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妖々戦国時代  作者: 猫子
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ティータイム


「お前ぇが丸一日ここに居るたぁ珍しいな」

釈迦は屋敷に戻って皇世に声をかけた。


「どうでした? Sランクは」


「アイツら完全にビビッちまってた」


「まだまだ教えることが沢山ありますね」


「あぁ・・・お前ぇ何作ってんだ?」


「食後のおやつと明日の朝食の準備です」


エプロンをして料理をしている皇世はとても楽しそうだった。


「・・お前ぇできねぇ事とかねぇのかよ」


「まぁないですね。天才ですから」


皇世はしれっと応えた。


「亜助は微塵も記憶が残ってねぇみたいだな」

釈迦はつまみ食いをしながら言った。


「記憶がうっすらでもあるほうが珍しいですけどね」


「まーな。俺とお前、後は珠莉愛と蓮と茶々丸だけか」







「あーーー!!何か良い匂いがするぅ!!」

翠、華、熊、蓮、茶々丸、薫、亜助が部屋へ入ってきた。


「うっわー!!ケーキだ!!さっすが皇世さん!!」

翠が目をキラキラさせた。


「こらこら。此処では先生ですよ」

「はぁい!先生!これ、私の分もあります?」

「全員分ありますよ」

皇世はテーブルに大きなホールのケーキを3つ並べた。


「紅茶いれますね」





「また華ちゃん贔屓・・」

翠が皇世をじろりと睨んだ。


「何のことでしょう」

皇世はにっこり言ったが華ちゃんのケーキにはお皿から落ちそうな程のフルーツが乗っていた。


「ワイのケーキ見てみぃ。キウイしか乗ってへんで」

熊はボソッと言った。


「そういや亜助、ハオの術で修行したんだって?」

釈迦が言う。


「うす!」

ケーキを頬張りながら亜助は応えた。


「その前に珠莉愛さんにバッキバキに骨折られてましたけどね〜」

茶々丸がケラケラと笑いながら言った。


「で、力のことはちったぁ分かったのか」


「いや、まだ全然っす」


「俺ぁ任務があるからついてやれねぇ、明日は誰か見てやってほしいんだか・・」


釈迦は亜助以外の6人の顔を見た。


「茶々丸と薫は教えるのに向いてねぇな。翠と熊もすぐ遊び出すしな・・」

そう言って続けた。


「蓮と華で見てやってくれ」


「・・釈迦さん横。」

蓮は溜息をついた。


「あん?」

釈迦は蓮に言われて隣を見た。


(げ!)


華ちゃんに男2人と過ごさせることにヤキモチを焼いた皇世は顔は笑っているが


「釈迦さん、私の仕事を増やしましたね」

凄まじく禍々しいオーラを放っていた。


「午前中は私も付き合います」



(え!皇世さんに教われるなんてラッキー!!)

亜助は手放しで喜んだ。



「私他のみんなにもケーキ運んでくるね」

華ちゃんはトレーにケーキと紅茶を乗せた。






「修行修行〜!!」

朝食を食べ終えた亜助は約束の時間に外の広い敷地へ向かった。


「?おはよっす・・」


途中でまたもや超人そうな人物とすれ違った亜助はとりあえず挨拶をしながら通りすぎた。


屋敷にも次野のような執事っぽい人は沢山いるがなんとなく凄い人は亜助にもわかる気がした。



「あれ?華ちゃんだけ・・袴?」


教師も隊員もだいたい黒ベースの服が与えられていて、昨日は華ちゃんもそんな服だったが今日は剣道部のような袴を着ていた。


(似合うー)

亜助は剣道部というより巫女さんのようだと思った。


「私は竹刀を使うからって皇世が・・」

華ちゃんは少し恥ずかしそうに言った。





「揃ってますね(華ちゃん可愛い!)。初めましょうか」


皇世は長い髪を纏めて見た目だけはやる気満々だった。



「では華ちゃんは空間から自分の武器を出す方法を教えてあげて下さい」


(空間から武器?)

「よろしくっす!」

亜助は訳はわからなかったがとりあえず礼儀正しく言った。


「あのね、私達には・・」


亜助に教えようと近づいた華ちゃんだったが皇世はニコニコと間に入った。


「あの・・皇世・・教えにくいよ」

華ちゃんは言った。亜助はぽかんと見ていた。


「皇世さん。華ちゃんに嫌われんぞ」

「!!華ちゃんに嫌われる?!」

その言葉だけでショックを受ける皇世に蓮はやれやれと溜息をついて皇世の腕をひいた。


「蓮君。言霊って知っていますか?言葉には魂が籠るんですよ。縁起の悪いこと言わないで下さい。私がもし華ちゃんに嫌われるなんてことになったら私は蓮君を一生恨み続けますよ」


タラタラと文句を言う皇世を無視して2人から少し離れた場所に皇世を連れて行った。


「俺達はここで見学しますよー」

蓮は淡々と言った。

(めんどくせ)



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