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海の焦げた跡

感慨

作者: 海之本

あの頃は思いもしなかった

あの人の笑顔が向けられるとは


あの頃は考えもしなかった

あの人にあだ名で呼んでもらえるとは


あの頃は想像もしなかった

あの人の作った食事を口にするとは


そうだ

あれから僕は十の位が一つ増えた

みんな みんな

時間は流れていく


あの頃は思いもしなかった

あの人に再び会えるとは


あの頃は考えもしなかった

あの人に敬語を使われるとは


あの頃は想像もしなかった

あの人に頼られるとは


そうだ

あれから僕の幼さはすっかり消え

みんな みんな

時間は流れていく


あの頃は考えもしなかった

あの人に笑いかける自分を


あの頃は思いもしなかった

あの人のあの人に笑いかける自分を


あの頃は想像もしなかった

あの人の子供に笑いかける自分を


そうだ

あの人の前で

あの人の家族と

あの人の時間を

受け入れている自分を


あの日の僕なら

きっと

きっと


あの頃よりも

あの人がこんなに近いというのに

どうして

どうして

痛みはこんなに鈍いのか


そうだ

あれから

いつの間にか時間は流れた

みんな みんな

変わっていく


永遠を夢見たこの心さえ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の一文が切なかったです。 強い感情さえいつか色褪せてしまうのですね。 時は良くも悪くも色々な事を変えて行くのだなと言う事を改めて実感しました。素敵な詩をありがとうございます。
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