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エピローグ

闇。

そう呼ぶに相応しい真っ暗な空間で俺の意識は覚醒した。

「ここは……どこだ?誰かいないのか?」

当然答える声もなく、駆けつける足音もない。

立ち上がり、顔を上げるとそこにはーーー




事の始まりは2時間ほど前。

俺こと燐堂 大和(りんどうやまと)は幼馴染の女子である木嶋 冬樹(きじまふゆき)と一緒に下校していた。

冬樹は俺に何度も

「何で突然一緒に帰ろうなんて言い出したの〜?」

なんて間の抜けた声で聞いて来る。

そのたびに俺は

「ちょっとな…」

などと言葉を濁す。

そんなやり取りを10回くらい続けていると、ついに冬樹の家の前までついてしまった。

そこで俺は意を決して言った。

「そ、その…ふ、冬樹!!俺とその…つ、付き合ってくれ!!」

声は上擦り、体は変な汗をかいていた。深呼吸をしてから冬樹の方を見る。

「…………ッッ」

冬樹は……泣いていた。

なぜ泣いているのか分からなかったが、それが嬉し涙ではないことだけは分かってしまった。なぜならその顔がとても悲しそうだったから。冬樹は声をあげて泣いていた。


ーーその直後、世界は闇に包まれた。

呼吸が出来なくなり、視界がぼやけていく。次第に体の力が抜け、立っていることもままならない。やがて俺は黒い地面に突っ伏した。

意識が遠のく。目を閉じてしまえば、すぐに楽になれるだろう。

だけど俺はまだ聞いていない。あの言葉の答えを。例えあの反応が彼女の答えだとしても、俺はまだ本人の口から答えを聞いていない。それを聞くまでは、絶対に、何があっても、終われない。

消えてしまいそうな意識を必死に手繰り寄せながら言う。

「冬…樹…俺は……まだ…」

答えを聞いていないぞ。と、言い切るまでに冬樹は答えた。

「さよなら…」

冬樹は悲しそうに笑った。ように見えた。

その直後に、俺の意識はあっさりと消え去った。



時間は戻って2時間後。

顔を上げるとそこにはーーー冬樹がいた。

俺は駆け寄って話しかける。

「冬樹!!何してんだよ…早く家に帰ろ…う…」

最後の方はほぼ声になっていなかったと思う。

別に、振られたのを思い出して気まずくなったわけではない。

纏っている異様な雰囲気が俺にそうさせたのだ。

アレは冬樹じゃない。冬樹の皮を被った何かだ。目は虚ろだし、表情はない。あれではまるで、人形だ。

ソレは、いつも輝くような笑顔を見せる彼女にはからは想像も出来ないような顔だった。

だからこそ俺は、ソレが怖くて仕方が無かった。


やがてソレは口を開いた。

「人の子よ。この娘を救いたいか?」

ソレは威厳ある言い方で俺に聞いて来た。

娘。言うまでもなく冬樹のことだろう。

ならば理由は必要ない。例えあいつの心の中に俺がいなくても、笑顔を守れるのならそれでいい。

聞きたい事はいくつもあるけど、今はそんな事はどうだっていい。俺は力強く答えた。

「もちろんだ」

ソレは笑みを浮かべながら、また口を開いた。

「そうか……。ならばーーー」

グサリ。

腹に何か大きなものが刺さっている。それに気がついたとき、俺の意識は再び暗転した。



つづく


初投稿です。文章が壊滅的だったりと拙いところもあると思います。いや、むしろ拙いところしかないと思います。でも、やる気や根性だけは誰にも負けないつもりです。てか、負けたくないです。

これから少しずつ文章力や読みやすさなど改善して行くつもりです。なので、暖かく見守ってもらえると幸いです。では、また次回よろしくお願いします。

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