33 世界への喧嘩とお礼と報酬と
戦いも終わったので女性陣の方に合流する事に。
するとAIさんが話し掛けて来た。
なんでっしゃろ?
『タテヤさん、お疲れ様でした』
「AIさんもお疲れ様です」
『それで頼まれていた物なのですが…』
「ああ、やっぱりダメでしたか」
『加護を消そうとすると弾かれまして』
「システムに喧嘩を売るとはさすが先生達ですね」
『こちらとしても実害はあまり無いのでステータス低下の装備を持って来ました』
「おお、どんなのです?」
『装備者のステータスを5分の一にする首飾りです。どうぞ』
「おお、これでようやくダメージを食らえる……」
『普通は喜々として加護を受け入れると聞いたのですが』
「慢心してたら先生達に何をされるかわからないので必死です」
『ではご確認を』
「はい」
さてステータスは。
呪いの首飾り 品質?? レア度??
呪いの掛かった首飾り
装備者のステータスを五分の一にする
やったぜ!
これでどうにかなるんだ!
装備してステータスを確認するとちゃんと五分の一に。
おお、下がってる下がってる。
そして通知。
ん?
≪【古代龍の加護】【ルーネのお気に入り】【緑龍の加護】が適用されます≫
≪呪いが解かれ祝いの首飾りに改名されます≫
≪祝いの首飾りの能力が新規解放されました≫
「え?」
『えっ?』
祝いの首飾り 品質?? レア度??
祝福の掛かった首飾り
new!装備者の全ステータスを二倍にする
……。
…………。
「あの、これはどう言う」
『本当に気に入られているんですね』
目を逸らされながら言われました。
「はい……。とりあえず道具袋の片隅にでも入れて置きます」
『こちらとしても予想外でした』
「迂闊に装備できない物がポンポン増えるんですけど」
『頑張って下さい』
「はい……」
ごめんなさい。
今度怒っておきますんで。
そしてまた何かを失いつつもAIさんが帰って行くのを見送る。
「ねえタテヤ、何貰ったの?首飾り?」
「まあそれは後で話すよ」
「それもそうね。皆!質問はホームに戻ってからでお願い!」
『はーい』
「あ、ライアさんとの散歩の時間……」
「こっちとしても予想外だったし謝らせてよ。それに昨日のお礼も言ってないんだから」
「ああ、そう言えば言われるだけの事したんだっけ?」
「軽く言うわね?」
「今貰った物のせいでちょっと意識が飛び掛けた」
「あんなにハシャいでたのに?」
「加護のせいでな」
「あっ…」
「うん、またなんだ」
「と、とりあえず本拠に来てくれる?」
「そうする。ライアさんもそれで大丈夫ですかね?」
そう聞くとパタパタと駆け寄ってきたライアさんに右手を握られニッコリ笑顔を向けられる。
癒しですね。
でも普通に左手を握って来ているアリスさんはなんなんでしょうか。
顔を向けると首を傾げられました。こっちが聞きたいです。
爽やかな朝……久々に過ごせると思ったのに……。
そして現在右隣にライアさん、左にアリスさん。
アリスさんの居た所にはヨミが座り後は昨日と一緒の状況。
「じゃあ質問タイムといきたい所なんだけどその前にちょっと良い?」
アリサが反応。
「何?ヨミ」
「昨日チャットした後に思い出したんだけどお礼、タテヤに言ったかしら?」
「あ」
その言葉に目を開くメンバー達。
昨日は凄まじくドタバタしてたからな……。
クエスト中も驚かれっぱなしだったし。
そこからは色々言われた。
ヨミからは、「改めてありがとう。と言っても渡せる物が無いのよね」
アリサさんからは、「忘れててごめんなさい。うん、本当にありがとう」
アリスさんからは、「ありがとう。助けてくれて」
コノハナさんからは、「礼を忘れるとは忍者の風上にも置けませんな。助けて頂き感謝します。手伝える事ならなんなりと申しつけ下され主殿」
カナミさんからは、「ありがとう。大変な事押し付けちゃったし手伝える事が有ったら言ってね?」
カスミさんからは、「ありがとう、素材も含め君には頭が上がらないな。礼を言うのが遅れてすまない」
カナさんからは、「ほほほ本当にごめんなさい!助けて貰ったのにお礼の一つも言うの忘れるなんて!」
等々。
