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ふかL  作者: 間プー
8/20

夕食に誘われたら個室

俺も誘われてみたい

「おーい愛理、待ったー?」

乙女の杞憂を無視するかのように、成瀬が深川に声をかけた。

「いや、ちっとも待ってないよ?」そう言って深川は微笑む。本当は30分前から待っていた。というか、普通このやり取りは立場が逆なのではないだろうか?

「そっか、なら良かった。じゃあ早速食べに行きますか。」

「うん!」

足取り軽く、2人は歩いていく。


深川愛理は、今この瞬間喜びを感じていた。目の前のテーブルにはたくさんの種類の料理が並び、さらには成瀬とさかと向かい合って食事をとっている。しかも個室だった。ウエイターは料理を運び終えて、そうそうに出て行ってしまったし、つまり、2人きりだ。年頃の男女が1室で食事、いやでも緊張してしまう。でも、いくら有頂天になっていても気になることもある。

「お金とか大丈夫?ここって結構高いんじゃないの?」

「まあ割とお高いかな。でも美味しいよ?今日ボーナス日だったから気にしないで。どうせ1人で食べても寂しいだけだし…もうこの店、3ヶ月連続お一人様できてたから。」

「ふーん。一緒に来てくれる人とかいなかったの?んっと、その…彼女とか?」さりげなく深川は探りを入れてみる。まさかとさかにそんな甲斐性があるはず無い…とは思うが、同時に、とさかみたいなカッコいい人に彼女が居ないってことあるの?とも思える。深川は眼科に行った方がいいかもしれない。

「残念ながらいないかなー、できたこともないし。」

深川の顔がパアッと明るくなった。

「だよね!いないよね!いるはずないよ!!」深川の一言が成瀬の心をえぐる。

「そんなハッキリ言わなくても……」

成瀬が心なしか小さくなった。

(わかってた、わかっていたんだよもぅ〜とさかに彼女がいるわけないってことくらい。)

けれど、女子高生深川愛理は手を抜かない。とさかに限ってそれはない、と思いながらも確認する。

「ごめんごめん、そんなに落ち込まないでよ。ねぇとさか?それじゃあ気になってる人とかはいないの?」

「なんか愛理、今日疑問形ばっかりだね。」

「ねえ教えてよぉ、どうせいないんでしょー?」

成瀬が珍しく長考する。成瀬自身としては答えが出ているのだが、どう伝えればいいか悩んでいるのだ。5分ほど考えて、その間にスープを飲み干して、ようやっと重い口を開いた。

「あーうん、そりゃあ俺もハタチの健康な男なわけだから……当然ね?」

世界が凍った。

「へー、それってダレ?」


明日も頑張ります

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