ORDER12【トラブルシューティング2】
その後、一同は一旦解散し、イサはレイスと共に中央区の公園に来ていた。
セシルとセネルは、店の方で待っていると言った。
「はい、ルイン名物アイスキャンディーだぜ。」
「ありがとうレイス。」
二人は、ベンチに腰掛けてアイスキャンディーを舐め始めた。
ほんの少しして、イサはレイスに話を切り出そうとレイスの方を向いた。
が、レイスは、甘いりんご味のアイスキャンディーに夢中になり、食べることに集中していた。
「レイスって食いしん坊?」
「え?あはははは!!やだなぁ・・・そんなわけない!!」
「でも食べてるとき幸せそう。いつも食べてる時が、最高に幸せそう。」
「まじ?」
やっばいなぁ・・・俺将来肥るかも。
などと呟きながらレイスはアイスキャンディーをさっさと食べ終えた。
「ねぇ、レイス。レイスには信じてもらえないかもしれないけど、話さなきゃいけないことがあるんだ。」
「ん?何だ?言ってみろよ!」
「さっきのバニッシュとの話なんだけど・・・。」
「あぁ、マスターだとか鏡?」
「そう・・・。長くなるけど聞いて。」
「ああ。ちゃんと聞いてる。」
「本当はね・・・レイスは・・・僕のマスターで、レイス自身は・・・レイシスって言う光の直結王族なんだ。」
イサにそういわれて、レイスは何を言っているのか理解できていないようで、首をかしげた。
「ごめんね。信じなくてもいい。でも、僕は本当のことを言っているんだ。」
「・・・大丈夫。信じるよ。話してごらん?」
レイスがそういうと、イサはレイスの頬に触れた。
「いまから僕の知っているレイスのレイシスの頃のデータを直接脳に写すから。ちょっとキツイかもしれないけれど。頑張って。」
そういわれて、すぐにレイスの意識はその場から離れた別空間に飛んだような気がした。
今まで目の前にいたイサの姿が見当たらず、視界に広がるのは一面青い草原。
心地よい風が吹き抜けて、レイスの背中を押すようにしていた。
なんとなくレイスはその風に身を任せているような気分で歩き出した。
すると、草原の向こう側にコンクリート製のような大きな建物が見えてきた。
ぱっと見は、現実世界の学校の校舎のようにも見えるが、違うところは円錐状に近く細長い建物が校舎のような建物に隣接していること。
あんなに大きく細長い建物がある学校などいままで見たことがない。そういう理由からレイスはここは学校ではないのだろうと予測した。
気がつけばもう建物の入り口付近までレイスは歩いてきていた。
なんとなく建物を見上げたり辺りを見渡したりしていると、数名の男性がレイスの方に向かって走って来て、近づくとレイスの腕をがっちりと固定し、引っ張り出した。
「は・・・?ちょ・・・何?」
「今まで何処に行っていたんですか!!全く貴方様と言う人は!」
「いつもいつも置手紙も無しに行き成り外へ出て行かれて!我々の身にもなってください!」
彼らの言っていることが理解できてないレイスは、そのまま彼らに建物の中へ引きずり込まれてしまった。
そしてそのまま、一室に入れられて、行き成り怒鳴られた。
「何ですかこのお召し物は!!」
「な・・・何って俺の普段着なんだけど・・・。」
「普段着?!笑わせないでください!この服で街までお忍びに行かれたのでしょう?!」
「・・・はぁ?」
もう何が何だか分からなくなってきて、だんだん頭が混乱してきた。
大体この人達は一体誰なんだ?!誰と俺を勘違いしているんだ?
一人唸っていると、男性の一人がなんだかすごい洋服を持ってきた。
それを、今まで怒鳴っていた男性が受け取り、ベットに置くと、行き成り俺の服を脱がせ始めた。
「わ―――――ッ?!!?!変態!!!まてまてまてまて早まるな!!!俺をソッチの世界に引きずり込まないでください!!!ごめんなさい!!!!謝るから許して!!あ、別にソッチの世界のこと否定しているわけではないんだよ!!うん!いいと思うよ俺は!でも俺はまだソッチの世界に入るには早いと思うんだ!」
「・・・何を騒いでいるんですか?いつものことでしょう?」
「あれー・・・いつもこんなことしてたっけー・・・俺自分が分からないー・・・。」
「はいはい、もう芝居はいいですから着替えていきましょうね。」
「行くって何処へ?」
「何処って・・・国会。」
わぉ・・・・高校生に行き成り国会ですか!!!ちょ・・・wwwwwwwww
おまwwwwwwww⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
頭の中がすごいことになりながら、レイスは服を着せられて、隣町の会場まで馬車らしきもので向かわされた。