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28 終戦とお話と職業レベル

寝る前に思いついてしまったので。

戦闘が終わってからもしばらく無言の空間が生まれていた。

なんでだろうか。

多分俺のせいですね。

やっちまったかな?


ヨミの方を見るとこちらを見て驚愕の表情だったが終わっている事に気付いて声を上げる。


「集団戦は終了!文句ある奴は居る!?」


特に文句は出なかったが先の集団戦で戦った男共は完全に引いている。

「なんだったんだ今のは」「後衛が先に壊滅するとかなんなんだ?」「何が起こってた?」「打ち返したと思ったら魔法職はMP持ってかれた」「投擲は威力上がって返品された」「あの攻撃の正体わかった奴居るか?」「多分だがガードカウンターを自分からクリティカルヒットさせる事であの攻撃を行っていたんじゃないか?」「は?なんだそれ」「ジャストガードってのがあってだな、上手くガード出来れば被ダメが減るんだよ」「ほう」「でカウンターはジャストガードが成功して初めて発動するんだがそれを野球に例えるとバットが盾でボールが攻撃」「飛んで来る球に合わせて打ち返すと綺麗にかっ飛びますってか?」「推測だけどな」「それにしてもあの打ち返し方はどうよ」「豪快だったな」「まさか全列崩壊するとはなあ」「最後の攻撃も良くわからんかったけどな」「大方職務怠慢の上位だろう」「何それ仕事する気あるの?」「防御力を攻撃力に何割か交換出来るスキルでな」「何それ便利」「取得条件がカウンターを発動させまくるだぞ?」「ごめん俺には無理だったわ」「え、じゃあアイツその上位互換持ってるって事は何やったんだ?」「カウンターだろ」「マジかよ…」「見直したわ」「スゲエな」


