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妖々戦国時代  作者: 猫子
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Sランクの妖魔


「亜助。あんたはEランク以下だ。遊んでる暇はないよ」


「・・そっすね」

(こっわ)


珠莉愛は目を細めて亜助の額あたりを見た。


「ん?」

亜助は額に手を当てた。


「消えちまいそうな量だな」


「え!脳みその話?!」


「神の名残だよ」

珠莉愛は舌打ちしてから言った。


??


亜助はぽかんとしていると


「私を殺してみな」

珠莉愛は言った。


「え!ころ?!」


「冗談だ。あんたなんかに私は殺せないよ」


「・・ Sっ気強いっすね先生・・」


「さっきハオが戻って来た。死にはしないけど死にたくなるくらい痛い思いしてもらうよ」


珠莉愛は意地悪そうに笑った。


「あんたの人間離れした能力でかかってきな」

珠莉愛は人差し指をちょいちょいと動かし亜助を挑発した。


「珠莉愛さん強いみたいなんで遠慮なくいくっすよ」

亜助は足を肩幅に開いた。


珠莉愛は目を細めて笑った。

「来い」



亜助は一瞬で珠莉愛の目の前。

(ふーん。確かに早いね)


亜助の一撃を珠莉愛は片手で受け止めた。


「!!」


「普通の人間相手なら世界チャンピオンにでもなれるかもね」


(嘘・・びくともしない)

焦った亜助は間髪入れずに攻撃を繰り返す。


(当たらない!)


「遅いよ」

言葉と同時に珠莉愛は亜助の腹部に蹴りを入れた。


バキバキーーー!!


亜助は大量の血を口から吐いた。

そして叩きつけられ地面は豪快に割れて亜助はめり込んだ。


「肋いった?」

(!!!)

目の前には珠莉愛。

(早い!!)

亜助は髪を掴まれ持ち上げられた。


そして不敵な笑みを浮かべ右手で亜助の左手にそっと触れた。


「このくらいの力は今日習得しな」

そう言って優しく触れた手から物凄い熱と力を感じた。


「あぁああああーーーー!!!」

亜助の腕は反対方向に折れ曲がった。



ーーパンパンーー


「珠莉愛、気持ちはわかりますがもう少し段階踏んであげてください」


ニコニコと手を叩いて皇世が止めに入った。


「亜助、立てますか」


「・・今むり・・」


珠莉愛は大きく溜息をついた。





「まぁま、痛かったでしょう」

クスクス笑いながらも手のひらから暖かい光を亜助の腕に当てながらハオと呼ばれる先生らしき人が言った。


(痛みがやわらいできた・・)


「亜助ちゃん、ごめんね。珠莉愛は乱暴だから」

「や、俺、全く歯が立たなかったっす」


「当たり前じゃない。これからこれから」

ハオは優しく言った。


「私は剛田ごうだ ハオよ」

「剛田先生・・・」


「亜助ちゃん?初めてだから許すけどハオ先生って呼んでね」


「!う、、うす!」

(こわ!)


ハオは剛田という男らしい苗字はお気に召さないようだった。


「何から教えたらいいの」

珠莉愛は不機嫌そうに皇世へ聞いた。


「そうですねぇ・・亜助君がもう少し能力を理解しなければ珠莉愛さんと修行は難しいですね」


「じゃあ使いものになるまで誰か育ててよ」


「そうですねぇ・・ハオ」

「私は修行だなんてしませんよ」

「あなた自身が動かなくても構いません。ここには小動物が沢山います」

「あぁ、そういう事ならお引き受けします」


(俺の先生はハオさんか?)

