表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/162

21 膝枕と怒れる熊と天運

六日目。


今日はどうやら乗られて居ないようだ。

ただ頭の後ろが暖かい。

枕なんて使ったっけ?


「おはよう、タテヤ君」


「あ、おはようございます、せん、せい……?」


何故か目の前に逆さまになった先生の顔があった。

テントの入り口から入って来ている光で陰影のコントラストが描かれており神秘的だ。

わー、めっちゃ美人ー。

心臓が一気にバクバクして来ましたよ?

見れば頬の横に手が当てられており動かせない。


「この状況は一体」

「ん~ふ~ふ~、ひざまくらっ!」

「は、はあ……。起きても良いでしょうか?」

「もう少し楽しみたかったけど…」

「俺の心臓がバクバク言ってるので許して下さい」

「おお!そっかそっか!じゃあ仕方無いね!」


嬉しそうにはしゃぐ先生から許しを貰ったので身体を起き上がらせる。

そう言えばなんだか身体の調子が良いようだ。

なんなんだろうか。


二人揃ってテントから出ると何やら大量のポーション類を袋に詰めている師匠の姿。


「起きたか」

「おはようございます、師匠」

「今日は寝なかったわ!」

「ルーネ師匠……」

「それで師匠、そのポーションの山は一体」

「ああ、昨日でお主がそれなりの数に囲まれても大丈夫だと判断したのでな」

「今日は一人で熊を探して倒して貰う事にしたの!」

「え、師匠達の見守り無しですか?」

「いずれはそうなる。早まっただけじゃ」

「友人さんにも早く会わないと駄目だーって昨日言ってたから二人で考えたんだー」

「と言う事は」

「このポーション類を持って行って夜までにはどうにか帰って来い」

「一杯倒して経験を積んできてね!」

「そうなりますよねー……」

「ステータスの加算も変更も解禁じゃ。倒して来い」

「私からの装備もあげようか?」

「もうお腹一杯です…」

「まあ、どうにかなるじゃろうて」

「頑張って来てね!」

「はい。あ、その前に」

「なんじゃ?」

「なにかな?」

「朝食を貰っても良いですか」

「ああ、そうじゃの」

「忘れてたわね!」


そうして魚と肉を食べた後道具袋内にごっそりポーションを入れて。

ステータスのBPは全て防御力に叩き込む。


結果防御が890になった。

これにガードを発動すれば979になり職務投棄を使うと防御0の攻撃979の格闘家が完成する。

しかもHPもMPも回復するわ属性攻撃も状態異常も効き難いわのエグイ装備付き。


やっちまったな?


と言うかこれどうやって隠そうか。

隠せそうに無い。


SPは欲しいスキルが無かったので放置。

俺のレベルも地味に2上がっていたのだが大量に倒した筈なのに何故遅いのだろうか。

今度聞いてみよう。


「よし。防御力もおかしな事になりましたが準備が出来ました」

「ルーネ師匠……」

「ま、まあいつかは私達クラスと戦う事になるじゃない?」

「え、師匠達レベルの人と戦うんですか…」

「また私の矢を食らってみる?強さがわかるよ?」

「遠慮したいです!」

「お主ならいつかはルーネ師匠の全力を耐えられるようになるじゃろうて」

「師匠!?」

「いつかだから、ね?」

「は、はあ……。いつか、ですか」

「そう!」

「まあ遠い夢は置いておくとして、まずは目先の事をやって来ると良い」

「はい。行って来ます」

「行ってらっしゃーい!」


そうして師匠達と別れ、初めて一人で森に入った十数分後。


「ガァァァァア!!!」

「出て来るのはえーよ!」


激昂熊と出会っていた。



自分が師匠と出会う切っ掛けになった激昂熊が目の前に居る。

熊はやはり大きく、見上げなければ顔が見えない。

巨大な物と戦う事に対し防御力では問題無いと頭では解かっていても身が竦む。

心臓がバクバクし歯の根がかちかちと鳴り出す。

これはゲームだとそう自分に言い聞かせるも身体の強張りが解けるまでは多少時間が要るだろう。

これが他の大型モンスターだったならまだ良かったのだろう。

しかしいかんせん熊と言うのがいけない。

それとゲーム開始数十秒で遭遇して倒したのがいけない。

目の前を転がっていった砲弾の事は忘れていません。


熊怖いっす。


しかし熊は待ってはくれない。

唐突に目の前の奴が大きく吠えるともう二匹が森の奥からのそのそ歩いて来て…っておいちょっと待てやコラ。


兎以外鳴く奴は仲間呼ぶのかよ!

あっちょっ他の奴も吠えんな!

兎と狼が出て来たじゃないか!

後なんか木?あっトレントか!?

あ、あれはアリ!?アントか!?

全部激昂してるし俺一人に対して何たる過剰戦力!


やめろよ!今ぼっちなんだよ!

ええい!やってやる!やってやるさ!

生き残ってやる!



「さあ来い!  ぬわーっ!」



だからなんで一斉に飛び掛ってくるのさお前らァ!



