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37 ため息と魔王の嫁と加入

駆け足です。

ライアンさんとガノンさんが下がり他のメンバーも見守る中ヨミが目の前に来た。

睨んでると言うか困ってるような怒ってるようなそんな感じです。

やっぱり説明無しで飛ばしたのは不味かったかな?

ジト目をされてます。

おお、怖い怖い。


「おお。無事だったか」

「送り返された後ホームで復活したからね。ステータス異常はあるけど」

「とりあえず来るまで待ってから蹴り飛ばしたんだけどどうだった?」

「私の為にあれだけ怒ってくれるとは思ってなかったかな」

「親友とも呼べるぐらいの友人困らされたら俺はキレる事がわかった」

「それにしても精神崩壊寸前はやり過ぎじゃない?」

「相手の要求全部呑んだ結果蹴るか締め上げるかの二択になったんだよなあ」

「あー……。でもあの蹴りの仕掛けは一体なに?」

「俊敏値が現在二千あるからそれで吹き飛ばして壁にぶつけただけ」

「なんでそんなおかしな事になってるのかはわからないけど凄いわね?」

「アリサから連絡入って10分以内に辿り着ける様に色々したからなあ」

「え?激昂の森って二時間以上掛かるんでしょ?」

「歩いた場合はな。この脚甲俊敏+600あるんだ」

「え?」

「それと超狂走ポーションで+500した後首飾りをつけて二倍にして三千になった後ライアさん背負って全力ダッシュ」

「……また神話的装備とアイテムを貰って急いで来たのね?」

「俺のせいでヨミが迷惑被ったんだから仕方無いと思う。それに渡される予定あったし」

「うん、それでも本当にごめんなさい。その……色々と」

「いやあ、自分でも怒るとあんな風になるんだなってわかったし良いよもう」

「それでも、よ。ああもう本当に何で報いれば良いのかしら」

「どうしようかねえ」

「本当に何も要らないの?」

「これは俺が招いた様なものだし。むしろ余計な事をしたとヨミに怒られるかと」

「まあ確かにPKが付いたのは今後どうにかしないと。でも倒せる奴居るのかしら」

「どうだろうか、この防御力だし」

「ステータスって理不尽よね」

「うん。相手の絶望した顔が酷かった」

「あの笑顔って意識してやってたの?」

「どこ?」

「最後のサッカー辺り」

「ああ、意識してやってたかな」

「こっちまで少しビビッたんだから加減しなさい」

「あ、はい……」

「うん。それにしてもあの連中再起出来るのかしら」

「さっきの連中が居てくれればヨミに謝らせたんだけどなあ」

「え、まだへし折るつもり?」

「いやまあヨミに謝って欲しいなあと。ライアさんには会った?」

「ああ、闘技場の入り口の辺りに居てライアンさんとガノンさんが止められてたから知り合いだって説明したら入れてくれたわよ?」

「ちゃんと入れてくれたのか」

「ライアさんには見せたく無かったの?」

「それもあるけど」

「何か理由が?」

「いやな、待ってて貰う前に『闘技場の外に誰も出さないようにお願いします』って言っておいたんだけど」

「え?……あっ、まさか」

「そう、そのまさか」

「微かに聞こえてくる悲鳴はまさか、よね?」

「まさかだったら良いよねえ?」


二人で目線を向けた先。

闘技場の選手入場口からライアさんが歩いてくる。

その両手にはツタが握られている。

そしてその後ろには先程までここに居た連中がツタで簀巻きにされ引き摺られている。

誇らしげなライアさんの表情と両手で引っ張っている者達の悲鳴とでとてもギャップが酷いです。

頼んだの自分ですけど。


「ライアさんありがとうございます」


親指を立てた握りこぶしをグッ!と突き出される。


「いやあ、ホントに捕まえてくれるとは俺でもビックリですよ」


そう言うとヨミを指差し、次に俺を指差して後はニコニコ笑顔。

なんだろうか。

ん?


