Order1【物語の続きを再び綴る日】
Order1【物語の続きを再び綴る日】
俺は昨年色々あって病院に入院してて留年してしまった。
当時昏睡状態で病院で半年眠り続けていたらしんだけど、それから目覚めても親父から受けた虐待の痣なども消えてないこともあって、それらも治してから学校に行き始めたのは一ヵ月後。
親父は俺が寝ている間生命を繋ぐ呼吸器を何度も外そうとして俺を殺そうとしたらしい。
だから俺は近所のおばさんたちとか、学校の先生から言われて、今は施設で暮らしている。
親父とは別れることにした。
今では親父からの虐待を受けずに安心して、楽しく暮らせているけど、やっぱ自分の親父が一人って可哀想だなって思うときが時々ある。
だけど、今は恐怖心がまだ残ってて親父のところへ行く勇気はない。
今度、手紙を送ろうと思う。
俺が昏睡状態の中、過ごした物語の話でも聞かせよう。
あんたはその手紙を見たら、笑って破り捨てちゃうかもな。
「ただいま、今帰りました。」
「おかえりなさい。鈴守君。」
施設の中に入ると、優しそうなお姉さんが微笑んで迎えてくれた。
この人は西村綾さん。俺は綾姉ぇと呼んでいる。
心優しい、いい人なんだ。
夕飯は後で摂るといって、とりあえず俺は自分に振り当てられた部屋へと入っていく。
施設にいる高校生で就活の時期になっているのは俺だけで、特別に一人部屋となっていた。
と、いうかここは高校生は大体一部屋に2人制になっているんだけど、高校生は俺しかいない。
「・・・マジカ・・・ねぇ。」
机の上に見慣れた懐かしい本が今でも置いてある。
それはあの日、俺が開いた不思議な本。
当時中身はまっさらで、冒頭部分に【セシル】という名の登場人物の紹介しか書かれていなかった。
そして、気がつけば俺は本の中の世界に飛ばされていた。
飛ばされてから、記憶を一時的に失っており、セシルと出会ったころは黒羽鈴守の俺ではなく、王都ルインに住むレイスとして生きていた。
その中で出会っていく仲間と、楽しい時間を過ごして、最終的に記憶を取り戻し、元の世界に戻ってこれた。
そして再び本を見たときには、まっさらだったこの本は、全ページを使って文字がびっしりと刻みこまれていた。
「あれ・・・でもこの本、全部文字で埋め尽くされていたはずなのに、まだまっさらなページがあまってる?」
てゆーか・・・何かページ数増えてない?
それに本が分厚くなっている気がする。
「まさか・・・」
まさかのまさかだった。
本が光り出して、意識が遠のいていくのが分かる。
あぁ、俺またあっちの世界に飛んでいるんだ。
施設の皆本当にごめん。俺また飛んでいくみたい。
しばらく目を覚ますことはないけれど、待っててよ。
俺、皆に会ってくるから。
そして
「ただいま。戻ってきたよ。こっちの世界に。」
最近マジカのイラスト描いています。
原稿用紙いっぱいにキャラクター描きまくって、めっちゃ楽しんでます。