表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/162

24 友人とのチャット 六日目

六日目ログアウト後。


「なあ、ちょっと聞いて欲しい事が」


『オイ』


「ん?」


『今日起こった事、洗いざらい、吐け』


「アッハイ」


『それで良し』


「今日はまず膝枕からのスタートでした」


『ほほう?また垢BAN案件か?』


「ルーネ先生は薄いから胸に埋もれるハプニングは無いぞ?」


『チッ』


「それでも美人なので心臓バクバクだった」


『で、気絶は?』


「今日は無かった」


『良かったな』


「うん」


『起きてからは?』


「師匠に挨拶して朝食取ったらポーション瓶に入った何かを大量に渡されて送り出された」


『熊か?』


「熊。自分としては数匹倒せば良いかなって思ってたんだけど」


『……で、見つけた後は?』


「まあ最初は一匹だったんだよ」


『最初は?』


「次にソイツが吠えてな、熊が増えた」


『……』


「戸惑ってたら追加分も吠えやがってその結果モンスターが大量にやってきてなあ」


『オイ』


「ん?」


『と言う事はあれか、本当に一人でイベント終わらせたのか?』


「やっちまったっぽい」


『この軽く言ってのける奴を罵倒すれば良いのか怒れば良いのかわかんねえな…』


「あれ?そう言えばなんでクリアしたの知ってるんだ」


『今日の昼頃にいきなり通知が来たんだよ』


「ああ、倒し切った時間だな」


『マジかよ……』


「その後は色々あって何も知らないんだけどどうだったん?」


『公式HPにイベントクリアの告知と討伐数と戦闘動画が貼られてた』


「おお、仕事が早いなあの人」


『あの人?ああ、AIと喋ったのか』


「そうそう。それでその後は?」


『まあ掲示板はかなり荒れた』


「あー……」


『幸運にもこっちで得られる情報でダンガロフさんがその装備をしていたって記述があったから本人だと思われてる』


「おお、良かった」


『まあ半信半疑なのも多いけどな。若過ぎるって』


「あー…」


『オレの場合はお前の話聞かされてたからな』


「確信は何処で?」


『さっきの熊追加で』


「でしょうね」


『それにしてもお前ホント何やってんの?』


「兎殴って狼吹き飛ばしてトレント跳ね返して蟻に穴を空けて熊を倒した」


『端的に纏めるとそうなるけど怒って良いか?』


「許してつかぁさい」


『そもそもなんでイベントに一人で挑んでんの?』


「それがな、送り出された方角がイベントマップの方角やってん」


『は?』


「で、熊が一匹出たからこれ幸いと戦おうとしたら……」


『結果4桁のモンスター倒したのかよ』


「気付いたら倒してた。俺は悪くねえ!」


『まあ悪くは無いけどなあ……』


「あ、そう言えば思い出した」


『あ?まだあんのかよ』


「師匠と先生居るじゃん?」


『おう。何かわかったのか?』


「今回のイベントのお助けキャラだったらしい」


『ほう』


「で、ラストに熊達居たじゃん?」


『居たな』


「二人はあの状況で熊達を倒せるよう手助けしてくれる予定だったらしいんだが」


『手助け?お前の装備と修行内容…… おい嘘だろ?』


「多分俺が熊を倒せるようにしてくれたんだと思う」


『ラストの大熊の前に使ってたのは?』


「先生の血。状態異常全回復HP全回復MP全回復再使用一分の代物」


『どれだけ持ってた?』


「大量に。正規だと多分介入時に配ってくれたんじゃないかな」


『お前本当に何やってんだ……』


「自分でもわからん。まだ最初の町に辿り着いて無いからな?」


『そう言えばそうだったな』


「許しは出たから明日行けると思う」


『装備はどうにかしろよ?』


「イエッサー」


『で、次は?』


「イベント報酬の話になったんだが」


『要るのか?』


「そこでAIさんも戸惑ってたけど一つユニーク装備を貰う事になった」


『ふむ』


「なんでも切れる剣って名前の刀」


『は?』


「うん、名前に困惑したけどマジやってん」


『お、おう』


「で説明文が何かで作られてて切れ味は鋭い。攻撃力は0、自己修復大、品質B、レア度4」


『ユニーク装備っぽいな』


「まあ文面はそれで良かったんだけどな?」


『また問題か?』


「鞘も柄も刀身も全部真っ白だったんだ」


『……ああ、あれか。またあれか』


「うん。

≪古代龍の加護を確認≫

≪なんでも切れる剣の能力が解放されました≫

≪何でも切れる剣が改名され古代龍の刀となります≫

の通知が来た」


『また先生かよ!』


「でこうなった。

古代龍の刀 品質XX レア度XX

古代龍の牙で作られた刀

装備者の敵を切り裂き続ける

攻撃力+0

new!自己修復【特大】new!即死【特大】」


『全種類揃いそうだな』


「今でも言ってくれたらあげるよー!って言われてるから……」


『お、おう』


「でその変化に困惑してるとだ」


『奇襲でも食らったのか?』


