女子高生の日常〜教室から〜
初投稿です、よろしくお願いします。
暑い日だった。椅子に座っているだけで額には汗が浮かび、顎から滴り落ちるほどの猛暑日だった。 そんな日に17歳の女子高生、深川愛理はペンを手に机に向かっていた。別段、深川は勉強が好きなわけではない。昨日から夏季休業が始まり、その初日に補習に呼び出されたのだ。当然、面白くない。補習の授業も、普段なら始まって3分で寝ているものだ。しかし、教室のクーラー故障というアクシデントに見舞われた今は、悠長に睡眠をとることもできない。「寧ろこんな暑さで寝られる人はいないって、あ、でもインド人とか一年中寝れなくね?」そんなくだらない事を考えても補習は続いていくし暑さは和らいでくれない。
「なーんで、こんなつまんない授業受けてんだろ、あたし。」
誰にも気付かれないように小さい声で呟く。普段の授業をまともに受けずに寝ていることが原因だと深川自身気づいているのだが、それでも呟かずにはいられなかった。むしろ叫びたかった。
ふと、教室の外に視線を向ける。蝉がやかましく鳴き、グラウンドでは野球部が練習に励んでいた。「こんな暑い中、よくやるなー。」と思ったが、こんな暑い中補習をしている自分も同じくらい偉いのでは?さっきの感心をかえせ!と勝手に褒めて勝手にキレたあたりで鐘がなった。
「はい、それでは1度休憩を入れます。10分後にまた。」
そう言って初老の男性教諭が教室を出て行った。早速鞄からスマートフォンを取り出す。画面に「今日の最高気温は38℃」と表示されたのを見て深川は帰宅することを真剣に考えたが、太陽光に勝てる自信がなかったからすぐに諦めた。友人の葵ゆいから補習をバカにする内容のラインが何通かきていた。怒りマークの絵文字を大量に使い返信して、「絵文字使うとJKっぽいな」と無駄な発見をしてちょっと得意げな気分に浸っていると、1分もたたないうちにピコンっと軽快な音が通知を知らせる。
「返信はやっ‼︎ふっふぅ〜、なんだかんだ言ってゆいっちも暇なんじゃないか。可愛い奴め」
画面をスクロールさせて返信しようとしたが、送り主は葵ゆいではなかった。
「あや?珍しいねぇ」
その送り主の名前とメッセージを見て、自然と微笑みが生まれる。
「普段はこんなことかかないのに、こいつも寂しいとか思ってくれてるのかな?なかなか返信もしないくせに。」
指でスマートフォンを愛おしそうにつつく。自分でもわかるくらい気分が高揚していた。
「はい皆さん、そろそろ再開しますから。スマートフォン等はしまってくださいね。」
先ほどど同じ男性教諭が、ハキハキとした声で教室に入ってきた。ぐるっと教室を見渡して、深川愛理の変化に気づく。
「おや?深川さん、何かいい事でもありましたか?」
「はい、とっても!」
「それは良かった。では深川さん、ちょうどいいですし教科書142ページを読んでください。」
「え、あ、はい。」
パラパラとページをめくる。習った記憶のない内容だった。寝ていたから当然である。
「私たちが生きている地球で現在危惧されている事象、【開闢】について。初めて人類が【開闢】を確認したのは………………、……。………?………………。」
「はい、ありがとうございました。皆さん、ここの文章は暗記しておいてくださいね」
1度も噛まずに読むことができた。これは深川愛理にとって中々ないことである。まず、あまり授業中に文章を読むことがないのだが…。兎にも角にも深川は今、絶好調だった。先ほどまでウザったくてしょうがなかった気温さえも心地よく感じるほどで、単純すぎて心配になるくらい絶好調だった。もう一度、頭の中でメッセージの内容を反復する。口角が上がるのを止められない。今日はなんだかんだ、良い日になりそうな気がした。
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