「ガード!砦盾!職務投棄!」


もうどれぐらい戦っているだろうか。

兎と狼は一発か二発で倒せる火力になって居たので吠えようとする狼を優先して潰して行く。

トレントは固かったが動きが遅いので勝手に高攻撃力をカウンターで反射し自滅させる。

アリと言うかアントは口を殴ったらめり込んで頭部を貫通しそのまま動かなくなったのでそうした。

熊が吠えるのは中々止められないがそれでも腹パンを地道に叩き込み転がって避け続ける。

装備は左上腕から左前腕に大盾を移し右手で対処するのが基本になっている。

その状態で砦盾を展開した所背中側にだけ板群を展開し背後を気にせず戦える様になったのが大きい。


何この盾賢いなー。


そう思いつつも熊パンチの直撃で2割飛ばされるのはどうかと思うんだ。

回復と言うか回収出来てるから良いけど。

ただMPの回収が面倒である。

角付き狼ぐらいしかMPタンクが居ないので微々たるMP消費スキルとは言え辛い。

まあ吠えられたくないので殴るんですけどね。

それでも増え続けるモンスター達をどうにか対処し続けて。

そうして何匹殴ったかを数えるのも面倒になりそれでも殴り続けた結果周囲に兎と狼とその他諸々の小物の山。

さて一息吐けるかと周りを見回すとえらい事に気付く。


熊、増えとる。


熊が10匹程に増え、更にその後ろにメッチャデカイ熊が鎮座なされていた。

ラスボスだな!?

ふ、ふふふ、良いさ、やってやるよ、やってやるさあ!

絶対生き残ってやるさ!



「さあ!最終決戦だ!来い!  ぬわーっ!」



だ、か、らあ!なんで一斉に飛び掛ろうとしてくるのさ君らァ!



そこからは酷かった。


さすがに防御0にしたら直撃一発で消し飛ぶのでガードを発動して砦盾を使いつつじわじわカウンターで削って行く。

ラスボス熊さんは動かないがそれでも普通熊の数が辛い。

生き残れているのはやはりルーネ先生の装備のお陰と言う他無いだろう。

手数が足りなくなって来たので咄嗟に砦盾を発動した状態で背中に背負ったら面白い事になったのだ。

板群が追加展開されて籠手以外の部分をまるで鎧のように覆っていきそこで固定されたのだ。


何この盾スゴイナー。


そう思いつつも熊パンチに合わせてカウンターを叩き込みながらじりじり削って行く。

状態異常も発生している筈だがどうも発生している数だけ激昂状態の攻撃力に補正が掛かる奴らしく火力が上がった。

なので発生した奴を優先的に職務投棄を一瞬発動させて葬っていく事十数匹。

なんで増えてるかって?

吠えられました。

角付きも居たし泣くかと思った。


「やっと……ラストだぁ……」


そうしてようやく目の前のボス熊さんだけにした訳ですが。

幾ら軽減出来ていたとは言えそれでも手数があり地道に削られ続けHPバーが残り3割。

MPバーに至っては1割。

どうしましょうかね。


そこでポーションの事を思い出す。

大量に貰ったのを一つ見てみるとこんな効果がありました。



古代龍の血 品質XX レア度XX

古代龍の血

飲んだ者の全てを回復させる

状態異常全回復 HP回復100% MP回復100%

再使用間隔1分



あらやだ師匠達超過保護ー!


でも今はありがたい。

頑張れます。


よっしゃ行くぞオラア!


ボス熊さんが立ち上がる。

10メートルくらいだろうか?



「よっしゃ来い!  ひぇぇえええ!」



でも怖いものは怖いよね!


熊さんとの戦いは色々大変でした。

叩きつけと引っかきと押し潰しを多様する熊に対しカウンターを当てる事でじわじわ削って行く。

体格も大きいので結構楽でした。

しかし熊のHPバーが三割を切った辺りから様子が変わる。

まず3メートル程に小さくなりました。

そこで嫌な予感を感じ気を引き締めたのが大正解。


まず素早くなった。次に攻撃力が据え置き。つまり。

めっちゃ強い。



そこからは酷かった。


状態異常を食らわせると火力が上がるので砦盾を展開出来ず籠手のみで戦う事に。

直撃されるとこの防御力でもかなり削られる事がわかっているので必死である。

ポーションとか使ってる余裕、無かったです。

それでも華麗なステップを使い突っ込んでくる熊さんをいなし続け。


瀕死の熊の頭蓋に籠手を叩き込み頭蓋を割った感触がした所でHPバーを割り切った。


あれ?



≪激昂角熊の毛皮を入手≫

≪激昂角熊を判別出来る様になりました≫

≪静かなる怒れる熊の爪を入手≫

≪静かなる怒れる熊を判別出来る様になりました≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪レベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを5点獲得≫

≪スキルポイントを5点獲得≫


≪職業レベルがレベルアップしました≫

≪ボーナスポイントを20点獲得≫

≪スキルポイントを20点獲得≫


≪スキル【ガード2】を取得可能≫

≪スキル【ガード3】を取得可能≫

≪スキル【フォートレス2】を取得可能≫

≪スキル【挑発2】を取得可能≫

≪スキル【炎の盾2】を取得可能≫

≪スキル【水の盾2】を取得可能≫

≪スキル【風の盾2】を取得可能≫

≪スキル【土の盾2】を取得可能≫

≪スキル【毒の盾2】を取得可能≫

≪スキル【麻痺の盾2】を取得可能≫

≪スキル【睡眠の盾2】を取得可能≫

≪スキル【混乱の盾2】を取得可能≫

≪スキル【暗闇の盾2】を取得可能≫

≪スキル【鉄の盾】を取得可能≫


≪スキル【倍返し】を規定回数使用しました≫

≪スキル【倍返し】が上書きされ【3倍返し】になりました≫


≪称号【兎殺し】を獲得≫

≪称号【狼殺し】を獲得≫

≪称号【トレント殺し】を獲得≫

≪称号【蟻殺し】を獲得≫

≪称号【熊殺し】を獲得≫

≪称号【モンスタースレイヤー】を獲得≫


≪イベント『激昂の森の大侵攻』をクリアしました≫

≪ボーナスポイントを80点獲得≫

≪スキルポイントを80点獲得≫


≪称号【神運の持ち主】を獲得≫

≪称号【龍に愛されし者】を獲得≫




イベント、クリアしちゃいました。


あっれー?

行った方角が悪かったようで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