「で、お礼の話なんだけど。要る物、ある?」
「……そうか、そうなるのな」
「うん。ネタ知ってる私としては何渡せば良いかで困ってて」
「えーと合計何人ふっ飛ばしたっけ?」
「昨日が285と降参9で今日が1349の合計1643人を二回の戦闘でやってるわね」
「これって何とだったら釣り合うのかね」
「ギルマスを渡しても釣り合わないわね」
「うーん、どうしようか」
「それに装備類とアイテムで返そうとしても、ね」
「なんか、その、すまん……」
「アンタじゃ無かったら頼んでなかったんだから謝らないでよ」
何頼もうかな。
それにしてもあの男共は全部叩き潰して良かったのだろうか。
ううむ、俺だけが話せるのもなあ。
その辺は後にしてまずはこうしよう。
報酬なら聞いて貰える筈だ。
「えーっと、そうだ、じゃあこうしてくれ」
「何かしら」
「男共にもなるべく優しくしてあげて下さい」
「……え?」
「ちょっとこっ恥ずかしい事言うけど耐えてくれよ?」
「ええ!?」
「まず一つ。男はこんな美少女だの美人の集団が居たら声を掛ける勇気が無くても眺めたくなるんです」
「えっ」
「二つ。美少女は愛でるものであり美人は見つめるものなのです」
「……」
「三つ。行き過ぎた馬鹿は潰しても良いですが普通に見守ろうとする奴も居るんです」
「……」
「最後。どちらかと言えば俺も向こう側でした」
「最後で台無しよ!」
「だって俺もチラチラ見てるしバレてるだろうなーと思って」
「いやでもなんでここでぶっちゃけるのよ!……あれ、アンタまさか」
「緊張してます」
「忘れてたわー!」
「いや言ったよな!俺チャットで言ったよな!緊張するって!実際ヨミとライアさんだから耐えられてだけだからな!」
「え、じゃあ私以外だと?」
「ヨミ以外と話すとおかしな口調になるか敬語」
「女子扱いで?」
「……知人扱いで」
「あー…。で、皆もこのお願いはどう思う?」
まずアリス。
「私は元からそこまで気にしてなかった」
続いてアリサ。
「そこは気にしなさいよ……。報酬なら良いんじゃ無いの?やり過ぎた奴ももう出ないだろうし」
カナミ。
「タテヤ君がやってくれたし普通はあんな解決もしないしね。別に報酬じゃなくても良かったのに」
コノハナ。
「タテヤ殿は優しいので御座りますな!しかし褒美でこれとはこちらが心苦しいですな」
カナ。
「えっと…。大半が私目当てだったけど本当にこれで良いのかな?」
カスミ。
「生産職としては作った物で返したいのだが報酬と言われてしまっては仕方無い。ただ個人的に何か返すのは自由だろ?」
あ、別に大丈夫だったんですね。
めっちゃ恥ずかしいです。
「と言ってるけどどうするの?」
「うーむ。とは言え何がしたいとかも無いからなあ」
「別にギルド抜けても良いのよ?引く手数多だろうし」
「ああ、その手もあるのか」
「と言うかすでに勧誘が来まくってるのよ」
「あー……」
「それに昨日今日で手を出したらアンタが出張ってくるギルドって認識になってるし」
「でもなあ、ヨミに言われて来たし特に目的無いんだよなあ」
そこでアリスからの提案。
「タテヤお兄ちゃんが良ければ私達を鍛えて欲しい」
「ちょっとアリス!」とアリサ。
「お兄ちゃん…だと……!?」
「そこに食いつくな馬鹿。で、どうなの?」
「それは構わないがハーレム関連の噂だけはどうにかしたい」
「諦めなさい」
「アッハイ。受けます」
「ありがとう、タテヤお兄ちゃん」
「おお……!」
「タテヤ、あんたまた笑顔が出てるわよ」
「あっ」
励ますように右手を握ってくれるライアさんに涙が出そうです。
それにしても改めて凄い事やったんだなあ。
「じゃあちょっと休憩挟んで質問タイム、良いかしら?」
「おう。昨日の事も説明しないとな」
「そうねー。それじゃお茶要れてくるわ」
立ち上がるカナさん。
「あ、ヨミさん私も手伝います」
「ん、お願い」
そして放置された俺は左手をアリス、右手をライアさんに掴まれたままアリサの視線に耐える事となりました。
つらい。
かなり無理矢理ですがお礼パート。
人数多いと会話させにくいです。
タテヤ は アリス を 装備した!