あっ。


「えっと、その、惚れてるとかそう言う理由で戦った訳では……」


そう言うと目を見開かれた。

えー。


「えっと、タテヤ?その連中一体どうするの?」

「え?ヨミに謝ってもらったら解放するけど」

「本当に?」

「本当だけど一体何を疑ってるんだ?」

「これ以上酷い事、しないわよね?私助けてアンタがBAN案件とか目も当てられないし」

「えっと、その、既に遅い気が……」

「……そう言えば、そうね」

「まあ主犯格を起こして謝って貰ったらそれで俺は良い」

「私としてもさっきまでの事見ちゃってるから今更怒るのも、ねえ」

「それにそろそろ昼だし飯にしたい」

「……時間の感覚がおかしくなってくる展開ね」

「昨日まではずっとこのテンポでイベントが続いてたからなあ」

「大変ね、アンタも」

「まあこの後は静かになると思いたい」

「うん、それもそうね。終わらせよっか」

「おう。ライアさん!主犯格をお願いします」


そう言ってライアさんが連れて来たのは未だに気絶している最初の男。

頬を数度叩いて起こす。


「ヒッ!ヒイイッ!こ、今度はなんだ!」

「ああ、お前らが攫ったこの少女に謝ってもらおうと思ってな」

「ああ!謝る!謝るからもう蹴らないでくれ!」

「お、おう」

「タテヤ、アンタ……」

「よ、ヨミ、だったか?本当にすまない、魔王の嫁に手を出してたなんて!許してくれ!頼む!」

「なんか、スマンな」

「魔王の嫁扱い……ねえ。ま、良いわ。今後周りに迷惑掛け過ぎない様にしなさいよ?そしたらウチの旦那も怒らないし」

「はい!魔王とその周囲には手を出しません!だから離してくれ!頼む!」

「タテヤ」

「はいよ。あー、お前ら全員分の顔写真やらその他諸々の情報は取ってあるから下手な事はすんなよ?頼むから」

『はい!すいませんでした!』

「よし。ライアさん、解放してあげて下さい」


言うと警戒しつつもツタを解き中身を出してくれる。

HPも回復させてあるとは優しいですね。

そして男達はこちらに怯えつつ去って行った。


「で、ヨミは魔王の嫁扱いされてるけどどう思う?」

「思われてるだけなら良いんじゃ無い?……悪くは無いし」

「助かるよ。……ん?」


そこにライアンさんとガノンさんの声。


「おおい、話は終わったかい!」

「終わったならこっちに来てくれ、話したい事があるんだ」

「あ、はい。わかりました!」

「一体なんなのかしら?」


さてなんでっしゃろか。


お二人からの提案は自分達を宵闇の森に入れてくれないかと言う話でした。

どう言うこっちゃねん。


「えっと、ライアンさんは良いとしてガノンさんはどうしてですか?」

「うーん、タテヤ君居るし攻略するならパーティー組んで貰うのが一番早いと思ってね」

「壁ですか」

「うん。そうなるね」

「ヨミ、増えても良いか?」

「それで恩が返せるなら幾らでもどうぞって感じ」

「ありがとう。メンバーには報酬分使ったって感じで」

「はいはい。別に女だけのギルドじゃ無かったし別に使わなくても良いのよ?」

「まあカナさんとか居るから、な?」

「あー……、そうねえ、そうしておきましょうか」

「ああ、それとこのお願いは二人とも貸しを今使う事で合意してる」

「え、良いので?」

「幾らでも戦える様になるしね」

「さいですか……」

「じゃあライアンとガノンにも送っておくわね。あ、それとタテヤ」

「ん?」

「ギルマス渡すから受け取ってね」

「え?」

「私はサブマスだから大丈夫よ。アンタは旗印」

「ああ、それなら」

「よろしくね、マスター」

「はいはい。ライアンさん、ガノンさん、これからよろしくです」

「よろしくね!」

「よろしく」


≪宵闇の森のギルドマスターになりました≫

≪ヨミがサブマスターに就任しました≫

≪プレイヤーライアンが加入≫

≪プレイヤーガノンが加入≫


「さて、俺はまた森に戻るよ」

「説明は任せておいて」

「よろしく」

「行ってらっしゃい」

「明日にはケティー婆さん連れて戻ってくるかも知れない」

「はいはい。今日は色々ごめんなさいね?」

「まあ、喉元過ぎればなんとやらだし戦力も増えたしな」

「まさか最強二人が入るとはねー」

「なんでやろなあ」

「ま、後の事はチャットで」

「あいよ」

「じゃあまた」

「また後で」


そうして色々聞きたそうにしてる面々を放置しておいて激昂の森にまたライアさんと手を繋いで歩いて向かいました。。

なんで歩いたかって?

色々と起こったので自分の中で纏めたかったんです。

自衛手段、増やさないとなあ……。

それと自分がした事についても師匠達と相談しないとな。

悪人の所業をかました気もするし。

ああ、ホント、疲れた……。

慣れない事はするもんじゃない。


特に怒る、なんて事は。



ま、今日はのんびり師匠達と話しましょう。

それが良い。

主人公、かなり疲れてます。

爽やかな一日とは一体ウゴゴゴゴ。

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