39 友人とのチャット 八日目
八日目。
「と言う訳で説明タイムです」
『あの後どうなった?』
「結構平和だった」
『そりゃ良かった』
「メッセージでも送ったがPKは解除されたぞ」
『あー……よかったー……』
「口調」
『おお、すまん。しかしホントに聞いてくれたんだな』
「色々言ってくれたんだってな」
『こっちが捕まらなかったらああはなって無かったからな』
「いやー、まさか解除出来るとはなあ」
『刀装備でまさかとは思ったけど真っ先に刺されるとは思ってなかったぞ』
「なんとなくあの男に抱き寄せられたの見た瞬間何かがプッツンしてなあ」
『おお、期待しても良いのか?』
「ん?色恋沙汰の方じゃないぞ?」
『まあ、そりゃそうか』
「美少女は愛でる者だからな!」
『忘れてたかったんだけどな、その言葉』
「それと売るなら直接言って来いって言う前にキレちゃってたからなあ」
『お前って怒ると無表情になるのな』
「自分でも初めて知ったわ」
『ああ、それと情報版系にお前がサッカーしてる所の動画上がってるから』
「え?」
『ライアンとガノンが撮ってたらしくて『魔王の嫁に手を出した者達の辿った道』ってタイトルで上げられてた』
「うわぁ……。しばらくは情報出さないで良いって行ったのに…」
『まあ距離もあったから詳しい所は見えてない』
「それなら多少は安心か?」
『それと魔王は嫁を殺して遠ざけてから逆らった者を殺し返すって噂が』
「出所は?」
『あの二人』
「よし今度殴っておこう」
『程ほどにしておいてやれよ?』
「その辺はどうにかするよ」
『まあ、色々と感謝してるよ』
「あの後メンバーに説明するの大変だったろ」
『2時間ぐらいは話してたかな……』
「お疲れさん」
『おう。まあ先に話すのもなんだ、そっちから聞こう』
「あいよ。まず朝はライアさんが腹に乗っていた」
『なんというか、通報して良い?』
「俺は何もわるかねえ!」
『冗談だよ』
「おう。で関節を極められていなかったんだ」
『良かったな』
「うん。平和な朝だった……」
『でもどうやって突き止めたんだろうな』
「木彫り熊を辿って来たらしいんだが多分緑龍じゃないかなって」
『辻褄は合う、のか?』
「でまあ街中の散策したかったから散歩をしようと提案した所で呼び出されてな」
『あれはこっちも予想外だった』
「そしてまた誰も1対4桁に疑問を抱いていなかった悲しみ」
『フル装備だし行けるかなーって』
「まさか先生の大盾があんなにハッスルするとは思ってなかった」
『人数増えたのに後衛が昨日と一緒の末路辿るとは思ってなかった』
「なんとなく大壁バージョンって言ったらホントにやってくれてびっくりしてた」
『こっちは開いた口が塞がらなかったよ』
「まあその後は蹂躙した訳だが外見どうだった?」
『二本角が兜から伸びてる鬼の面を着けた鎧武者が走ってたわね』
「おおー、ホントにそうなってたんだ」
『中からはわかりにくいもんな』
「刀振り回してる最中は自分でも攻撃力0なの忘れてたし」
『即死させられていく様は見ていて痛快だった』
「大盾ってなんだろうな」
『定義が壊れるな』
「まあ後は見たままでその後は予定通り歩いてたんだが」
『ああ、アリスから聞いたがライアさんの知り合いだったんだってな』
「おう。実際に師匠と先生達が何やったかも聞けて面白かったぞ」
『おおー、で先生達は何やってたんだ?』
「モンスターの大侵攻を吹き飛ばして仕掛けた国を回復させてから滅ぼして感謝の証にあの森に住む事を提案されたらしい」
『一行で纏めて良い出来事だったのか?』
「この辺はその後のそっちが攫われた事に意識持ってかれてうろ覚え」
『お、おお』
「ただ先生は昔からあのままで師匠も変わらず人が好きなのはわかった」
『良かったな』
「うむ。でケティーさんの話に戻るんだが」
『おう』
「昔冒険者やってたらしくその折に奥に入り込んで大怪我負った事があるらしくてな」
『そこにライアさんが表れたと?』
「正しくは気絶した所でライアさんが先生の所に運んで血をぶっ掛けて貰ってから森の外まで運んで行ったらしい」
『大怪我、ああ、なるほど』
「状態の異常を直すって、凄いよな」
『恐ろしいな。だが凄い。で、どうして気づいたんだ?』
「まずライアさんが気付いて話し掛けて全快の部分で先生の血ポーション渡したらこれだって言われてな」
『綺麗な流れだな』
「正直驚いた。その後はアリスに伝言頼んでテクテクコース」
『それで先生方の所に辿り着いた所で届いたのか』
「ああ。読んだ瞬間キレたらしく師匠達の真剣な表情を見る事になった」
『うわぁ頼もしい』
「それでもなんでヨミが捕まってたんだ?」
『ソロで狩りに行ってる最中に捕まってな』
「ああ、ソロはキツイな」
『死に戻りも出来ないもんだからイライラしたよ』
「遅れてすまんな」
『いや、お前の登場でイライラが心配に変わったんだよ』
「どっちの心配?」
『こっちを捕まえてた男達の心配』
「そっちかー」
『無表情過ぎて「あっ、これコイツら終わったな」って思ったからな』
「何やると思ってたの?」
『こっちが見れない事をするかなと』
「ああ、うん……」
『だからその後急いで皆と向かってライアさんに入れて貰ったんだが』
「あー、だからあんなに早かったのか」
『サッカーの感想はどうだった?』
「俊敏上げて蹴ったらあんな事になるんですね」
『カウンターも発動してたからだと思うが?』
「ああ、気付かれてたのね」
『変な物付けてるなと思ったからな』
「わざと自爆ダメージ発生する勢いで蹴ったら成功してなあ」
『やっぱり攻撃力0のやる事じゃねえな』
「で伝説装備とポーションがこちらになります」
『おいちょっと待て』
「待たぬ!