お、普通に職務投棄の類似スキルあるんだ。

何処かで取れると良いな。



そしてヨミが無傷で残っていた10名ほどをぐるりと見回し一言。


「で、次は一対一だけど……、誰からやるの?」


その言葉に各々目を合わせるも中々一歩を踏み出さない。いや。

一人歩み出てくる剣士がいる。


「俺が出るよ」

「あら、ライアン。居たの?」

「ひどいなあヨミさん」

「まあ良いわ、さっさと負けなさい」

「キッツいなあもう」

「で、あんた達一番手はライアンで良い?」


そう言って一対一所望者を見回し反対意見が出なかった所で声をあげる。


「勝利条件は相手の戦闘不能もしくは降参で付随条件はさっきと一緒」

「俺が負けたら声掛けオッケーのままか」

「勝たせてくれるのかい?」

「般若を起こしたくは無いから勝たせてもらう」

「聞こえてるわよ?」

「ごめんなさい」

「じゃあ送るわね」


≪PvPの申請が来ています。承認しますか?YES/NO≫


YESを選択。


カウントダウンは無いがライアンと二人適当な所まで歩く。

背丈は俺よりも高い。

微妙なリーチの長さに気をつけよう。


「俺はどうすれば良い?」

「こっちとしちゃあ攻撃を受けられたら倍になって返って来るのはキツイねえ。剣でどうだい」

「あの刀即死付いてるけど良いか?」

「えっ、そ、それはキツイなあ」

「それならさっき最後に使った攻撃スキルを使いつつ守らせてもらうよ」

「あの凄い攻撃力かい?」

「防御の代わりに攻撃力が跳ね上がるスキルでね」

「……それは、食らいたく無いなあ」

「それと大盾は使わないが小盾を使わせてもらう」

「うん。わかった」

「ああ、それとカウンターも外しておくよ」

「へぇ…。そりゃ、なんでだい?」

「なんとなく」

「君は面白いなあ!」

「さて。準備は出来たぞ」

「ああ、こっちもオッケーだよ」


そこに響くヨミの声。


「いざ尋常に…… はじめっ!」



「職務投棄!」


装備は?布の服ボロボロバージョンとトレントの小盾二つだけです。

使うスキルも一つだけ。宣言しなくても発動は出来るがなんとなくフェアじゃないと思い言う。

構えは左半身の左前腕に盾を付けて腹の前に置き右は手で持って動かしやすいように脇を開く。


ライアンは剣を抜くとゆっくり近付いて来る。

こっちも構えた状態でじりじり近付いて行く。

お互いに無言。


「シッ!」

「んっ!」


先に動いたのはライアン。

右から左の振り下ろしの一撃に右手の盾でどうにか反応したは良いが右腕を外側に開かされてしまう。

そこを狙った切り上げをどうにか左手で受けると左足を狙った切り落とし。

どうにか後ろに転がって起き上がると目の前に迫る右から左への横薙ぎの剣。

左の盾で受けながら剣を右手の盾で殴り弾き返す。

相手がたたらを踏んだ所でようやく一息が吐けた。


「ホントに変な戦い方するね、君」

「ネタキャラだからなあ」

「え、ネタ……?その強さで?」

「カウンターしかまともな攻撃手段が無いし」

「いやいや待って待って、そんな職業あったっけ!?」

「攻撃力0じゃないと取れない職業だからな」

「え?」

「まあ、本当かどうかはこの戦闘でわかると思うよ」

「まあそれなら良いかな?」

「息も整った。やろう」

「勝ったら教えてもらうよ?」

「ああ」


そうしてまた戦いが始まる。


二発当てれば相手を削り切れる俺と。

五発当てれば勝てるライアン。


当てなければいけない数だけで言えばこっちが優勢なんだろうが剣と言うリーチの差があり上手くはいかない。

序盤で一撃当てる事に成功したのだがそこで畳み掛けきれず慎重さを増されてしまった。

それ以降はこちらが4発食らい現在最後の一撃をどちらが当てるかでのポジションの取り合いの真っ最中だ。


こっちはライアンの左から突撃しようとして。

ライアンはこっちの左を崩そうとしてくる。

そうしてお互い動き回り円を描く事数周。

同時に立ち回り中央に突撃した。


ライアンは突きを選択。

俺は左手で受けるよう身体を動かす。

盾に当たったが重みが無い。

嫌な予感と共にフェイントに引っ掛かった俺を見て勝利を確信するライアンの顔。

でも一つ忘れてないかい?


腕はもう一本あるんだよ?


そうして動きが止まり。

ライアンの身体に深々と突き刺さる俺の右拳と。

左脇腹の布を突き破り後ろに飛び出ている剣。


どうやら勝てたようだ。


≪勝利条件を満たしました≫

≪プレイヤーライアンの敗北、プレイヤータテヤの勝利となります≫


「負けちゃったかあ」

「こっちも負けるかと思った」

「負けちゃったけど職業を聞いても良いかな?答えにくいなら良いけど」

「両手盾って言うそれ武器の種類じゃないのかって職業」

「あはははははは!何それ!」

「全てはドヤ顔の為に……」

「凄い理由だね!」

「ネタキャラですから」

「ああ面白い!良かったらフレンドになってくれないかな!」

「おお、お願いします」


そう言ってライアンさんとフレンド登録。

良いなあ……こう言う繋がりの増え方……。

そしてヨミの声。


「よし!これでライアンはタテヤに押し付けられる!」


ヨミさんヨミさん、そう言うのは聞こえない所でお願いします。

見れば苦笑しているライアンさん。ああ……。


「さて、次に挑みたいのは誰?」

「降参します」

「えっ?」


そう言ったのは一対一勢。

話を聞けばライアンさんがレベル的にも一番強かったらしくそれに勝った俺に勝てるとも思えないと言う。

戦っても良いのよ?

