表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/162

19 移動陣地とシールドチェンジと激昂角狼

≪砦盾を移動可能にしますか?YES/NO≫


移動出来るんかい!



「む、どうした?急に黙って」

「どうしたの?」

「いえ、あの、移動出来るようになるそうで…」

「なぬ?」

「やっちゃいましょ!」

「とりあえずやってみますね」


YESを選択。


≪変形を開始します≫

≪移動中は切り離す事が出来ません≫


まず円の後ろが開かれ前に動いて行きそのまま大きな半円を描く。

そして一段目は高くなり二段目は隙間に新たな板が展開され上部を内側に軽く湾曲させて行く。

正面には新たに板が展開され分厚くなり俺の目線を塞がぬようスリットが開いていた。

上から見た形は三日月型だろうか。


≪変形を完了しました≫


変形が完了した盾を持ち上げてみる。

重さを感じないのは何が働いているんだろうか。

ともあれこれで全自動迎撃移動陣地が完成した。


盾ってなんだっけ。


「これまた凄まじいの」

「後ろがなくなって横幅が広くなってるね」

「あ、師匠、先生。これホントに貰って良いんですかね?」

「ルーネ師匠」

「問題無し!」

「いつかは返す事になっちゃいますが」

「その時は預けに来れば良いじゃろ」

「そうします」

「いやー、ホント守るよりもただの動く陣地になっちゃったね!」

「あの、今言う事じゃ無いとは思いますが修行が終わったら友人に会いに行きたいんですが良いでしょうか」

「ある程度は鍛える。後は自分で決めれば良いじゃろ」

「構わないから持って行っちゃいなさい!」


おお……!

やったぜ!


「師匠、先生……。俺、頑張ります!」

「よし、ならば今日からは狼じゃの」

「兎も混ぜちゃいましょう!」

「七日目には熊を倒してもらうからの。倒せば一応合格じゃ」

「えっ」

「ほれ、始めるぞ」

「急がないとね!」

「あっ」


墓穴掘りました。


「さて、始めるとするかの」

「あの師匠、お願いがあるんですが」

「言うてみい」

「大盾を扱う為の時間が欲しいので兎一匹にしてもらえませんか」

「ふむ。構わんじゃろ」

「ありがとうございます」

「使えると判断すれば増やすからの」

「はい」


時間をもらえた事だし熊を倒せば町に行ける様になったとは言え今何が出来るのかを考えようと思う。

持ち札はスキルは【シールドチェンジ】【ガード】【ジャストガード】【倍返し】【職務投棄】【地足根張】。

装備は籠手、道着、大盾と初期装備の小盾一つ。ただ小盾はボロボロなので受けには使えないな。

それにステータスもかなりと言うか目を逸らすレベルで強化されてる。

とりあえず装備は籠手と道着は付けよう。

大盾は背中に背負うか?でもちょっと試したい事があるんだよな。

やってみよう。


上腕の部分に小盾を付ける。そして特別枠に入れた大盾と入れ替える。

これが戦闘中にスムーズに出来れば面白い事が出来ると思う。

と言うか籠手で充分事足りてるのに対陣地戦装備とかどうしろって言うんですか。


とりあえず準備は出来た。

上手く行けば複数相手でも楽になる気がする。


「準備出来ました」

「うむ。ルーネ師匠!」

「はーい!10匹連れて来たよー!」

「は?」


えっ。


兎は10匹。二匹は角付き。そして当たり前の激昂状態。

うーん、ぶっつけ本番?

まあやってみましょう。


新装備の錆びになれ!

いや違う、的になれ!

あいや、球になれ!兎共よ!



「さあ来い! ぬわーっ!」



だけど全部飛んで来るのはヤメロォ!