翔龍の脚甲【両手盾】 品質XX レア度XX
空を翔る龍の脚甲
装備者を何処までも運んでいく
俊敏+600
自己修復【特大】
両手盾職が装備した場合両手盾扱いとなる
超狂走ポーション 品質B- レア度5
効果時間の間俊敏が+500されるが効果が切れるまでにHPとMPを90%失う
再使用時間1分」
『両手盾って、何?』
「店売りの奴は両手で持ってようやく持てる壁、だった」
『壁?盾じゃないのか?』
「大きさがな、壁だった」
『なるほど』
「だから先生とヤクさんに貰った装備一式はやっぱり神話的装備なんだなって」
『本当に凄いな』
「うん。それでまあ後はまた森に帰った訳なんだが」
『そこでリーンさんと会ったのか』
「ああ、やっぱり知ってたのね?」
『一応な。PvPの時はAIさん呼びだったけど。その反応だとお前知らなかったな?』
「そもそも攻略関連の事を一切仕入れて無いからなあ」
『情報は大事だぞ?』
「ですよね。それでしばし問答の後お咎め無しとの言葉と一緒にPK表示を消して貰った」
『理由は?』
「そっちが嘆願したからと実行した相手が悪い、だそうで」
『そうか、本当に良かった』
「で暇だと言われてしばらく話した後分かれたんだが」
『また何かあったのか?』
「いやあ、解除してもらうまで色々考えててそこで座ってた時にリーンさんが来てな。で解決したから走ろうかと思ったんだが」
『だが?』
「テンション上がったライアさんに飛びつかれた時に首極められかけてん」
『……まあ、ライアさんなら、良いか』
「で謝ろうとしてくれたんだろうが背中でぺこぺこされたんだろうな」
『オチが読めるぞ?』
「後頭部に直撃して気絶しました」
『コンプリートか』
「一番平和な気絶の仕方だったけどな」
『平和ってなんだろうな』
「なんだろうか。起きたら膝枕されてて辿り着いてた」
『起きた後は?』
「師匠と先生に報告をして後はのんびり過ごしたよ」
『こっちの方はあの後説明タイム』
「いきなり男性陣も増えて大変だったろ?」
『男手が足りないのはわかってたって案外さっくり受け入れられたわよ?』
「流石に強いなウチの面子」
『それに名前が売れてる二人が入った事で更に戦力も上がったししばらくは大丈夫そう』
「様子はどうだ?」
『二人とも紳士で良かったわー。ってのが感想』
「あの人達は強いからなあ」
『過度に話し掛ける事も無いから普通のギルドに女性が多いぐらいの空気になってる』
「おお~」
『でも一つ問題が出来ちゃってね』
「ん?」
『アンタに挑むならまず自分達を倒せって言っちゃってね』
「あー……」
『で後はPvPのお祭り状態』
「楽しんでそうだなあ……」
『カスミも修復だったり新造だったりと忙しそうだったわ』
「他の面子は?」
『興味深々。魔法で相手をするならどうだとか近接はこうするかとかの相談もしたりそれについて二人に質問したりもしてたわ』
「平和なもんですな」
『ああ、それと生産職ギルドから頼みたい事があるらしいんだけど帰って来れる?』
「ん?なんだ」
『素材の大量調達が出来る人材はそちらに居ないかってお話。まあ実質名指しだろうけど』
「もしかしてカスミさんからか?」
『どうかしらね。戦闘力で期待されたんじゃない?』
「まあ話ぐらいは聞いてみるか」
『ありがと』
「さて、今日はこの辺にするか」
『そうね』
「後最後に一つ」
『なに?』
「口調、忘れてるぞ」
『あっ』
「それじゃまた」
『また明日』
「うーい」
次回。
素材丸ごと持ってった方が高く売れる事を知らされる主人公の図!
予定です。