そう言った所「魔王と一対一とか無理です」と言われた。

何故だ。


「じゃあこれで終わりね。男共!条件は覚えてるわね!」

『魔王に勝てるまでナンパはしません!』

「よろしい。じゃあ、解散!」

『ではまたよろしくお願いします!』


そう言って去って行く男達。

なんだろう、なんで最初のナンパ集団になってたのか気になるレベルの統率力なんですけど。

不思議です。


その後ギルドメンバーに絡まれそうになったがヨミと話したいので喫茶店に行く事に。

窓際の二人掛けの席に座り他の面々は俺を監視できる位置に座る。

なんと言うか、信用出来ない奴でごめんなさい。


「まあ色々と聞きたい事がある訳だが」

「じゃあ順番に言ってね」

「最初。なんでケンヤだったの?」

「まさかアンタがホントにタテヤでやってるとは思わなくてねー」

「あー。それは直ぐに確認しなかった俺が悪いな。じゃあ次、チャットの口調」

「両親とか友だちとかに『こんな見目麗しい女の子だってバレたらトラブルの種じゃない!』って言われて男言葉叩き込まれたら変に様になっちゃって」

「あー……。性別聞かなかった俺が悪かったのか?」

「まあ知り合った時のキャラは男だったしそのままズルズルと練習台になってもらおうと思ってたらいつの間にかね?」

「あ、たまに違和感あったのそのせいか」

「そんなところ」

「まあ次。これから何をすれば良い?」

「んー……私達のレベル上げとギルドの資金繰りと素材集めが今思いつく感じ」

「あいよ。ヨミのレベルは?」

「キャラと剣士が15」

「ヨミはレベルと一緒に上がってるのか。俺25レベルなのにまだ盾3なんだけど」

「普通は職業にあった行動をしたり攻撃をすると経験値が貯まるんだけど」

「なんでだろうか。盾を使ってはいるんだけど」

「んー、アンタもしかしてジャストガードとカウンターばかり使ってたりしない?」

「使ってるけど」

「まともに守った事は?」

「受け損ねた時くらい……えっ、もしかして?」

「多分その二つ外して攻撃受け続けたら上がると思うわよ?」

「えっ、マジですか」

「それに今日の相手もアンタのレベル見て職業レベルも一緒だと思ったんじゃない?」

「ん?あれ、それって……。俺にチート技能無いと思われてたの?」


ヒザカラクズレオチルー。

それと同時にチートだチートだで騒いでた自分を思い出して顔から火を噴きそうです。


「多分相手してくれた人達も防御ガン振りだと思ったんじゃない?」

「ああ、確かに25レベルで24レベル分叩き込んだら480でキャラレベル分も足して120の600だと確かにそう思うか」

「それに防御と精神と知力と生命力は外からだとわかりにくいのよ」

「さっきの戦闘中の俊敏はどれくらいに見えた?」

「普通ぐらい。クエストこなしてたら割り振れる分量だと思うわよ」

「そうか」

「でもまあ良かったじゃない」

「ん?」

「加護で悩んでたんでしょ?」

「まあなあ。今日の朝で合計600増えたし」

「BP割り振らなきゃいずれ周りが追いついてくるからさ、頑張りなさい」

「おお……希望が見えてきた」

「でも加護合計2400って同時レベルアップの最短でも96レベルなのよね」

「ゴフゥ」

「まあいつかは追い付けるしさっきAIさんと話してたの加護関連でしょ?」

「加護の効果相殺してくれる装備を頼んだ」

「アンタも素直に効果受け取らないのね」

「慢心したら次に会った時に師匠達に半殺しにされそうだから割と必死」

「今日も何かあったの?」

「先生とアルさんに腕ひしぎ十字固めと四の字固めを食らってHPが残り5%になった」

「うわぁ…、アンタ良く生きてるわね?」

「手加減が上手いんだと信じたい」

「大変ね……。で、話はこれぐらい?」

「おう。この後は?」

「ギルドホームにご招待」

「ギルメンなんだけどなあ…」

「受け入れられなかったら一軒家どうにか確保してね」

「悲しいなあ」

「ま、どうにかするわよ」

「まあ男一人で入っても辛いだけだしな」

「確かにそうね」

「ヨミさんや、もう少し気遣ってくだされ」

「タテヤさんはもう少し気遣いを覚えましょうね?」

「すいませんでした」

「よろしい」



加護関連で悩む事が少なくなりそうで少し気持ちが楽になった。

いやあ、知らないって怖いねえ!


泣きたくなりました。

キャラのレベルアップだけじゃ序盤で激昂の森はキツイです。

主人公はひたすらジャストガードで被ダメ自体を減らしていたので経験値が禄に入っていません。


なのでレベルアップにしか慣れていなかった為に加護関連で異様に焦ってます。

知った所で96レベル分のポイント割り振ってしまった事に代わりは無いのですが。

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