「チェンジシールド!」


戦闘開始から数分程立ったろうか。

捌ききれない攻撃を受ける寸前に左上腕に付けた小盾を大盾に入れ替えて受ける戦法は上手く行っていた。

と言うか上手く行き過ぎてこれで良いのかと不安になるレベルだ。

何しろガード範囲が広い。そして肩に近い為にタックルのような感じで当てに行けるのも大きい。

そして複数に囲まれた場合も小盾に入れ替えて逃げるなり砦盾に切り替えたりとやりたい放題。

この砦盾なのだが最小半径だと一瞬で身体の周りに展開出来るらしくそれを使い優位に立てる。

ただ入れ替える時に脇を開き過ぎて側頭部に当てて気絶しかけたのは忘れたい。

そんな事もありつつ存外あっさりと兎を倒し切った俺は達成感と感動に満ちていた。


「勝ったぞー!!」


何しろあの兎達に殆ど無傷で勝ったのだ。

感動である。

これが出来た勝因としては籠手の存在が大きい。

両手盾のスキルが発動出来るだけで後はそのままだからだ。

なので盾の装備場所に小盾を付ける事が出来た。

このコンボは有用だとわかったのでいつかは両上腕に付けて左右どちらでも対応出来るようにしたい。


「ふむ、安定して来たの」

「早速使いこなすなんて凄いわタテヤ君!」

「あの、先生、いきなりあの数は戸惑いますって」

「行けると思ったからね!」

「ふむ。兎はもう大丈夫そうじゃの」

「じゃあ次はアイツラね?」

「ですな」

「次?」

「狼に挑戦してもらおう。その次は熊じゃ」

「えっ」

「その友人さんの為にも早く行かないとダメなんでしょ?」

「あ、いや、急ぎでは無いんですけど…」

「何、問題無い」

「師匠!?」

「と言う訳で次じゃの」

「はい…」

「強くなってカッコいい所見せに行ってあげないとね!」

「ほれ、死なせはせんからの。やってみい」

「はい……」


そうして用意された物がこちら。

狼四匹。一匹は角が付いてます。


ししょぉぉぉぉぉぉ!



そこからは酷かった。



まずこの狼達連携を取ってくる。

兎は個別に飛んで来るのを打ち返していたがこいつらは背後に回ったり吠えて気を引こうとしてきたり。

更に角付きは雷を飛ばしてきたりとめんどくさい。

HPがゴリッと持っていかれる訳ではないのだが地味に身体が痺れる。

麻痺までは行かないもののかなり面倒である。

そしてこいつ等俺に攻撃が効き難いとわかると遠吠えをして仲間を呼んだのだ。

ヤメロオ!増えんな!


そうして現在狼が12匹周りで走ってます。

止まったら集られるのわかってるから俺も走ってるけど。

んー…どうしよっかなー。

職務投棄、使っても良いかな?良いよね?


そろそろ守るだけなのもイラついて来ました。

やっちゃいましょう。


「職務投棄!」


さて攻撃力はどうなるのやら。



うははははは!何コレ超楽しいー!

殴る度に狼のHPを半分ゴリッと持って行ける火力。

攻撃を食らうとHPがごっそり減るが吸収と回復のお陰で問題無し。

それに狼の攻撃は兎よりも遅いのでカウンターも決めやすい。

これなら行ける!

そう思い雷撃を食らいつつも狼に突進し殴り、野球の如く狼達を打ち返し。

遠吠えをしようとするならばその首を押さえねじ切って。

角付きの雷を止める為に思い切り殴ってへし折って。

職務投棄を使うまでひたすらイライラし続けた鬱憤を晴らすが如く蹂躙し。

そうして笑い声を上げながら僅か一分以内に狼を仕留めきった俺は。


「勝ったけど盾ってなんだっけー!」


と叫んだ。



≪激昂角狼の牙を入手≫

≪激昂角狼を判別出来るようになりました≫


戦闘後。

師匠達は目を逸らしながら、


「自分の道を行くと良いんじゃないかの」

「まさかこうなるとは思わなかったけど結果おーらい!」


と言って下さった。



その後はひたすら狼を狩ったり兎を狩ったり兎と狼混合の群れを狩ったりしました。

なんだか疲れたなあ……。

兎と狼の皮歯爪牙も結構剥いでます。

解体も3ぐらいは上がる匹数ですね。


攻撃力0とは一体。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