらくはアンタ忙しいわよ?」

「まあその辺は二時間ぐらいでちゃちゃっと」

「相変わらずの火力ね」

「先生の刀が使いやす過ぎて怖い」

「それを扱えるアンタとライアさんのコンビが怖いわね」

「しばらくはライアさんと狩りをする事が増えると思う」

「はいはい。私達はそれぞれ鍛えたり装備の新調を進める感じね。カスミは色々と大変だけどお願い」


それに頷くカスミ。


「ああ、幸運に恵まれたからには戦力にならないとね」

「これから大量に素材入れるし頑張ってくれよな」

「えっ。……嬉しいけど、困るよ?」

「そんなー」

「アンタの獲って来る量考えなさいよ」

「大半はゲンコツさんの所に卸すから」

「なら良いのかしらね?」

「なら、良いかな?」


首を傾げながらもそれで良いかと言ってくれる二人。

このまま量に麻痺してもらおう。


「それじゃそう言う感じで。二人はこの後どうするんだ?」

「私はこの後戻って細かい打ち合わせ」

「私もヨミと一緒に色々話を聞こうと思う」

「わかった。俺はちょっと冒険者ギルドに行ってくる」

「依頼でも受けるの?」

「そんな所」

「それじゃ行ってらっしゃい」

「行って来ます」

「行ってらっしゃい、タテヤ君」


そうして二人と別れライアさんを連れて冒険者ギルドへ。



「おお、凄いなこれは。ライアさんもそう思いませんか?」


刀を左腰に差したままだったので左手で繋いでいたが思い切り振られる。

おお、テンション上がってますね。でもHPバーが今ので3割飛びました。

驚きです。


北北西に居を構える冒険者ギルドは二棟で片方は元々冒険者が集う酒場だった場所でそこを改築して今のギルドになったらしい。酒場自体は残っており酒場の方は熟練者達が集い二階には熟練冒険者用のカウンターがあるそうだ。

新築の方は新規冒険者と中堅が集う場所で一階に受付カウンターと奥に解体場と素材管理庫。二階は職員フロア、三階に武器や防具、各種回復素材が入った倉庫とギルドマスターの部屋があるらしい。

地下には新人教育用のフロアがあり日々新人が汗を流していると言う。

自分は新人に当たるので新築の方に入っていく。


すると中に居た冒険者達の目がこちらを一斉に向く。ひええええええ!

軽く怯えつつもライアさんに勝てる奴は居ないと思いカウンターを目指す。


すると目の前にカッコいい男が立ち塞がった。

鍛えられた身体に幾つかの重要部位を守るだけの鎧をつけ左腰には長剣。

髪は短く刈り上げられ顔には幾つか傷があるがそれもまた良い味を出している。

良い笑みを浮かべながらこちらに話しかけて来る。


「おお、兄ちゃん新規冒険者か?良かったら俺が鍛えてやろうか?」

「いえ、結構です」

「おや、二人とも強いのかい?」

「ライアさんの方が俺よりも強いですよ」

「ほお、そうかい。でもすまないな、ちょっとだけ付き合って欲しい」

「はい?」

「ごめん……なっと!」

「っ!」


唐突に剣が抜かれ斬りかかられるのをどうにか左手をライアさんの右手から離しつつ鞘に当て上半身を左に捻りつつ右足を前に出し右手を内側に向け刀に手を向けながらも身を乗り出して相手の柄を握っている部分に右ひじを当てに行く。

相手はそれを察すると刀を止め、持ち手の端でこちらの肘を強く打とうとしてくる。

食らうと痺れるのがわかったので急いで手を引き柄を掴むと居合いの要領で曲げた右手を上に伸ばしつつ左手を引き刀を抜く。

抜いてる最中に一撃を貰うが逆に相手の剣を削り取っていく先生の剣。

さすがの斬れ味です。相手はそれを嫌ってか剣を離す。


抜ききった所で構えると相手が剣を降ろす。

困惑しつつもこちらも降ろす。

こちらが降ろしたのを見て相手は苦笑しつつ話しかけて来る。


「すまないな、試すような真似をして」

「びっくりしました」

「最初のあれも寸止めするつもりだったんだが予想外の対処で嬉しくなっちまってな」

「いきなり斬りかかられるとは、初心者歓迎の儀式ですか?」

「ああ、たまに実力も無いのにそのまま狩りに出ようとする奴が居るんでな。中堅と熟練者達でこうやって判断するのが通例なんだ。兄ちゃんは大丈夫そうだな」

「かなり焦りましたけどね」

「不意打ちに対応出来るようにあれ、がウチのギルドマスターの方針でな」

「それなら仕方無いですねえ」

「ありがとうよ。受付はあっちだ、つき合わせて悪かったな」

「不意打ちにも対応しないといけないのは基本だと思い出せましたし良いですよ」

「おお、あんがとよ、兄ちゃん」

「いえ、ではまた」

「おうよ!」


面白い人と出会えたもんだ。

それにしてもいきなりあれって初心者どころか戦い慣れてる人でも対応難しいと思うんですけど。

ああ、緊張しておいて良かった。

そして心臓の鼓動がヤバイです。


早く静かな森に帰りてえなあ……。


そんな事を考えつつも受付の方に行く。

受付のおねーさんは眼鏡でした。やったぜ。


「アルタ街の冒険者ギルドへようこそ!いやあ凄いですね、さっきのやり取り!」

「は、はあ」

「まさかあのガルさんの不意打ちに対応出来る人が居るなんて」

「あ、やっぱり剣速凄いんですねあの人」


実際何時抜いたのか見えなかったし。


「ええ、でもそれに対応されたなら他の方に軽く見られる事も無いでしょう。あ、すいません!本日は新規登録目的でしょうか!?」

「あー、いや、手紙を二通預かってるんですけど」

「紹介状ですか?」

「そうなるんですかね?とりあえず渡します」


そう言って師匠と先生、ケティーさんから貰った手紙を渡す。


「お預かり致します。……えっ?す、すみません!ギルド長をお呼びしますのでしばらくお待ち下さい!」


そこに記された名前と封蝋の印を見て顔を青褪めさせた後急いでバックヤードに駆け込んで行く受付さん。

後ろのフロアに居る冒険者達がざわめきだす。

ああ、胃痛が、胃痛が。

しばらく経つと受付さんが戻ってくる。


「ギルドマスターがお会いになられるそうですのでこの手紙を一緒にお願いします!」


そう言って手紙を返される。


「三階の一番奥の部屋ですのでお間違えの無きようお願い致します」


頭を下げられる。


「はい、わかりました。それじゃ行きますかライアさん」


ライアさんの手を取り階段に向かう。

さて、どんな人と会うのやら。

お偉いさんと会うとか怖いなあ。


そうして注目を浴びつつも二人階段を上るのであった。



最初からあのコントを見ていたせいで師匠達の凄さがわかっていませんでしたね。

うっかりしてました。

あああああああ!

カスミさんの口調が安定しません!

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