「敵意の無いツタに首から下を包まれててなあ」


『なんだその状況』


「首から下が動かせないけどカウンターは発動してなかったから良い人なのを期待して状況に流される事にした」


『色々早いな』


「さすがに戦闘直後にも色々あったからな」


『朝から戦ってたらさすがに頭も鈍るか』


「そんなとこ。ツタのベッドも気持ちよかったし疲れてたし寝た」


『ああ、なるほど』


「起きたら洞窟っぽい所で女性と男性が居て女性の方が先生っぽくて男性が師匠みたいなポジションでなあ」


『なーんか嫌な予感がするぞ?』


「女性が口を開いてまあまずは森を守った事を褒められた訳だ」


『確かに凄い事やってるからな』


「それで褒美をくれると言うんで近付いて行ったんだよ」


『おお、どんなの貰ったんだ?』


「試しに片膝付いて拝謁姿勢したら頭の上に手をかざされてな」


『あっ』


「緑龍の加護を貰いました」


『愛されてるな』


「いつかどんでん返しが来そうで怖い」


『そうしようとする奴はルーネ先生が笑顔で倒しに行きそうな位に愛されてんな』


「何処でフラグ踏んだんだろうか」


『熊だろ』


「やっぱ熊かぁ」


『貰った後は?』


「先生宛に会いに来るようにって言う伝言頼まれてまたスヤァからの運搬」


『色々ツッコミたいが内容が濃過ぎる』


「起きたら湖のほとりで寝転がってて横にツタベッドがあったから回収して帰還」


『寝心地良かったのか?』


「良かった。で師匠と先生達に待ってた間の話を聞いて夕食食べつつ今日の戦闘を話して寝たのがついさっき」


『明日の町行きは何時くらいになりそうだ?』


「一応午後過ぎにはこっちを発ってると思う」


『りょーかい』


「いやあ、ホント俺って何やってんだろうね」


『うっかりクリアとか何の笑い話なんだって話だけどな』


「ですよね」


『今日の分は終わりか?』


「おう。そっちはどうだった?」


『また一人増えてな』


「そっちもそっちで面白い事になってるよなあ」


『長身引っ込み思案の狩人』


「なんと言うか不安になるな」


『青髪ロング碧眼美人』


「何それ見てみたい」


『人数も増えたしギルド作成はこれで確定』


「おお~」


『今日は3、4で分けて資金稼ぎ』


「あ、合流したら俺が倒した分の素材渡すよ」


『良いのか?』


「使わないしな…」


『RPGの醍醐味を失い掛けてるよな。どうせなら最低ランクの装備でも作って地道にやるか?』


「ああ、カモフラに良いかも知れないな」


『そうしないと一日で特定されるぞ?』


「ですよね」


『それで狩りをしてたんだが』


「何かあったのか?」


『まあ今日も絡まれる訳よ有象無象のチャラ男達に』


「う、うわぁ……」


『PKしようと思う程イラつく訳じゃないけどそれでも面倒くさくてな』


「お、おう」


『まあPvPでボコボコにした』


「恨まれないのか?」


『ドS俺っ子美少女萌え~!とか言ってたし大丈夫じゃないか?』


「お、おお」


『ああ、今日は少し激昂の森に踏み入ってみた』


「大丈夫だったか?」


『今の武装だとかなりキツイな』


「防御60の俺で兎一匹に瀕死にさせられたからなあ」


『あの時は何やってんだって言いたくなったけど誇張じゃ無かったんだな』


「しかもその感じだとまだ激昂してないんだろ?」


『これ以上火力が上がるとなるとゾッとするよ』


「まあ手伝うよ」


『お前一人で殲滅してそうだから信じにくい』


「そんなー」


『冗談だったら良かったんだけどな』


「まさかこうなるとはなあ」


『初めて6日でレイドボスソロ狩りとか何してくれてんの?』


「送り出された方角に文句を言いたい」


『まあ文句は明日に纏めるとして…』


「怖いんですけど」


『お前がやった事を振り返ってみろ』


「ごめんなさい。あ、そうだ聞いておかないといけない事が」


『なんだ?』


「ゲーム内の名前。結局見つからなかった」


『……あ、あー、あー。ヨミだよ』


「おう、明日ログインしたら申請する。なんで偽名?」


『からかい目的で言ったし次の日には速攻言って来るかと思ったら言われなくてそのまま忘れてた』


「男だと思ってたしネタプレイするなら被るかなあと思ってた」


『お前……』


「聞きたい事はそれだけなんだが待ち合わせはどうすれば良い?」


『フレンド間ならメッセージ送れるし町に着いたら連絡入れろ』


「はいよ」


『今日はお前のせいで疲れたわ……』


「すまん」


『この恨みは明日晴らす』


「ガッデム」


『ま、来たらよろしく』


「よろしく頼む」


『美少女だらけだからな、緊張するなよ?』


「……」


『え、お前まさか……』


「緊張、せずにはいられない!」


『マジかよ!』


「まあどうにかなるでしょう」


『なると良いな』


「聞いてくれてサンキュ」


『おう』


「それじゃまた明日」


『また明日』

遂に町です。

掲示板は攻略組が阿鼻叫喚でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