亜助はぼんやりと会話を聞いた。


「え!何!!めっちゃねらわれてる!いって!!」


亜助は野生のイノシシに突進された。


「ハオは動物や時には妖魔も操ります。24時間狙われますけど今回相手は可愛い動物達ですから間違っても殺さないように心を通じ合わせて下さい」


そう言って3人の先生はお茶の用意ができてるだかなんだか話しながら行ってしまった。


「ちょ!どういう!!って!!」

カラスや猫にまで攻撃され亜助は1人残された。



「何遊んでるんです」

「・・茶々丸・・どうやったら遊んでるように見える」

狼の顎を抑えながら亜助は言った。


「ハオさんですね」

茶々丸は狼の頭を撫でた。


狼は亜助を攻撃するのをやめ、茶々丸に懐き、擦り寄った。


「・・どうなってんの・・いって!!」

次は大きな蛇に噛まれながら亜助は聞いた。


「動物と波長を合わせて従わせれば良いんですよ」


「だからそんなんどうやって!」


「やだな亜助さん。それが修行ですよ〜」


茶々丸はニコニコしながら言った。

釈迦に連れられ現場に向かう5人を遠くに認め、茶々丸はぽつりと言った。


「僕も Sランクの妖魔と久しぶりに戦ってみたかったです」


「 Sってやっぱすげーの?」

今度は蛇の上顎と下顎を掴んでいる亜助が聞いた。


「まぁ・・遭遇しても基本的には戦わないように言われます」


「・・へぇ・・」


蛇や猫やそんな者すら扱えない亜助は少し落ち込んだ。


「亜助さんはどうして痛い思いまでして討伐隊員になろうと思うんですか」


「なろう・・ってか勝手に連れて来られた。茶々丸は?」


「僕は単純に面白そうだったからですよ〜」


「変わってるな」


「そうです?僕からすれば動機もなく参加してる亜助さんのほうがよっぽど変ですけどね〜」


「あ!何かディスられた気がする!!」


「あはは〜。ま、きっと運命なんでしょうね。なんて〜」


「なに?またスピリチュアル的なこと?」


「そんなゆるいもんじゃないですよ〜」


「何なんだよ一体・・」


「じゃあ僕からヒント。亜助さん左手にゆっくり集中してみて下さい。火を連想しながら」


そう言ってすぐに僕は部屋に戻りますんでごゆっくり〜と笑って戻っていった。


「左手?火?何・・」

亜助は更に頭が混乱した。

しかし、何度もそのワードが頭をよぎった。






「あ!ハオ先生!!動物に噛まれたとこさっきのやつで治してーー!!」

遠くにいるハオに向かって亜助は大きな声で言った。



近づいて来たハオは驚いた。

全身傷だらけではあるがなんと亜助の周りにいる動物達はハオの能力をかけているのにもう亜助を襲っていなかった。


(この子飲み込みが早いのね)



「先生のその能力いーね」

「治癒のこと?」

「んー」

「死んだら終わりよ。治せないわ」

「死ななきゃ治せるんだ」

「度合いによるかな」


優しいハオと話すと亜助はホッとした。










「あれが・・ Sランク・・」

熊は息を呑んだ。


「纏う空気が違ぇだろ。知性もたっぷりだ」


「釈迦さん、どうするんすか、あれ」


「殺すに決まってんだろ」


「俺らは見とぉだけっちゅーことですか」


「相手の力量を計り間違うと死ぬからな。あれに勝てる自身ある奴ぁいるか」


釈迦の言葉に自信家の2人も流石に黙った。


薫は元々無口だが更に下を向いた。


「ま!何事も経験だ。俺が行くがお前ぇらも一緒に来い。近くで体感くらいはさせてやらぁ」


「あざっす」

蓮が言った。


「アイツ何しよんねん!」

気持ち悪い妖魔の周りの時空が歪み、異空間のようになっていく。


「ありゃ、あーやって妖魔の世界に造り替えようとしてやがんだ」


そう言いながらゴソゴソと空間から武器を出した。


「釈迦先生武器使うんすか?!」


「俺ぁコレが気に入ってんだ」

にかっと笑って手に持っているのはマシンガン。


「ゴリゴリの妖力こもったマシンガンすね」


「まーな。あれぐらいならコレでじゅうぶんだ」



一気に妖魔の間合いまで入った。

(何やこれ!凄まじい殺気やで!)

蓮、熊、薫は妖魔の纏う空気にたじろいだ。


「怯んでんじゃねぇ!しっかり見とけ」


「何だ貴様ら」

妖魔が喋った。


「このバケモンしゃべれんのかよ」

蓮は顔をしかめた。


「何だおやつかこれは」


「なんやとワレ誰がおやつじゃ!」


「・・お前ぇらイキが良いのは結構だが黙ってちゃんと勉強しろっての」

釈迦は呆れて言った。


「いくぜ」


ダダダダダダダダダダダダダダダッーーー!!



釈迦はマシンガンをぶっ放す。


化け物は8つの目を動かし起用に避けた。


と、思ったが釈迦の操る玉はまた戻ってきて化け物をぐちゃぐちゃにした。


「おい、死んでねーんだろ」

釈迦は飛び散った肉片に言った。


「げ!きめー!!」


肉片は1つに塊また化け物が姿を表した。


化け物の尻尾が釈迦の顔面を打った。


「釈迦さん!!」

蓮は叫んだ。


「あ」

心配したのも束の間。


打たれ強い釈迦はダメージすら受けていなかった。


「てめぇも Sランクのプライド見せてみろよ」

釈迦はにかっと笑った。


「フン!人間風情が」




そこからの戦いは目にも止まらぬ速さの攻撃が繰り広げられた。少しでも長く生徒に見せるために釈迦はマシンガンのみで戦う。


「釈迦さん手加減してる」

蓮は自分との差にやるせなさを感じるもやはり Sランクの妖魔の強さとそれ以上に釈迦の凄さを思い知った。


他の2人も少しも見逃さぬよう真剣に見ていた。


「そろそろか」


「!!」

一瞬で妖魔の目の前につめた釈迦は妖魔の額にマシンガンを当てた。

「さっきの比じゃねーぜ。あばよ」


洋間は血走った目を見開いた。


ドォーーーン!!!



釈迦の妖気を込めた一撃で今度こそ肉片すら残らなかった。



(やっぱ本物の¨師¨はちげーわ)

蓮は思った。



「まぁ Sはこんなもんだがお前ぇらは多少無理してでもこれからはAランクに当ててくから覚悟しとけよ」


釈迦は3人に言った。




珠莉愛は最初から最後まで手出しすることもなく、遠くから4人の様子を眺めていた。


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